奥穂高岳・直登ルンゼ/山スキー
上高地〜涸沢〜白出のコル〜奥穂高岳〜直登ルンゼ〜涸沢〜上高地
直登ルンゼは奥穂高岳山頂から涸沢に向かって落ちる顕著なクーロアールである。クライミング
の範疇に入るバリエーションルートをスキーで滑降する!
■往路交通 別府〜宇佐別府道路〜国道10号〜九州自動車道小倉東IC〜中国自動車道〜
山陽自動車道〜名神高速道〜中央自動車道〜長野自動車道〜松本IC〜国道158号〜沢渡
駐車場
■山域 北アルプス・槍穂高
■メンバー 単独
■天候 曇りのち雨のち晴れ
5/1 梓川の河畔、上高地のいつもの景色。どんより、妙に暖か。
明神通過。
徳沢通過。
横尾到着。運動靴をスキーブーツに履き替える。
屏風岩から雪崩。おつりがしばらく・・・。
アップダウンの激しい本谷の河底を歩く。夏道と違って屏風岩の下を歩くので雪崩と落石に注意
がいる。
ここを曲がると涸沢ヒュッテが見えるはず。雪が重い、スキーが重い、足が重い..
5/2 昨夜から大雨・・停滞。午後ザーザー降りから一気に晴れ。奥穂がまぶしい。
北穂はこんな感じ。
涸沢ヒュッテはまだ半分雪の下。
山岳救助で有名な東邦航空のヘリが飛来。
前穂北尾根をかすめて飛んでいった。時間が勿体ないので北尾根の斜面と北穂沢を半分登り
上げて滑降練習。グサグサのウェットパウダー。
5/3 快晴。ザイテンの上りから直登ルンゼの出口を見る。そんなに急に見えない。
穂高岳山荘の陽だまりで雪が緩むまで1時間寝。ハシゴ場は取り付いてみると日陰が氷だ
った。
ハシゴ場上の雪面はガチガチ。さすがに滑降をためらう。槍、涸沢岳、北穂の展望。板を背負っ
ているのが場違いな感じ。
奥穂手前のピ−ク。下りの人からどこを滑るの?といういぶかしげな質問を次々受ける。
奥穂頂上からジャンダルム。
前日の大雨でテラテラの斜面。堅いが薄いモナカ、いくしかない。出だしは超急斜面のトラバー
ス、万一落ちると岩の餌食になるのでアイゼンのままバックステップで20M下降した。ピッケルに
すがってテラスを作り、スキーを装着する。真上が奥穂の頂上。
エッジを立て、渾身のジャンプターン。ターンのたびにガツガツと物凄い騒音と振動、削れた氷雪
片が落ちてルンゼの出口はもうもうとけぶっていた。絶対に転倒しない、100%のターンに没頭
した。ルンゼの下部は壁から流れ落ちる雪で溝が出来ているのでかわしながら滑る。
直登ルンゼ出口!ザイテンの基部に向かう。
ザイテンの基部から涸沢に向かってロングターンのシュプールを描く。
奥穂頂上から涸沢ヒュッテまで、25分間のエクスタシー。
写真で何度も立ち止まった割りにはシュプールがきれいについていた。
連休後半の初日、続々と上がってくる登山者の行列を横目に横尾まで快適に滑り降りた。
後記
休みが6日しか取れず、大山以来のぶっつけ本番である。アプローチの運動靴は大成功であっ
た。上高地〜徳沢〜横尾を区間40分で通過した。2日目は大雨で停滞を余儀なくされたが周辺
の急斜面で貴重な練習が出来た。滑降日は前日の雨と早朝の低温で雪面ガチガチ、穂高岳山
荘と奥穂山頂で時間待ちをして頂上やや下からスタートしたが、人生始まって以来の怖い滑降に
なった。帰りに振り返ると、奥穂の斜面に自分のシュプールが逆光に光っていたが、見えるたび
に誇らしかった。
*)PCトラブルにより編集用の時間データ消失
DATA
山域 |
中部山岳国立公園・槍、穂高岳 |
所在地 |
長野県 |
日時 |
5月1日〜3日 |
メンバー |
単独 |
主要装備 |
45Lザック、K2エネミー163cm、ディアミール3、ガルモントメガライド、ピッケ
ル、アイゼン
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天候 |
曇りのち雨のち晴れ |
コース |
上高地―横尾―涸沢―奥穂高岳―涸沢―上高地 |
コース概要)
青:登り
赤:スキー
紫:アプローチ往復
トラッキングは手書き
直登ルンゼルート概略(カシバード)
青:登り
赤:スキー
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