・ハンワグ クラックセーフティーGTX
・シリオ 270GTX
・シリオ 40GTX
・ローバー タホーWXL
・キャラバン 柳又アクア(登山靴として評価)
ファイブテンのソールを搭載するアプローチも登攀もこなす恐るべき革新的な靴だ.。ソールの
前後の高低差は5mmで今流のベアフットシューズに近いスペックを持つ。ブロックパターンが 浅い(1mm弱)ので笹や泥、落ち葉で滑るのが最大の弱点である。岩のグリップでコレを超え るのはクライミングシューズしかない。サイズは登山靴と同じつま先1cm感覚で丁度よい。
【自分勝手流軽登山靴考察】
冬用の登山靴は使用環境が違うので言えないが、長年登山をやってきて無雪期用の靴はで
きるだけ足を固めないタイプのほうが良いような気がする。18才から山登りを始めて当時は いていたのはローバーのチベッタだった。これでオールシーズンをこなしていたが10年くらいし てナイロンコンビの軽登山靴が登場してきた。登山雑誌でも推奨記事が特集で載るようになっ てきた。無雪期で冬用の重い登山靴を履いている事にナンセンスを感じていたので半信半疑 でタラスブルバのを買ってみた。今まではいていたのとはまったく違って軽いがこれは登山靴 ではないと思った。要はハイカットの運動靴なのだ。確か7800円の代物だからその程度の靴 であった。これで初めての剣に登った。当時関東にいたので剣は遠くて縁の無い山だった。だ からこの山に行き着くまで10年かかった。コースは八つ峰上半、剣沢を下り長次郎雪渓をつ め5、6のコルへ。そして剣まで岩峰群を縦走して一般ルートの別山尾根を下る。アイゼン、ピ ッケル、ザイルなし。それでいけた。はいていたのは7800円。時間は覚えていないが、平蔵 のコルあたりで登りの登山者に大勢出会ったからかなり早い時間に下山していたはずであ る。下山後足は特に足首周りが異常に疲れた、雪渓でアイゼンがなかったので雪渓の登りで 難儀したと記述があった。足首周りの疲れはサポーティングが不足していたので仕方なかっ た。雪渓は4本爪の軽アイゼンを買えば問題なかったがこの程度の山では大げさと思った。靴 はナイロンと人口皮革の岩にあたったところが1回の登山でボロボロになった。この登山を期 に軽登山靴の使用が始まった。そしてこのときの反省を踏まえて機能が強化された軽登山靴 との付き合いが始まった。しかし決まって下山時に足を痛めるようになってきた。股関節やヒ ザ間接が痛んで歩行困難になることもあった。これは剣のように行動時間が10時間を越える 登行でしばしばなった。疲労と違って関節をやられると休んでも回復しない。重い登山靴では 疲労と足の皮剥け、マメが故障原因だったのに様子が変わった。はいてきたのはスカルパ、 テクニカ、ドロミテ、シリオ、ローバー、靴を替えても長時間の歩行で同じ故障はつきまとった。 昨年からキャラバンの沢靴を履くようになった。ソールのグリップは登山靴から見ればまるでマ ジック、だが注目すべきは足首や甲を包むナイロン生地や素材のつくりのシンプルさ。値段が 安いので、また水はけを良くするために全体は布切れ1枚のシンプルなつくりでフィット感抜 群。つま先、甲周りからかかとにかけてゴムで補強。使ってみると今まで悩まされてきた関節 の故障が出なくなった。当然歩行のスピードが上がり、コースタイムが早くなった。最初に買っ た7800円のつくりである。長々と書いてきたが結論はここにある。軽登山靴は足首周りをゴ テゴテと固めてはいけない。分厚いクッション素材を介さずに外皮でサポートすることが望まし い。ここを固めたり間接素材でレスポンスを鈍くすると靴が関節のある足首の動きに追随しな くなる。靴は接地面の凸凹でいろいろな角度にふられる。重登山靴はどういったスタンスにも ある程度水平を保てる。軽登山靴はそうはいかない。ステルスラバーのようにソールのグリッ プがいいと筋や骨格に無理をかけずに自然にダラッと足場に体重を乗せられる。足首の布地 が薄いと接地面のいろいろな角度に甲だけで対応できて、その先の関節に無理がこない。今 までの軽登山靴との違いから軽登山靴のあるべき姿がキャラバンの柳又を履いてわかってき た。 |