乗鞍・猫岳第三尾根/山スキー
国道158号久手牧場下−乗鞍スカイライン−夫婦松駐車場−乗鞍スカイライン−猫岳
年末の大雪でそろそろ快適に滑れるだろうということで、土地勘が出来つつある平湯エリアの猫
岳第三尾根でパウダーを頂くことにする。当然日帰り予定だが帰路のスキーでとんでもない罠に
ハマってしまった。
■往路交通 甲府〜中央道〜松本IC〜国道158号線〜久手牧場下P
■山域 乗鞍山群
■メンバー 単独
■天候 晴れ時々雪
6:23 国道158号の平湯トンネル出口より高山方向に1kmほど進んだ先の広いチェーン装着
場に車を止める。 ”安全運転” 裏面は ”自然愛護” の看板が目印。取りつきの向い側は高い法
面なので高山側に進んで久手牧場の斜面に入る。
6:39 疎林を少し登ると開けた牧場地に出て上の末端までつめる。
牧場地の上で尾根に取り付く。
国道対岸の輝山を朝日が輝らす。
登るに従い樹林が濃くなりつつ。
8:50 スカイラインに登り上げる。夫婦松駐車場だった。
夫婦松の先で樹林帯に突っこむ。
スカイライン乗り上げ数回。下りでは脇をかすめても良さそう。
10:42 最後の乗り上げ。ここからはスカイラインをたどる。トレースが続く。
スカイラインの下り方向。第3尾根でなくこっちを下りに使うとラッセルになりそうだ。
大崩、猫岳が望める。
11:12 2300m地点でスカイラインから浅い沢状の斜面に取り付く。ここからは森林限界にな
るのでクトーを装着する。
鞍部に向う登り。
鞍部へ向う途中から猫に向うクラスト斜面。
シュカブラに覆われる円頂峰の猫岳。
12:07 猫の頂上に到着して乗鞍山群。
隣の四ッ岳。
槍穂方面。
K2ウェイバックの初卸し。山頂は強風。
頂上直下はクラストだがすぐにパウダーに突っこんで快適な滑降になる。ストックの先端を引き
ずるクセがシュプールに。
12:27 スカイラインに落ちる浅い沢状斜面の滑りが一番快適だった。
12:49 スカイラインから下の、樹林帯のツリーラン。
あまりに快適な雪で樹林帯の左手の沢地形を滑降してみる。しかしこれが地獄の始まりだった。
滑りきった地点からは登り返せる傾斜と雪ではないのでトラバースで尾根側に戻ろうとするが行
けども行けどもトレースに行き着かない。トラバースと軽い下りを交えてスキーで距離を稼ぐが先
方で久手御越谷の急斜面にハマってしまった。結局スキーが使えなくなり首までのつぼ足ラッセ
ルで日没後もトラバースを続けるが、大きな滝と思われる上部に出て暗い中での行動は危険と
判断、岩棚でビバーク体制に。ゴーゴーとした水音にヘッドランプを向ければ光が虚空に吸い込
まれて絶壁の上にいることを確認する。携帯(ムーバ)が通じてビバーク連絡。
翌4日7:36 朝食後、写真の滝の落口手前の水流を渡り魅力的に見える対岸斜面に移ること
も考えたがこちら側と変わらなければ無駄に体力消耗するだけなのでやめた。ここからは下降で
きないので右岸の尾根を乗越す。進むには空身でラッセルしてルートを切開いてザックを取りに
戻る。上方向、トラバースと試行して昨日行き詰った60度くらいの急な小沢を降りれば沢床に降
りられそうなのでそれで行く。沢に下りてしばらく行けば周囲斜面の等高線は緩くなっている。
11:08 小沢を下り切って滝の全貌を初めて見る。半氷結した60mくらいの滝だった(後に久
手御越滝と判明)。ここからは河原のゴロ岩を縫うように登山道らしきがみえるが、沢は水流が
出ているし、先で小滝、ゴルジュや大岩が出る可能性があって油断できない。
14:03 国道に出て谷奥方向を見る。途中1箇所渡り返しができなくて板を外して尾根を高巻い
たものの、時間はかかったが大した困難も無く国道に出られた。
15:02 国道に出てからも長い歩き。車に帰還して顔を拭こうとしたがポリタンの水がカンカンに
凍っていた。
後記
素直に往きのトレース伝いに滑っていればなんてことのない1日だった。このエリアへの山スキー
経験の無さと応答性の悪い旧式のGPSが災いして辛い思いをした。厳冬期久手御越谷初下降と
なるのか?
DATA
山域 |
乗鞍、平湯エリア |
所在地 |
岐阜県 |
日時 |
2011年1月3、4日 |
メンバー |
単独 |
主要装備 |
30Lザック、ガルモントメガライド、K2ウェイバック、TLT、クトー、シール、フリー
ス上下、羽毛ベスト、アウター上下、ツエルト、スコップ、ピッケル、12本爪アイゼ
ン、0.5L保温水筒
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天候 |
晴れ時々雪 |
コース |
国道158号線久手牧場下駐車−夫婦松−乗鞍スカイライン−猫岳山頂−乗鞍
スカイライン−2200m下樹林帯−久手御越谷−久手御越滝−国道158号線
−久手牧場下駐車
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コース概要)
赤:GPS登下降トラッキング
紫:GPS電池切れに付き手書き
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