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山スキー 2013年2月22日
奥秩父・柳平から国師ヶ岳、北奥千丈岳往復
/山スキー
川上牧丘林道冬期閉鎖ゲート〜大弛峠〜前国師岳〜国師ヶ岳〜北奥千丈岳
無雪期には奥秩父で最も容易とされる大弛峠からの国師ヶ岳登山。しかし道路が閉鎖する冬ともなれば奥秩父最奥の地にあ って様相は一変する。人跡未踏?の冬の聖地を日帰りで往復する。

■往路交通 甲府〜雁坂みち〜県道210号〜柳平
■山域    奥秩父
■メンバー  単独
■天候    快晴


前夜発日帰りにならないよう自宅を0:30に出る。
2:05 民宿金峰山荘の先、柳平冬期閉鎖ゲートの転回スペースに到着して出発準備完了。大弛峠まで14kmの地点だ。


出だし積雪は20〜30cm程度、車の轍、登山者やファット級スキーのトレース、多くの鹿の足跡が入り乱れている。いずれは どれも途中でなくなるはずである。


2:54 大弛峠まで12km。25分/kmのペース。車の轍は最初の橋で転回した跡があって消えた。スキーのトレースは1km も行かないうちに消えた。登山靴のトレースは続いている。ソールのサイズからして女性のようだ。しかも単独。


2:57 六本楢の鶏冠山林道分岐に到着。


3:24 30分/km


3:45 21分/km。この辺は水平区間で速い。


4:11 26分/km


9kmポストの先。ツボ足が引き返した跡。


4:37 26分/km。ウロコソールはしっかりグリップしている。


5:04 残り半分。27分/km。


5:36 32分/km


日が経っているが素がドライパウダーなので積雪深がなくても板を脱げば股下まで潜る。ツボ足はありえないでしょう。


6:17 夜明済。休憩入って43分/km。


6:44 27分/km


7:20 36分/km


上に林道が見える唯一のショートカット地点でシールを装着するがウロコに貼りつかずに焦る。グリップアップの彫り増しが災 いしたようだ。入笠山より平坦面が大幅に少なくなっている。シールをあきらめ道なりに進む。大弛峠からが問題だ。


8:02 42分/km


8:46 44分/km。さすがに脚にきている。残りわずか。


上に北奥千丈岳が見えれば大弛峠が近い。

冬の大弛峠
冬の大弛峠
9:23 大弛峠に到着。ラストは37分/km。ウロコのおかげで体力温存。本来なら明るいうちに帰れそうな時間だがゲレ板で 登山道のラッセルとシールの不調がどのくらい影響するか。震災前日の2011年3月10日にK2・Press159cmで国師ヶ岳 往復に3時間14分。

冬の大弛小屋
9:28 国師ヶ岳へは大弛小屋の右手奥から取り付く。指導標の頭が出ていた。小屋裏からは登山道でシール必着。細引き を巻いて応急固定する。


登山道の状況。無雪期は自明のコースだから赤布はしばらくの間は無い。切り開きはわかりずらい。


道中10箇所くらいある木道階段の盛り上がり。場所によりシラベの枝葉がせまって四つんばいで通過する。脇にスペースが あればそっちへ逃げるが吹き溜まりで空洞に落ち込む。

夢の庭園 冬
厳冬期 夢の庭園から金峰山
10:07 夢の庭園系由でもいけるはずなので立ち寄って金峰山の眺め。しかし階段で板を脱がされるし、末端から先がヤブ 漕ぎになって引き返す。


10:46 夢の庭園から分岐へ戻り。大きなタイムロス。


樹間が狭い上に急で、山スキーでは難儀な登山道である。登りの途中でシールのトップ側が剥れてフックがかからなくなる。 引きずる前半分を靴に巻きつけて何とかいく。


疎林のピークを右から巻き気味に登り上げると


11:38 前国師岳の頂上。ここは露岩帯で360度の展望。


11:59 北奥千丈岳を横に見ながら疎林の稜線を歩き、再び樹林帯に入って登り上げると

厳冬期 国師ヶ岳頂上
12:04 国師ヶ岳の頂上に到着する。大展望でこの為に来たと言ってもいい。


国師ヶ岳からは北奥千丈岳が指呼の距離だが、日没前の帰着に必要な時刻を過ぎているので思案。下山を急げば間に合う かもしれない。

厳冬期 北奥千丈岳
12:29 三繋平(みつなぎたいら)手前から緩い尾根上を進んで奥秩父最高峰、標高2601mの北奥千丈岳に到着。尾根は シラベの枝葉で通過が難儀だった。


国師ヶ岳と360度の展望を堪能したら帰路に着く。

厳冬期 前国師ヶ岳
12:52 前国師戻り。この先は大弛峠に向かって狭い樹林帯の急降下。シールをつけて下るが木道や狭すぎる登山道の切 り換えしに手こずり時間を食う。

厳冬期 大弛小屋
13:53 大弛小屋戻り。勝手口が開いていた。結局2山の往復に4:25もかかっていた。


ケブラー製2mmの細引きで応急固定したP社製シール。貼りつかない接着面に雪が入りこんで激重の下駄である。シール歩 行が出来るだけマシと考えるしか。細引きは斜めグルグル巻きが歩行抵抗との両立で具合がいいような気がする。。


14:12 大弛峠を後にする。


平均勾配7%でスキーは手放しで滑らない。帰りはひたすらな推進滑走である。2年前はそうとは知らず地獄であった。ウロコ は蹴りがきくしシールがない分軽量でシール歩行より楽。


樹間に、最後の金峰山の姿。


16:28 残り半分、ここまで長かった。氷化が始まってたまに推進無しでトロトロ走る。


17:27 水平区間始まる。ツボ足のトレースにも合流。


18:20 残3km。へッデン登場。日没後は開き直って時間を気にしなくなった。足指が痛く休憩回数が多くなる。4km続く水 平区間は推進が重く、体力を激しく消耗する。


18:56 六本楢。この先まだ水平。スキーのトレースを鹿が使っていて板の滑りが悪い。


19:45 柳平のゲートが見えて終了。最後1kmくらいは9%超えで完全滑走できて大助かり。

後記
帰りの水平区間が厳しい。推進にキックが利くといっても全身運動である。このコースは山スキーで突っ込むと林道往復で終 りかねない。有効な歩行用具はウロコ板かスノーシューになるだろう。数頼みのラッセルトレーンもありか。ウロコの追加工に よるシールの接着不良は大誤算で何かの改善をすれば違う面で不具合が出るのは技術の世界の常であるのを忘れていた。 シール接着性が確保されていて、トラブル処理の雑事が無ければ薄明帰着ができただろうが、時間勝負をかけたわけではな いから結果に満足している。
山スキーというより板を雪上歩行の道具にした雪山登山。

DATA
山域 奥秩父
所在地 山梨県
日時 2013年2月22日
メンバー 単独
主要装備 30Lザック、ガルモントメガライド、クナイスル・ブラックスター160cm(ウロコソール)、TLT、クトー、シール、 一体型手袋、フリース上下、アウター上下、薄羽毛上着、ツエルト、スコップ、アイゼン、0.4L保温携帯マグ
天候 快晴
コース
柳平冬期閉鎖ゲート〜川上牧丘林道〜六本楢分岐〜大弛峠〜前国師岳〜国師ヶ岳〜北奥千丈岳〜三繋平 〜大弛峠〜川上牧丘林道戻り〜柳平冬期閉鎖ゲート

所要時間)
川上牧丘林道
林道登り(柳平〜大弛峠)=7:18
林道下り(大弛峠〜柳平)=5:33

登山
大弛峠〜国師ヶ岳=2:36
国師ヶ岳〜北奥千丈岳=0:25
北奥千丈岳〜大弛峠=1:24

コース概要)
林道、登山コース

GPSによるトラッキング。

コース断面