隊長で遊ぼう


 皇帝エーデルガルトが宣戦布告をしてからほどなくして、男はカスパル=フォン=ベルグリーズが率いる格闘兵の部隊に配備された。
 ベルグリーズ家と言えば、帝国ではその名を知らぬ者はいない武門の名家である。とりわけ現当主であるレオポルドは帝国最強と誉れ高く、彼が率いる部隊もまた精鋭揃いであるとの評判だった。
 カスパルはそのレオポルドの次男である。
 とはいえ、カスパルの部隊への配備が名誉と取れるかどうかは怪しいところではあった。いかんせんカスパルは継承権を持たない次男であるし、おまけに紋章も持っていないという。言ってしまえば、ほとんど平民と同じだった。
 では長男のほうならよかったかと言うと、そうとも言えない。レオポルドの長男は才覚もなく努力もしないのに血統に胡座を掻いている木偶の坊ともっぱらの評判だったからだ。
 皇帝エーデルガルトは実力主義者であり、だからこそどこの馬の骨とも知れない傭兵や、血統的には平民でしかないランドルフといった者たちを重用している。そして、そのエーデルガルトが選出した精鋭部隊こそがカスパルが属する遊撃隊であった。
 それを鑑みると、レオポルドが持つ「軍務卿」の地位を継承するのは、長男ではなく次男のカスパルになるのかもしれない。もしそうなれば、男も将来的には精鋭部隊の一員として肩を張れる可能性はある。
 それに、戦場で活躍してご機嫌を取って、カスパルが「あいつは使える」とレオポルドに報告するようなことがあれば、自分の出世に繋がることもあるかもしれない。
 男はそう考えることによって、「自分は幸運だ」と思うことにした。
 カスパルはまだ幼さが抜けきらない青年だった。年齢は十八と聞いたが、小柄な上に童顔なのでそれよりもいくらか下のように見える。特徴的な水色の髪と瞳は爽やかな印象を見る者に与え、彼の明朗快活な性格を表しているようだった。
 カスパルは小柄であるものの、格闘部隊を率いているだけあって体躯は立派なものである。無駄な脂肪のない鍛えられた肉体の上にあの童顔が乗っている姿には、どこか背徳的な色気があった。
 おまけに、戦闘時は面積の少ない闘衣を着用しているため、張りのある胸や太腿を惜しげもなく晒している。本人は色恋にまったく興味がなく、自分がそういった対象になることも考えたことがないからか、その恰好が他者にどう見えるかなどわかっていないようだった。
 そんな容姿をしているからなのか、それとも彼の人懐っこさ故なのか、同僚の中にはカスパルを邪な目で見る者もいた。
 酒の席ともなれば「成長してごつくなる前に一発ヤりたい」だの「頼んだらヤらせてくれそう」だのといった欲望を口にする者もおり、男は適当に相槌を打ちながら酒を胃に流し込んでいたものである。

「なあ、カスパルをヤらねえか?」
 ある日、男は同僚たちにそう持ちかけられた。
 男がその言葉の意味をきちんと把握できないうちに、同僚は「お前もヤりたいんだろ、見てればわかる」と言葉を続ける。
 「ヤる」という言葉の意味が「犯す」を指しているのだと理解したとき、男は頭の中でカスパルの乱れた姿を想像してしまった。
 あの肉付きのいい肢体を好きなように蹂躙して、幼い顔を涙でぐちゃぐちゃにしたらどれだけ満たされた気分になるだろうか。色事に興味がないというあの口から卑猥な言葉を吐かせ、快楽に染まった表情を見ながら果てることができたなら……。
 男の欲望は次第に首を擡げ、気づけば「ヤりたい」という言葉が口をついていた。
 同僚たちのやり口は単純なものだった。カスパルに酒を飲ませて泥酔させ、そのあいだにヤリ場まで連れていって輪姦するというものである。
 付き合いのいいカスパルは部下たちからの誘いを快く受け、勧められるまま酔い潰れることも多かった。そのたびに部下たちはカスパルをかいがいしく介抱し、懇切丁寧に自室まで運んでいたのである。
 だが、それもいま思えばカスパルを油断させるための策略だったのかもしれない。
 案の定、カスパルは男たちに勧められるまま酒を飲み、泥酔して机に寄りかかって寝息を立てていた。わざわざ調練のあとを狙って誘ったのは、「この服のままヤりたい」「汗臭いほうが興奮する」といった一部の性嗜好を持つ者の意向らしい。
 同僚たちがヤリ場として利用しているのは、廃村の片隅にある空き家だった。ほんの数節前までは人が住んでいた村なのだが、戦禍を逃れて住民たちが移住したためにいまは軍が駐屯地として利用している。
「ヤる前にここを綺麗にしておかないとな」
 同僚たちは馬で運んできたカスパルをいったん川縁に降ろした。そしてまだ意識のないカスパルの脚を開き、股間を覆う闘衣を横にずらして性器と肛門を露出させる。
 萎えたカスパルの性器が衣服にひっぱられ、解放されると同時にぶるっと揺れた。カスパルの髪と同じ水色の陰毛が視界に入り、男はたまらず喉を鳴らす。
「なんだ、隊長のまだちゃんと剥けてないな」
「可愛いじゃん。俺、こういうの好きだわ」
 カスパルの性器を眺めながら同僚たちが好き勝手に感想を漏らす。カスパルの性器は仮性包茎であり、勃起していないため先端が皮を被っている状態だった。
「どれ、浣腸の時間と行きますか」
「お前、それ好きだよなあ」
 カスパルの背後に回った男がカスパルの腰を上げさせ、別の男が懐から漏斗を取り出してカスパルの肛門にその口を挿入する。排泄器官をこじ開けられる痛みにカスパルが「うっ」と呻き、閉じていた瞳がゆっくりと開かれた。
「あ……え? なんだ……?」
「お、隊長さんのお目覚めだ」
「まだ寝てたほうがよかったかもなあ。まあ、俺はこのほうが興奮するけど」
 目覚めたカスパルを気にもせず、男は漏斗に川水を注いでゆく。腸内に水を注がれる違和感に、カスパルはようやく事態を把握したようだった。
「んあっ!? な、なんだよこれ! なにしてんだよ!」
「ほら、暴れると危ないぜ。おい、誰かもっと酒飲ませろ」
「ぐっ……がふっ……!」
 カスパルは慌てて身を捩るが、数人の男に体を固定されてほとんど身動きが取れない。男たちはカスパルの顎を掴んで口を開かせると、そこに酒を注いで強引に嚥下させた。
 そうこうしているあいだも直腸に水を注ぎ続け、カスパルの下腹部が少し膨らんだあたりで漏斗を引き抜いた。そして、すぐに排泄してしまわないよう、指程度の太さしかない張り型で肛門に蓋をする。
 やがて膨らんだ下腹部からぎゅるぎゅると不穏な音が響き始め、カスパルは排泄を堪えるために歯を食い縛った。
「ぐうぅ……厠に行かせてくれ……」
「ここでしろって。どうせ厠に到着する前に漏らすだろ」
 この場での排泄を求められたカスパルは嫌々と首を振る。だが、男はそんなカスパルを無視して張形を抜くと尻たぶを押し開いた。カスパルの肛門が僅かに開き、茶色く染まった少量の水がビュッと飛び出す。
「やめてくれっ……頼むから、厠に行かせてくれっ」
「諦めろって。ほら、みんなの前で汚ねえもんひり出してみろよ」
「いやだぁ……」
 カスパルは目に涙を浮かべながら懇願するが、それは男たちの嗜虐心を増長させるだけだった。男たちの視線はひくつくカスパルの肛門に集中し、幼げな上司が恥辱にまみれながら排泄するのをいまかいまかと待っている。
「だめだ、出る……ッ」
 カスパルの腹から内臓が動く音が鳴り、肛門が徐々に広がってゆく。便に押し出された空気が恥ずかしい音を奏でながら肛門から漏れ、羞恥からか悔しさからかカスパルの目尻に涙が浮かんだ。
「うぐっ……ぐううぅ~!」
「ははっ、出てきた出てきた」
 ほどなくしてカスパルの肛門が決壊した。下痢便混じりの水が大量に噴き出し、辺り一面に悪臭が立ち込める。涙を浮かべながらびちゃびちゃと汚物を撒き散らすカスパルの無様な姿に、男たちはげたげたと哄笑した。
「ふうっ、ふうっ」
 結腸口が緩んだために奥に滞留していた便も降りてきたらしく、太いそれが肛門を捲り上げて頭を覗かせる。
 カスパルは懸命に括約筋に力を入れて肛門を締めようとしているが、すでに一度排泄した後のためうまくいかない。ぶぴっと間の抜けた音を立てて軟便が飛び出したかと思うと、次の瞬間には固い便が溢れてきた。
「くそぉ……くそっ、見るな……見ないでくれぇっ」
「おー、こりゃまた大量だな」
「いいもん食ってるだけあってこんなもんも立派なんだな貴族様は」
 カスパルの悲痛な声とは裏腹に、ぶりゅぶりゅと下品な音を立てて肛門から固形の糞が排出されていく。部下たちはそれを覗き込み、揶揄する言葉を投げてはカスパルの反応を楽しんだ。
「もう出るもんは出たかな……」
 何度かカスパルに排泄をさせて出るものが水だけになったあとは、川水を使ってカスパルの肛門を清める。異物の挿入と排泄を繰り返したカスパルの肛門は適度にほぐれており、呼吸するように入口を開閉させていた。
「くそっ……お前ら、上官を辱めて何が狙いだ?」
 性器と肛門を露出したままのカスパルが自身を囲む男たちを睨め付ける。
 これはこれで興奮するのだが、男たちの隙を狙ったカスパルが暴れ始めては手に負えない。なにせカスパルは巨大魔獣を素手で殴り倒すような男なのだ。
 同僚たちも同じことを考えたのか、新たに酒を取り出したかと思うと、今度はそれをカスパルの口ではなく肛門に飲ませ始めた。浣腸に使っていた漏斗をふたたびカスパルの肛門に刺し、安物の酒を直腸になみなみと注いでゆく。
「ひあぁっ!? やめっ、熱っ……! んぐっ、うう~!」
 抗議のためにカスパルが口を開けたところで、別の男が口にも酒を注いでゆく。大量の酒を同時に飲まされたカスパルはやがて全身を紅潮させ、ぐったりとして動かなくなった。
「お、おい、こんなに飲ませて大丈夫かよ? 酒の飲みすぎで死ぬこともあるって聞くぞ」
「なに、やばそうだったら治癒魔法をかけてやればいい。お前、レストを使えたよな?」
 お前、と呼ばれた細身の男がこくりと頷く。
 その男はカスパルの部下ではなく、祈祷兵の部隊に所属している白魔法使いのようだった。神に仕えるはずの白魔法使いがこんなことをしてもいいのかよ――男はそんなことを思ったが、同じ穴の狢なので深く追及するのはやめておいた。
「よし、運べ」
 カスパルの抵抗がなくなったところで、男たちはカスパルを小屋へと運び込んだ。埃っぽい寝台の上にカスパルを寝かせ、行為の邪魔になりそうな鎖や飾り紐を外してゆく。そのあいだ、カスパルは薄目を開けているだけで大人しくしていた。
「ぜんぜん抵抗しねえな」
 男の一人が背後からカスパルの膝を抱え、ほかの男たちに見せつけるように開脚させる。開かせられた脚の中心部には水色の陰毛が茂っており、その下にはまだ未成熟な性器が垂れ下がっていた。
「へへ、浣腸したあとだから簡単に指が入るな」
「……あっ……ん……」
 カスパルの前に回った男が潤滑油で濡らした指を肛門に差し込むと、そこはほとんど抵抗なく異物を飲み込んだ。第二関節まで沈めたところで軽く指を曲げてやれば、カスパルはぴくぴくと体を震わせてわずかに呻く。
「なかなかイイ反応じゃねえか。もしかして男を咥えたことあるのか?」
 カスパルを抱えている男が左右の乳首を摘み、捻り上げるようにして引っ張った。カスパルの口から「んっ」という艶めいた声が漏れ、隆起した筋肉がぴくんと震える。
「どうだ? 気持ち良いだろ?」
「ん、あ……い、い、きもちいい」
 カスパルは小さく呟いてこくこくと頷く。意識はあるようだが、相手に言われたことをオウム返しにするだけで、すでにしっかりとした判断能力はないのだろう。
「ケツの穴もすぐにほぐれたし、これで未経験ってのなら男娼の素質あるぜ隊長さん」
 肛門を弄っていた男はいったん指を抜き、充血してぷっくりと膨らんだカスパルの肛門を軽く撫でる。それだけでカスパルの体はびくりと震え、無意識なのか尻を押し付けるような動きを見せた。
「なんだ、誘ってやがんのか?」
「綺麗な顔してるもんな、お偉いさんにでも可愛いがられてたんだろ」
 男は揶揄しながらカスパルの肛門にふたたび指を差し込む。指はそのうち二本、三本と増えていき、それらがバラバラの動きで内壁を擦ると、カスパルは切なげに腰を揺らめかせて甘えるような声で鳴いた。
「あっ……あぁ……ふあ、あ」
「中も熱くていい具合だな。チンポ欲しくて仕方ないんだろ?」
 根元まで挿入した指で穴の奥をぐりぐりと掻き回しながら、男はカスパルに問いかける。真っ赤になった肛門がきゅうっと切なげに収縮して男の指を締め付け、カスパルは蕩けた顔でこくこくと頷いた。
「う、ん……ほしい……」
 カスパルは焦点の合わない目で宙を見つめたまま、口の端からだらだらと唾液を流しつつ懇願する。
 普段の快活なカスパルからは想像もつかない姿に、行為を眺めていた男はごくりと息を飲んだ。男の性器が立ち上がって衣服を押し上げているのを目にした同僚が、にやにやと笑いながら男の背中を押す。
「ほら、隊長さんがチンポ欲しいってよ」
 いざその時になって男は一瞬躊躇したが、結局は欲望に押し負けて下衣の前を寛げた。カスパルの痴態にあてられ、男の股間はすっかり準備万端になっている。
 男はカスパルの両脚の間に割って入り、勃起したものの先端を肛門へと押し当てた。中までたっぷりと潤滑油を注がれているらしく、穴が開くと同時に粘液がぴゅっと飛び出してくる。
「くぅ、ん、あうっ……」
 うわごとのようなカスパルの声を聞きながら、男はゆっくりと腰を押し進めていった。ぬかるんだ肉の筒が亀頭を包み込み、竿を柔らかく圧迫して奥へ奥へと誘う。それでいてぎっちりと隙間なく陰茎に絡みつき、油断すればすぐに果ててしまいそうなほど心地よかった。
「すげえな、こんな簡単に飲み込んじまうのかよ。もう何本も咥えてんだろうなあ」
「男を知ってる体だよな。本当はこうやって犯されるのが好きなんじゃねえのか?」
 カスパルの両側にいる男たちはカスパルの乳首をつねったり、耳を舐めたりしつつ勝手な憶測を言い合う。カスパルは身を捩らせながら、呂律の回らない口調で意味をなさない言葉を紡いでいた。
「おい、お前も動いてやれよ」
 同僚に急かされ、男はカスパルの腰を掴んで揺さぶるようにしながら抽挿を始める。カスパルの中は信じられないくらい熱く湿っていて、少し動くだけでも快楽が脳天にまで突き抜けそうだった。
「んっ……んぅ、ふ、あっ、あん、ん」
 小刻みに腰を動かして前立腺を擦るたびに、カスパルは鼻にかかった声を上げる。いつの間にかゆるく立ち上がっていたカスパルの性器を扱いてやれば、腸壁をきゅんきゅんと締めて快感を訴えてきた。
「あ、ああ、んっ! ひゃ、あ、あ!」
 奥まで挿入して掻き混ぜるように体を揺さぶると、カスパルは悲鳴のような声を上げて全身を大きく痙攣させる。同時に中が激しく締まり、まるで精液を搾り取ろうとするように蠢いた。
「んっ、あ……り、ん、りん、もっと」
「リン? なんだ、彼氏の名前か?」
 揺さぶられているカスパルが譫言で口にした名前に、行為を眺めていた男たちが首を傾げる。
「リンっつったらあの人じゃねえのか? ほら、お前んとこの隊長。確かリンハルトって名前じゃなかったか」
「あー……確か幼なじみとか言ってたな。仲良いとは思ってたけど」
 訊ねられた祈祷兵の男が納得したように頷く。
 祈祷部隊を率いているのはヘヴリング家の嫡子であるリンハルト=フォン=ヘヴリングだ。帝国の貴族は帝都に邸を構えているため、貴族同士は親交がある場合が多い。ベルグリーズ家とヘヴリング家もその例に漏れず、各家の子息である二人は幼いころから面識があるようだった。
「色事には興味ありませんって顔してすっかり開発済みってか。じゃあ遠慮するこたあないな」
「あッ……!」
 悪戯するように乳首を指で弾くと、カスパルは喉を逸らして甲高い声をあげ、男の性器を咥えている肛門をきゅっと締め付けた。
 男はカスパルの腰を抱え直し、いっそう激しく腰を打ち付ける。肌同士がぶつかって乾いた音を立て、結合部からぐぽっぐぽっと空気を含んだ水音が響いた。
「あ、あぁ……イく、イッ……あぁ~ッ!」
 カスパルは一際大きく体を震わせ、性器の先端から白濁した体液を撒き散らす。その瞬間、カスパルの直腸が強く収縮し、男のものを強く締め上げた。
 男は低く呻いてカスパルの中に射精した。性器がどくんどくんと脈打つたびに大量の精子が注ぎ込まれ、それを受け止めたカスパルは小さく喘いでびくびくと震えている。
「はぁ……はぁ……ん、ぁ……ん……」
 萎えた性器をずるりと引き抜くと、カスパルの肛門からごぷりと白い体液が溢れ出した。摩擦によってすっかり腫れ上がったカスパルの肛門はヒクヒクと開閉し、内側の赤い粘膜を覗かせている。
「どれ、次は俺の番だ」
「あっ、おっ……んおおぉぉっ!?」
 間髪を入れず別の男がカスパルの脚を肩に担ぎ、上から叩きつけるようにして一気に根本まで挿入する。先程まで男のものをくわえ込んでいたせいか、カスパルの肛門はさほど抵抗もなくそれを受け入れた。
 カスパルは目を剥いて絶叫するが、男は構わずに腰を振り始める。先ほど中に出されたばかりの精液がくちゅくちゅと泡立って漏れ出し、それが潤滑油となって滑りを良くしているようだった。
「おほっ、こりゃすげえ名器だ」
「あっ、あっ、おっ♡ んおっ、おほぉっ♡」
 ずぼずぼと激しい抽挿を繰り返すと、カスパルは舌を突き出してあられもなく喘ぐ。性器が出入りするたびに肛門からは白く粘ついた液体が押し出され、カスパルの引き締まった尻を汚していった。
「おら、しっかりケツ穴で奉仕しろよ!」
「あひっ♡ はひぃっ♡ んひいぃっ♡ あへえぇっ♡」
 男が腰を引くたびに皺の伸びきったカスパルの肛門が捲れ、押し込むとぽってりと膨らんだ入口が潰されてぐにゃりと歪む。カスパルの顔は完全に蕩けきり、口からはひっきりなしに間延びした喘ぎが漏れていた。
 気を良くした男はカスパルの最奥に亀頭を押し付け、ぐりぐりと捻るような動きで刺激する。敏感な腸壁を亀頭で擦られる感覚に、カスパルは背中を弓なりに逸らして悶絶した。
「ふぎいいぃっ! そこ、そこはぁっ! おほおおぉ~ッ♡」
「ここが気持ち良いんだろ? ほら、もっと突いてやるよ」
 男はカスパルの一番深いところに亀頭を食い込ませたまま、円を描くように腰を動かす。同時にカスパルの乳首を抓り上げ、柔らかい乳輪ごと思い切り引っ張った。
「ひぎっ! あがあぁっ! イグっ、またイクううぅぅっ!」
 両方の胸からの痛みと快感にカスパルは泣き叫び、性器の先端からぴゅっと透明な汁を噴き出す。性器に触れられないまま達したためカスパルの射精には勢いがなく、放たれた体液にも粘度がなかった。
「へへ、乳首でイキやがったぜ」
「もう完全にメスじゃねえか」
 男たちは嘲笑いながらカスパルの乳首を執拗に指先で弄り回す。乳首を乱暴に弄られるたびに収縮する体内の感触を味わいながら、男もカスパルの中に精液を注ぎ込んだ。
「そんじゃ、俺は口を使わせて貰おうかな」
 別の男がカスパルの髪を掴んで上を向かせ、その口に先走りを滲ませた陰茎をねじ込む。生臭い性器に喉の奥まで犯されたカスパルは、息苦しさと悪臭からか苦しそうに顔を歪める。
「んぶぅっ……ん、んん……っ」
 それでもカスパルは必死に口を窄めて男のものを吸い上げた。じゅぽっ、ぬちゃ、という卑猥な水音が響き、カスパルの唇の端から唾液が流れ落ちる。
「うおっ……いいぞっ」
「ん、んむぅっ! ん、んん~っ!」
 男はより深い快感を求め、カスパルの頭を掴んで激しく腰を動かした。カスパルは涙を浮かべながらえずいているが、それでも懸命に舌を動かして男に奉仕を続けている。
「こっちの穴がお留守だな、今度は俺が使わせてもらうぜ」
「ふぐううぅっ!」
 どちゅん、と音を立てながら肛門に性器を突き込まれ、カスパルの両足が大きく跳ねた。
 恰幅のいい男に覆い被さられたカスパルは普段にも増して小柄に映る。それはまるで年端もいかない少年を陵辱しているような光景で、更なる興奮を男たちにもたらした。
「チンポたくさん貰えてよかったな隊長さん? チンポ大好きだもんなあ」
「むぐうっ、ふぐうぅ~っ!」
 口と肛門を犯され、じたばたと脚を暴れさせているカスパルの哀れな姿に、男はまた股間が熱くなるのを感じる。いずれかの穴が空くまで辛抱できないと判断した男は、犯されているカスパルの姿を肴に自身の性器を扱き始めた。
「あー、出る、全部飲めよッ!」
 口淫をさせていた男がぶるりと身を震わせると同時に、カスパルの口内に大量の白濁液がぶちまけられる。どろりとした液体が食道に直接流し込まれ、カスパルは顔を背けて咳き込んだ。
「おら、零すんじゃねぇよ!」
「ぐぶっ!? んぐ、うぐぅ……っ」
 カスパルの髪の毛を掴んだままの男は、カスパルの鼻を摘まんで無理やり嚥下させる。窒息寸前の状態でカスパルは精液を飲み込み、ごくりと音を立ててそれを胃に収めた。
「よし、よくできたな。ほら、精液おいしいだろ?」
「ふぁ……い……おいしいです……」
 ようやく解放されたカスパルは、虚ろな目でぼんやりと呟く。そのあいだも肛門を犯す男の動きはとまらず、カスパルは喘ぎながら途切れ途切れに要求された言葉を口にしていた。
「おい、早く代われよ」
「わかってるよ、急かすなって」
 肛門を犯していた恰幅のいい男はカスパルの体を持ち上げ、今度は立ったまま突き上げた。カスパルは脚をがくがくと痙攣させ、力なくされるがままに揺さぶられている。
「あっ、あっ、んっ♡ はぁんっ♡」
「こうすると奥まで入って気持ちがいいだろ? どうだ、うん?」
「んおぉぉっ♡ おっ、おぉぉっ♡ いいっ♡ おちんぽきもちいいれすっ♡」
 どちゅんどちゅんと奥深くまで突き上げられ、カスパルは舌を突き出しながら快感を訴えた。何度も絶頂を迎えたせいか、それとも酒を飲ませすぎたせいなのか、カスパルの性器はくったりと萎えてしまって射精する気配がない。
「あへぇっ♡ あひぃっ♡ んおっ♡ おちんぽっ♡ おちんぽぉっ♡」
「あーあ、こりゃもう完全に飛んでるな」
 カスパルは開きっぱなしになった口から意味を成さない言葉を発し、唾液と精液が混ざった液体を垂れ流している。すっかりと緩くなった肛門からは入りきらなくなった精液が逆流し、白濁したそれがごぷっと濁音を立てて溢れ出していた。
「おっ、出る出る。貴族様のケツ穴に種付けしてやるぜ」
「ひぎぃっ、おほっ、おおおおぉ~~~っ♡」
 どくんどくんと脈打つ陰茎から熱い飛沫が注がれ、カスパルはその感覚だけで射精を伴わない絶頂を迎える。持ち上げられた脚がピンと伸びたまま痙攣し、カスパルの長い絶頂を伝えていた。
「なんだ、中出しされてイッてんのか?」
 長い時間をかけて大量に射精した男は、カスパルを寝台に降ろして四つん這いにさせる。カスパルはすでに自身の体を支える力もないらしく、尻だけを上げたままべしゃりと寝台に突っ伏した。
「ほら、種付けしてもらったんだから『ありがとうございます』だろ?」
「んひっ、あり、ありが、とう、ございますぅっ」
 男がカスパルの尻を平手で叩きながら要求すると、カスパルは言われるままの言葉を繰り返す。ぱんっと乾いた音と共にカスパルの尻が叩かれ、その衝撃で開きっぱなしの肛門から精液が飛び出した。
「なんだそりゃ、ぜんぜん感謝の気持ちが籠もってねえぞ。もう一回やり直しだ」
「あひいっ! あ、ありがとう、ございますっ! おまんこに種付けしてくれてありがとうございますぅっ!」
 カスパルはぼろぼろと涙を零し、必死になって謝礼を繰り返す。それでも尻を張る男の手は止まらず、数度にわたって尻を叩かれ続けた。
「そうだ、それでいいんだよ。これからも俺らの便器としてがんばってくれよな、隊長さん」
「はひっ……がんばります……みんなのおちんぽ奴隷になりますっ……」
 ようやく許されたカスパルは震える声でそう宣言した。カスパルの尻はすっかりと腫れ上がり、フォドラ人特有の白い肌が真っ赤に色付いている。そこに新たな男の性器が押し当てられると、カスパルは嬉々として腰を振り始めた。
「ふぁ、んっ、ああぁっ♡」
「はは、隊長さんすっかりチンポが好きになっちまったなぁ。ああ、もう隊長じゃなくて便器なんだっけ」
 カスパルは淫らに腰を振って男の性器を尻穴で扱いている。顔に性器を近付ければ自ら進んでそれをしゃぶり、肛門を穿たれれば歓喜の声を上げた。

 カスパルが解放された頃には既に日が登りかけていた。
 散々犯されたカスパルは潰れた蛙のように脚を開いたままうつ伏せに倒れ伏している。全身にかけられた精液は乾いて固くなっており、肛門からは収まり切らなかった精液がどろどろと漏れ出していた。
「よかったぜえ、隊長さん。また頼むわ」
 カスパルを犯していた男たちは衣服を整えると、カスパルを放置して小屋を後にした。男たちの体液にまみれて異臭を放つカスパルを発見したのは、朝になっても調練に現れない彼を心配したほかの部下たちだった。



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