はなびらひらく


 コンスタンツェの妙な魔法で女性の体になってしまってから数日――あまりこの状況を悲観していないリンハルトとカスパルは、せっかくとばかりにその体のまま性行為にふけっていた。
 お互いの胸を揉み合ったり、陰核同士を擦り合わせてみたり、膣口を指でなぞってみたり……と、興味から始まった行為は徐々に深いものになっていく。
 そうなるともう、その先も試したくなるのは仕方がない。
「ねえカスパル、今日は挿れてみない?」
「えっ」
 リンハルトはカスパルの割れ目を指先で撫でながら熱っぽく囁いた。
 先ほどまでお互いの体を弄り合っていたので、カスパルのそこは既に潤っている。ちょんと指先で触れるだけでひくりと震え、軽く指を差し込むと花弁が綻んで内側の粘膜が露になった。
「挿れるって言っても、挿れるもんがねえだろ? どっちも女なんだからよ」
「ああ……それなら大丈夫だよ。ほら」
 リンハルトは寝台の脇にある棚に手を伸ばし、用意していた張り型を取り出す。男性器を模したこれは、以前帝都を訪れた行商人から仕入れたものだった。
 二人は既に何度も交わっている間柄ではあったが、本陣の防衛を務めることが多いリンハルトと、敵陣の制圧を主な役割とするカスパルでは肉体的な距離が離れている期間が長い。
 この張り型はそんな状況が続いて体が疼いたときに、自分を慰めるためにとこっそり所持していたものだった。
「ね……これを僕のここに挿れてくれないかな?」
 リンハルトは自ら股を開いて自分の秘裂を指で示す。リンハルトのそこもすでに濡れており、指で開いた襞の間からとろりと愛液が溢れ出していた。
 実のところ、リンハルトとしてはカスパルの中に挿れてみたいという気持ちのほうが強かった。自分の手の中であられもなく乱れて、淫らに喘ぐ幼なじみの姿を見てみたい。
 しかし、最初はどうしても痛みを伴うだろうし、カスパルが「これは痛い行為だ」と認識してしまえば今後も拒絶されてしまう可能性がある。
 リンハルトとてカスパルが嫌がるのであれば無理強いするつもりはない。カスパルを泣かせたいわけでも、カスパルに嫌われたいわけでもないのだ。
 ……が、それはそれとして挿入はしてみたい。
 ならば自分が最初に体験して、カスパルに「これは気持ちのいい行為である」と認識してもらおう――という思惑からの提案だった。
「お前がやりたいならいいけどよ……オレ、女としたことないから勝手がわからねぇぞ」
「まあ、そのくらいは想定内だよ」
 カスパルの言葉を聞き流しつつ、リンハルトは自身の割れ目を更に広げてみせる。くぱぁっと大きく広がったそこは、刺激を求めてひくつきながら蜜を流し続けていた。
「だいぶ濡れてるし、指でもけっこう弄ったから多分いけると思うんだよね」
 リンハルトは自身の膣口に張り型の亀頭をぴとりとくっつける。それを片手で固定しつつカスパルの手を引き、張り型を握るように促した。
「自分で挿れちゃったら自慰と変わらなくなっちゃうからさ。君の手で僕の中に挿れてくれないかい?」
「……わ、わかった」
 カスパルは戸惑いながらも、促されるままリンハルトの膣へ張り型の挿入を試みた。
 秘裂に宛がわれた張り型の先端が、入口を確かめるように何度もそこを往復する。加減がわからないあまり慎重になりすぎているのか、先端が膣口を刺激してくるだけでなかなか中には入ってこなかった。
 カスパルにそんな意図はないのだろうが、焦らされているようなもどかしい刺激にリンハルトの下腹部がじんわりと熱くなってゆく。
「……っふ、ぅ」
「わっ……!」
 無意識のうちに腰を動かしてしまい、張り型の先端がぬぷんと音を立てて膣内に入り込んだ。カスパルは驚いていったん張り型を抜きかけるが、それを制するようにリンハルトが手を重ねる。
「いいから続けて」
「お、おう」
 催促されたカスパルは張り型を握り直してゆっくりと押し進めた。少しずつではあるが、張り型はずぶずぶとリンハルトの中へと入っていく。
「あっ……カスパル上手だね……」
「そ、そうか? これで合ってるのか?」
「うん、そのまま奥まで入れてみて……」
 カスパルは更に張り型を膣の奥へと進める。膨らんだ雁首に膣壁が拡張され、未知の場所を暴かれる感覚にリンハルトの背中がぞくりと泡立った。
 やがて張り型は最奥まで到達し、とん、と子宮口を突いたところで動きを止める。
「えっと……これでいいのか?」
 カスパルは張り型を握った手を緩め、小刻みに動かしながらリンハルトの反応を窺っていた。
 まだ異物感が強いが、痛みは感じていない。リンハルトは小さく息をついてカスパルを見上げた。
「ん、大丈夫……カスパル、次は少しだけ抜いてくれるかい? ゆっくりでいいから」
「ああ、こうか……?」
 カスパルは言われた通りに張り型を引いていく。膨らんだ亀頭がずるりと抜け出ていく感触に、リンハルトは思わず声を上げていた。
「あ、あぁ……ッ」
「だ、大丈夫なのか?」
 悲鳴のようなリンハルトの嬌声に驚いたらしく、カスパルは慌てて張り型を引き抜く。引き抜かれたそれは愛液でどろどろになっており、糸を垂らすほどに濡れそぼっていた。
「ごめん、ちょっとびっくりしただけだよ。ほら、続けて」
「……わかった」
 カスパルは再び張り型を押し込み、慎重に引き抜く。何度かそれを繰り返すうちにコツを掴んだようで、次第に抽挿の速度は早くなっていった。
「あっ……! そこ、気持ちいいかも。あ、あっ……」
 張り型がある一点を掠めたとき、鋭い快感が走ってリンハルトは背筋をしならせる。亀頭だけが入り込んだくらいの位置にある浅い部分だ。
 リンハルトはそこを張り型に押し付けるように小さく腰を振り、指で陰核を擦って自身を慰める。そんなリンハルトの姿に興奮を覚えたのか、カスパルがごくりと喉を鳴らした。
「ここがいいのか?」
「うん、そこ……もっと擦って」
「こうか?」
「あ……あ、あ……っ」
 カスパルはリンハルトの様子を窺いながら慎重に張り型を動かす。
 初めは恐る恐るという様子だったが次第に激しく抜き差しするようになり、ときおり角度を変えて内壁を強く押し込む。張り型を動かすたびに結合部からぐちゅぐちゅと水音が響き、溢れ出た愛液が敷き布を濡らしていった。
「んっ、ふ……ぁ……あ……♡」
「あ……すげぇなこれ……」
 目の前で乱れる幼なじみの姿を見ながら、カスパルは自分の下半身にも熱が集まってくるのを感じていた。カスパルの腰が自然と揺れ、触れもしていない割れ目からじわりと愛液が滲んでくる。
「やべ……オレもなんか変だ……」
「ん……カスパルも気持ち良くしてあげるからさ、お尻をこっちに向けてくれる? そうそう、僕の顔を跨ぐような感じで」
 カスパルは言われるままリンハルトの顔を跨ぐ体勢を取った。カスパルの目の前にはリンハルトの秘部があり、リンハルトの目の前にもまたカスパルの秘部がある。
「あ……すごい……カスパルの中がよく見えるよ。ヒクヒクしてて可愛いね」
 リンハルトはカスパルの襞を指で開き、蜜を滴らせる膣穴を覗き込む。カスパルの膣はすっかり濡れそぼっており、襞の中に溜まっていた愛液がとぷりと溢れ出してきた。
「ひあっ、待っ、そこぉ……!」
 親指と人差し指で硬くしこったカスパルの肉芽を摘めば、カスパルはビクビクッと腰を震わせる。そのままくにゅくにゅと捏ねるように刺激すると、膣口や肛門が淫らに開閉してリンハルトの目を楽しませた。
 先端をカリカリと引っ掻いたり、きゅっと強めに押し潰したり、爪先で弾いてみたり……様々な方法で肉芽を虐めるたびに、カスパルの体は面白いように跳ねる。
「ひっ、うぁあああっ! それ、変になるぅ……!」
「ん……もっと気持ち良くしてあげるね」
 リンハルトはカスパルの秘所に顔を近づけ、ちゅぷりと音を立てて舌を差し込んだ。熱い粘膜同士が触れ合い、溶けそうなほどの快感が接触面から広がってゆく。
「わっ……! リ、リンハルト、そんなとこ舐めるなって!」
「なんれ? きもちいいれしょ?」
「しゃべるなってば……うぁっ!」
 じゅるるっ……と音を立てて愛液を吸い上げられ、カスパルの体がビクンと跳ねる。ぬるついた舌先が敏感な割れ目を何度も往復する度に、甘い痺れに似た快感がカスパルを支配した。
「ひうっ……あっ……だめだそれ……っ!」
 カスパルは刺激から逃れようと身を捩るが、かえって陰部をリンハルトの口に擦り付けてしまっている。
 肉付きのよい尻が目の前で揺れる様子を眺めながら、リンハルトは包皮を被ったカスパルの肉芽を唇で優しく食んだ。
「ひっ!? そ、そこは……!」
 包皮を剥いて露出させた陰核に軽く歯を立て、尖らせた舌先でチロチロと先端を刺激する。強く吸い上げては優しく撫で、緩急をつけて敏感な肉芽を慰めると、カスパルは為す術もなく快楽に溺れていった。
「あうっ……ひゃ……んっ♡ はぁ、あ……♡」
 リンハルトは口を大きく開けてカスパルの女陰を全て覆い、じゅるるっと勢いよく吸い上げた。
 同時に親指の腹で充血した肉芽をぐりぐりと押し潰し、転がすように愛撫して二ヶ所から攻め立てる。剥かれたばかりの敏感な部分を容赦なく刺激され、カスパルは太腿をガクガクと震わせた。
「あっ♡ あっ、あっ♡」
「んむ……ぷぁ、カスパル、すごくいやらしい顔になってるよ」
「うぁっ……こんなの無理だって……っ♡」
 カスパルは無意識のうちに腰を振り、自らリンハルトの口元に性器を押し付けている。それに気付くと慌てて腰を引くが、すぐにまた快感を求めて擦り付けてしまっていた。
「ふふ、可愛いね。でも、僕の中もちゃんと可愛がってよ」
「ふぁ……っ、わかったからちょっと待ってくれ……」
 カスパルは快感の波が過ぎ去るのを待った後に、リンハルトの秘部に入っている張り型を動かす。先ほどより深く挿入されたそれは子宮口を押し上げ、奥を突かれる快感にリンハルトの口から甘い吐息が漏れる。
「ん……あ……そこだよ……もっと突いて……」
「こうか?」
「あ……うん、上手……♡」
 ぐちゅ、ぬぷ、と濡れた音を立てながら張り型を咥えるそこを、カスパルは一心不乱に攻め立てた。
 リンハルトの真似だろう、カスパルも拙い手つきで陰核を摘んでやわやわと刺激してくる。小さなそこを潰さないように加減をしているせいか、激しい愛撫ではなかったがリンハルトにはそれで充分だった。
「カスパル、そこいいっ……! もっとぉ……♡」
「は、ぁ……リンハルト……ッ♡」
 二人は夢中でお互いの性器を刺激し合い快楽を貪った。絶頂が近付いてきたリンハルトの腰がぶるりと震え、膣がきゅっと張り型を締め付ける。
 リンハルトの期待に応えるように、カスパルの手の動きは激しくなってゆく。張り型が抜ける寸前まで引き抜いたかと思うと、次の瞬間には一気に根元まで押し込まれた。勢いよく奥を突かれたリンハルトの腰が跳ね、その振動によって更に奥まで張り型を咥え込む。
「あっ……すご……カスパル激しすぎ……♡ 僕もうイっちゃいそう……カスパルもイこうね?」
 リンハルトはカスパルの膣に指を押し込んで性感帯を探し当て、指の腹でグリグリとその部分を責め立てる。同時に陰核を前歯で甘噛みすると、カスパルは悲鳴に近い声を上げた。
「えっ、あ、あ♡ そ、それダメだ……あぁぁっ♡」
「ふふ……一緒に気持ち良くなろう?」
「あ、あぁぁっ♡ イク……♡ あ、あぁぁぁっ♡」
「んっ、あぁんっ♡ カスパル……ッ♡」
 二人の体が痙攣するように小刻みに跳ね、互いの秘裂から勢いよく潮が噴き出す。それはお互いの顔にまで飛散し、快感に火照った頬を濡らしていった。
「あ……あぁ……♡」
「はあっ、すごい量……♡」
 カスパルはそのまま倒れ込むようにしてリンハルトの上に覆い被さる。
 荒く呼吸を繰り返しながらしばらく抱き合ったあとは、どちらからともなく唇を重ねた。そのまま舌を絡め合うと、互いの唾液が混ざり合って糸を引く。
「リンハルト……その、それ、オレにもしてくれよ。なんか、ここがムズムズするんだ」
 カスパルの視線の先にあるのは、いまだリンハルトの体内に収まっている張り型だった。張り型を咥えてよがるリンハルトの姿に感化されたのか、カスパルの膣穴もまた張り型を欲しているらしい。
「うん、今度は僕が挿れてあげるね」
 リンハルトは自分の中に収まっていた張り型を抜いてカスパルに向き直った。
 カスパルの片足を持ち上げ、愛液に濡れたそこに張り型を宛がう。片手で襞を割り開きながらもう片方の手で張り型を押し込むと、カスパルはゆっくりと息を吐きながら体の力を抜いてそれを受け入れた。
「大丈夫? 痛かったら言ってね」
「ん……平気だから、続けてくれ……」
「うん……ゆっくり動かすね」
 リンハルトはカスパルの様子を見ながら慎重に抜き差しを始める。最初は苦しげだったカスパルの声にも徐々に艶やかな色が混じるようになり、律動に合わせてか細い嬌声を漏らし始めた。
「んっ、なんか変だ……奥がジンジンして……」
「奥……ここがいいのかな?」
 リンハルトは張り型の先端をカスパルの子宮口にぐりぐりと押し付ける。かと思えば子宮口にぴたりと宛がった張り型を小刻みに振動させ、異なる刺激を与えてカスパルの性感帯を探った。
「膣の中には二箇所の性感帯があると言われてるんだよね。ひとつめはここで……」
「ひゃうっ♡ だめだ……そこはっ♡」
 リンハルトは一度張り型を引き抜き、亀頭だけを浅く抜き差しする。そうしながら雁首で陰核の裏側を擦ってやれば、カスパルは腰をびつくかせて軽く達したようだった。
「もうひとつがここ、子宮口だね」
「あっ、あっ、あっ、ああぁ~っ♡」
 張り型を再び奥まで挿入し、今度は先端で子宮口をトン、トン、と軽くつつく。達したことによって開いている子宮口を断続的に刺激され、カスパルは口の端から涎を垂らしながら喘いだ。
「あ……そんなにされたら……っ!」
「ふふ、感じちゃうよね」
 リンハルトは張り型を激しく抽挿させながらカスパルの乳房を揉みしだいた。張り詰めた乳首を摘ままれ引っ張られ、カスパルは痛みを伴う甘い快感に悶える。
「あんっ♡ あぁっ♡ リンハルトぉ……っ♡」
「はぁ……カスパル可愛い……もっと見せて……」
 カスパルはリンハルトの首に腕を回し、自らも腰を振りながら快楽を求めた。結合部からはぐちゅぐちゅという淫猥な水音が響き、カスパルの秘裂から溢れた愛液がリンハルトの手を汚していく。
「あっ♡ そこぉっ♡ ああぁっ♡」
 カスパルの絶頂が近いことを察したリンハルトは、充血したカスパルの陰核に手を伸ばして指先で刺激し始めた。二本の指で挟まれこりゅっと扱かれると、その度にカスパルの中がきつく締まる。
「あ、ああっ♡ イク……♡ イっ……あっ、あっ、ああぁ~ッ♡」
 カスパルの膣がきゅううっと収縮するのと同時に、亀頭が抜ける寸前まで張り型を引き抜く。そしてそれを勢いよく最奥まで押し込み、子宮口をぐりゅっと押し潰した。
「あっ!? あっ、あっ、あぁーッ♡」
 激しい突き上げを受け、カスパルは背を仰け反らせて再び絶頂を迎える。カスパルの秘裂からはぷしゃあっと透明な液体が噴き出し、リンハルトの手や自身の太腿に飛び散った。
「ふふ、すごい……♡ そんなに気持ちよくなってくれたんだね」
「はぁ……あ……あぁ……」
 連続絶頂の余韻で脱力しているカスパルの中から、リンハルトがゆっくりと張り型を引き抜く。栓を失ったそこからはどろりと愛液が零れ、質量を失った膣口がぱくぱくと開閉を繰り返した。
「カスパルのここ、すごく濡れてるね。おいしそうだなぁ」
「あ、え……?」
 リンハルトはカスパルの両膝を抱え上げると、そのまま股間に顔を埋めた。そして濡れそぼった秘部に舌を差し入れ、溢れ出る蜜をじゅるると音を立てて吸い上げる。
「えっ、あ、あぁっ♡」
 突然のことに驚いたカスパルだったが、すぐにその行為の気持ち良さに意識を持って行かれた。
 リンハルトの舌が膣内に侵入し、ざらついた表面で敏感な部分を舐め上げられる。カスパルは自らリンハルトの顔に性器を押し付け、与えられる快感に身を委ねていた。
「あぁ……あふ……♡」
 リンハルトはカスパルの太腿を掴んで固定すると、今度は陰核を口に含む。熱い口内で何度も優しく甘噛みし、吸い上げ、舌の先で転がす。同時に膣内にも指を入れて掻き回すと、カスパルの体は歓喜に打ち震えた。
「んっ、あぁっ♡ はぁ……リンハルトぉ……♡」
「ん……んむ……はあ……イッた後だからかな、さっきより熱くなってるね」
 可愛らしいカスパルの反応を見たいあまり、リンハルトは夢中で小さな陰核を貪る。尖らせた舌先で転がし、根元から先端に向かってじっとりと舐めてやれば、カスパルは体を震わせて悦んだ。
「あ、あ、あ……また、イッ……あ、あ……♡」
 再び訪れた絶頂にカスパルは身を捩らせながら喘いだ。リンハルトは更に強くカスパルの肉芽を吸い、舌の先で尿道口を刺激して休むことなく快感を与える。
「ああぁっ♡ だめだ……もう……っ!」
「んっ……いいよ、何回でもイってごらん?」
「あぁっ♡ あ、ああぁぁ……っ♡」
 カスパルは連続で訪れる絶頂に為す術もなく翻弄され続けた。もはや自分の意思では体を動かすことができず、リンハルトにされるがままになっている。
「はぁ……カスパル……僕も……」
 しばらくカスパルの秘部を味わっていたリンハルトは名残惜しそうに口を離すと、愛液を零す自らの秘裂をカスパルのそこに擦り合わせた。
「んっ……カスパル……」
「あぁ……ん……」
 互いの陰核同士が触れ合い、快感が電流のように駆け巡る。二人は同時に腰を動かして陰核同士を押し潰し合い、溢れ出る愛液を塗り広げるように互いの膣口を擦り合わせた。
「あ……あ……これ気持ちいい……♡」
「ん……カスパルのここもぬるぬるしてて気持ちいいよ……」
 カスパルの秘裂からは絶え間なく愛液が流れ出し、リンハルトのそれと混じり合って粘着質な音を立てている。二人のそこはすっかり蕩けきり、お互いの粘膜が溶け合うような快感をもたらした。
「はぁ、ん……カスパル……カスパル……」
「あぅっ♡ あぁっ♡ あんっ♡」
 二人は本能のままに強く抱き締めあい、ひたすらに腰を振り続けた。硬くしこった陰核同士がぐりゅっと押し潰れるたびに、二人の口からは甘い声が上がる。
「あっ、あっ、あっ! イク……あ、ああっ!」
「僕も……一緒に……っ」
 陰核で陰核を犯し合いながら同時に果て、二人は秘裂から大量の潮を噴き出した。カスパルはぴゅっ、ぴゅっと断続的に潮を吹き続け、何度も軽い絶頂を繰り返している。
「はぁ……たくさん出たね……」
「あ……あぁ……♡」
 カスパルは全身を痙攣させながら余韻に浸っている。
 リンハルトはそんなカスパルの唇を塞ぎ舌を絡めると、そのまま彼の上に覆い被さり胸元に顔を埋めた。そして柔らかな肌をちゅううっと吸い上げる。
「んっ♡」
「はぁ、可愛い……好き、好きだよカスパル」
「ん……オレも……」
 リンハルトはカスパルの胸に顔を埋めたまま、ちゅっ、ちゅっと音を立てて口付けを繰り返した。ときおり乳首にも吸い付いて舌先で弄ぶと、カスパルは小さく身じろいで反応を示す。
 やがてカスパルの呼吸が落ち着いてきたところで、リンハルトはゆっくりと起き上がった。そして未だにひくついているカスパルの秘部に手を伸ばし、膣内へ二本の指を沈めていく。
「ん……まだ足りないよね?」
「ふあっ……あぁ……っ」
 カスパルはこくこくと頷くだけで、もはや言葉らしい言葉を発するのも難しいようだった。そんな様子すら愛らしく、リンハルトはカスパルの唇を軽く啄む。
「ふふ、すごい……こんなにトロトロになってる」
 リンハルトは指を増やし、三本の指をばらばらに動かしてカスパルの中を掻き回した。ぐちゃっ、くちゅっ、と音を立てて掻き混ぜられ、カスパルは恥ずかしさに頬を染める。
「ね、今度は一緒に気持ちよくなろうか?」
「一緒に……?」
 カスパルの物足りなさそうな反応を確認したリンハルトは、先ほどまでカスパルの中に挿れていた張り型を寝台に置き、代わりに別の張り型を手に取った。
 亀頭にあたる部分が両方の先端に付いている長めの張り型だ。リンハルトはそれをカスパルに見せつけるように軽く振る。
「これ、どう使うものかわかるかな? こっち側を僕のここに挿れて、反対側はカスパルのここに入れるんだよ。それで二人で気持ち良くなれるんだって」
 リンハルトはすでに潤みきっている自身の秘部へと張り型の先端をあてがった。片手で襞を開きながらもう片手で張り型を押し込み、亀頭を膣内に収めていく。
「んっ……こんなものでいいかな……カスパル、こっちに来て」
「あ……ああ」
 リンハルトは張り型の根本部分を掴んで固定すると、もう片方の手を差し出してカスパルを呼んだ。カスパルは熱に浮かされたような表情を浮かべ、素直に手を取ってリンハルトの上に跨がる。
「ほら、君の好きなところに当ててごらん?」
「こ……こうか?」
 カスパルは言われるままに腰を落とし、張り型を自らの秘部に咥え込んでゆく。既に一度張り型を挿入し、リンハルトの口淫によっても解されたそこは、思いのほか軽々と張り型を飲み込んでいった。
「あ……すごいね、カスパルのそこが広がってるのがよく見えるよ」
「ばっ……言うなって……」
 カスパルは羞恥心から目を逸らすが、その先の快感を知っている体はもう止まらない。早く奥まで突き入れたいという欲望に駆られて、カスパルは少しずつ腰を進めていった。
「はぁ……あぁ……♡」
「ん……うまいよ」
 カスパルはリンハルトに体重をかけないよう気をつけながら、恐る恐るといった様子で腰を動かし始めた。張り型はカスパルの奥深くにまで入り込んでおり、彼が動くたびに互いの子宮口をぐりぐりと押し上げる。
「あぁっ♡ あ……あ……」
「んっ……カスパル、もっと動いていいよ」
 カスパルの動きは徐々に大胆になり、抽挿するように激しく腰を打ち付けた。結合部からは愛液が大量に溢れ出し、飛び散った飛沫が互いの下腹部を濡らしている。
「あっ♡ あっ♡ 激しっ……♡」
 膣の奥を張り型で激しくほじくられ、リンハルトはカスパルの手を握りながら髪を振り乱した。
 相手に抱かれているような状態なのに、目の前ではその相手も淫らに喘いでいて、抱いているのか抱かれているのか判断がつかない。その不思議な一体感が二人の快感をいっそう高めていく。
「ん……そろそろ僕も動いていいかな?」
「あっ……!」
 リンハルトはカスパルの尻を掴み、下から突き上げる形で抽送を始めた。カスパルは自重によってより深い場所を突き上げられ、結合部から愛液を迸らせる。
「あっ! ああぁっ♡ そこ……っ!」
「はぁっ……カスパル……気持ちいいかい?」
「あぁっ♡ あぁっ♡ いい……っ♡」
「ん……僕もいいよ……カスパルのここがきゅって締まるとね、張り型を通して振動が僕の中まで伝わるんだ」
 リンハルトに突き上げられるたび、カスパルは無意識のうちに張り型を強く締め付けていた。そのせいでリンハルトの中に埋まっている張り型も小刻みに震え、二人の膣口を広げて感覚を共有しているような錯覚を与えてくる。
「あっ、すごい、ね……僕が感じてるのも伝わってるかい?」
「あぅっ♡ はぁっ♡ あぁ~っ♡」
 リンハルトはカスパルを強く抱き締めると、密着したまま腰を打ち付けて互いの性器を刺激し合った。二人の間で陰核同士が擦れ合い、乳房が押し潰されて形を変える。
「あぁ……イク……またイクッ……♡」
「うん、僕もまた……一緒にイこうね」
「んっ♡ んぅっ♡ ん~っ♡」
 二人は同時に絶頂を迎えると同時に唇を重ね合わせた。舌を絡め合いながらビクビクと体を震わせ、繋がった秘部からとめどなく潮を吹き出す。
 生温い体液がお互いの股間を濡らす感覚すら心地よく、二人はしばらくの間そのままの体勢で余韻に浸っていた。

 その後、湯浴みや着替えを終えた二人は、先ほどまでの乱れっぷりが嘘だったかのようにいつも通りの調子で会話をしていた。
「そういや次の戦はこの体で出陣することになるよなあ……オレはラディスラヴァの部隊から女竜騎士用の鎧を借りるけど、お前はどうするんだ?」
「僕もドロテアあたりから女性魔道士用の服を借りるつもりでいるよ。さすがに男性用のだと大きくて動きにくいし」
「ドロテアに……って、あのやたら派手な平服みたいなやつか」
「不本意だけどそうなるよね……」
 女性魔道士ご用達の豪奢な礼服を思い浮かべながらリンハルトはため息をつく。
 もともと魔道士や祈祷兵の戦闘服は性別による差異が少ないため、多少の派手な服は許容できるつもりではあった。とはいえ、あれはいくらなんでも華美すぎである。
「まあ、似合いそうだからいいんじゃねえの?」
 がっはっは、と豪快に笑うカスパルをリンハルトは恨みがましく見つめる。そんなときふと閃いて、リンハルトは「あっ」と小さく声を漏らした。
「せっかくだから今度は女性的な服を着たまましてみないかい? ほら、カスパルも女性の斧戦士用の服とか借りてきてさ。ああ、踊り子の衣装なんかもいいね」
「お前、この妙な状況を積極的に活用しようとするよな……いや、リンハルトらしいけどよ」
 カスパルは呆れたように苦笑したが結局はリンハルトの提案を受け入れ、今度は女性用の衣装で楽しむことになったのであった。
 もちろん、行為に使用した服を返すのはいたたまれないため買い取りである。



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