あしのはえたさかな
                  (2003年制作)















作・絵/ハネ☆



深い深い海の中を
さかなは毎日泳いで
いました。

毎日毎日
泳いでばかりいたので
ちょっぴり飽きて
しまいました。



すると不思議なことに
足が4本はえてきて
砂浜を歩けるように
なりました。



林の中を歩いていくと
あしのはえたさかな
尾びれは長いシッポに
なりました。



お腹がすいた
あしのはえたさかな
木の上においしそうな
実がなっているのを
見つけました。



あしのはえたさかな
首をながーく伸ばして
おいしそうな木の実を
食べました。



お腹がいっぱいになった
あしのはえたさかな
木を枕にして眠りました。



あしのはえたさかな
海の中を泳ぐ夢を
みました。



目が覚めると
すっかり夜になって
いました。

あしのはえたさかな
海へ帰ることにしました。



海に着いた
あしのはえたさかな
ゆっくり海へ入って
いきました。



すると長かった首が
みるみる短くなり
ついになくなって
しまいました。



シッポも尾びれに
もどりました。

あれ?
でも前とちょっと
違うかな?



4本の足も
なくなりました。

でも前とは
ずいぶん
違いますよね。

あしのはえたさかな
大きなクジラ
なりました。



「それにしても
あの木の実は
おいしかったな。」と
クジラは思いました。



きっと今夜は
林の中を歩いた
夢を見るのでしょうね。



おやすみ。





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