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この無人島に漂着して今日で3日目。
ずっと何も食べていない。
食べられそうな物といえば、巨大なキノコだけだ。
でも、怪しすぎる。
毒キノコかもしれない。 |
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この無人島に漂着して今日で4日目。
もう限界だ。
私はキノコを食べることにした。
そして力いっぱい巨大なキノコを引っぱった!
すると…。 |
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土の中からおかしな奴が現れた。
「スーパースピードで空を飛び、スーパーパワーで地球を守る。
食物戦士キノコマン1号!」
と、聞いてもいないのに彼は名乗った。 |
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私は彼に頼んだ。
「私を背中に乗せて、家まで飛んで行ってくれ。」
しかし彼は「それは無理だ!」
と、自信満々に答えた。 |
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「説明しよう。
キノコマン1号は人を乗せて空を飛ぶことができないのだ。」
と、彼は胸を張って言った。 |
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「だったら君ひとりで助けを呼びに行ってくれ。」
と、私は彼にもう一度頼んだ。
しかし彼は「それも無理だ!」
と、またしても自信満々に答えた。 |
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「説明しよう。
キノコマン1号はとてもさみしがり屋さんなので、ひとりで行動できないのだ。」
と、彼は更に胸を張って言った。
失望する私に彼は「元気出せよ。そうだ。相撲でもとろうぜ。」
と言った。
私はシブシブそれに応じた。 |
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「はっけよい、のこった。」
ドボーン!!
彼はあっさり負けてしまった。 |
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「お腹が空いてスーパーパワーが出ないや。」
と、彼は言った。
そして彼は信じられない言葉を続けた。
「ねェ、何か食べる物ない?」 |
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この無人島に漂着して今日で5日目。
ずっと何も食べていない。
「こんな時に2号たちがいてくれれば…。」
と、彼はつぶやいたが、私は聞こえないフリをした。 |
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「こんな時に3号が目覚めてくれたらなぁ。」
と、彼は大きな声で言ったが、私は耳をふさいだ。
彼は私以上に無力だった。
私はいったいどうすればいいのだ…。 |
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