キノコのはえる島
              (2005年制作)















作・絵/ハネ☆



この無人島に漂着して今日で3日目。

ずっと何も食べていない。

食べられそうな物といえば、巨大なキノコだけだ。

でも、怪しすぎる。

毒キノコかもしれない。



この無人島に漂着して今日で4日目。

もう限界だ。

私はキノコを食べることにした。

そして力いっぱい巨大なキノコを引っぱった!

すると…。



土の中からおかしな奴が現れた。



「スーパースピードで空を飛び、スーパーパワーで地球を守る。
食物戦士キノコマン1!」
と、聞いてもいないのに彼は名乗った。



私は彼に頼んだ。


「私を背中に乗せて、家まで飛んで行ってくれ。」


しかし彼は「それは無理だ!」
と、自信満々に答えた。



「説明しよう。
キノコマン1号は人を乗せて空を飛ぶことができないのだ。」
と、彼は胸を張って言った。



「だったら君ひとりで助けを呼びに行ってくれ。」
と、私は彼にもう一度頼んだ。



しかし彼は「それも無理だ!」
と、またしても自信満々に答えた。



「説明しよう。
キノコマン1号はとてもさみしがり屋さんなので、ひとりで行動できないのだ。」
と、彼は更に胸を張って言った。

失望する私に彼は「元気出せよ。そうだ。相撲でもとろうぜ。」
と言った。

私はシブシブそれに応じた。



「はっけよい、のこった。」



ドボーン!!



彼はあっさり負けてしまった。



「お腹が空いてスーパーパワーが出ないや。」
と、彼は言った。


そして彼は信じられない言葉を続けた。


「ねェ、何か食べる物ない?」



この無人島に漂着して今日で5日目。


ずっと何も食べていない。


「こんな時に2号たちがいてくれれば…。」
と、彼はつぶやいたが、私は聞こえないフリをした。



「こんな時に3号が目覚めてくれたらなぁ。」
と、彼は大きな声で言ったが、私は耳をふさいだ。


彼は私以上に無力だった。


私はいったいどうすればいいのだ…。





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