毎日新聞
<安保法案>反対の会発足 和大教員ら「学生も議論を」/和歌山
08月15日 14:29 (gooニュース所載)

 国会で審議が続く安全保障関連法案について、和歌山大学教育学部の教員らが14日、廃案を求める同大学有志の会の発足会見を開いた。違憲の疑いが強いことや国民の理解が乏しいことなどに加え、若者が戦場に近い場所に派遣されることになれば特に教員を養成する教育学部では影響が大きいとしている。今後、学内外に広く賛同署名を集めるなどして議論を起こしたいという。

 同学部の越野章史准教授(教育思想史)を中心に、現職教員や名誉教授の9人が呼びかけ人となった。今後学内での学習会や講演会のほか、500人を目標に賛同署名も集める。会見に参加した久保富三夫名誉教授(教育法学)は「発足は遅すぎたぐらいだが、今立ち上がらないと後悔すると思う」と話す。

 同法案を巡っては、東京や大阪で学生など若者による大規模デモも続いている。和歌山大学で大きな動きはないものの、ゼミや講義では疑問を口にする学生も多いという。越野准教授は「今までの義務教育は政治の教育に臆病になりすぎていて、学生は安保など意見が対立している政治問題をきちんと教わってきていない。意見表明も遠慮がちで、会の発足が自由に議論できる雰囲気につながれば」と話した。【稲生陽】