市民集会「安全保障法制、特定秘密保護法、いわゆる共謀罪法、憲法改正の動きなどから日本の今とこれからを考える」(和歌山弁護士会・3月3日)

 2018年3月3日に和歌山市のルミエール華月殿で、9条改憲を止めようと和歌山弁護士会主催の市民集会が行われました。
 主催者の開会の辞に続いて登壇した講師の海渡雄一弁護士は、「9条改憲を食い止め秘密保護法・戦争法・共謀罪を廃止し、民主主義を再生するために」と題する、106コマにおよぶパワーポイントに沿って講演されました。そのパワーポイント配布資料はカラー印刷53頁の上質な冊子として参加者に渡されました。集会名称の長さからも想像できる通りの多彩な問題点について、新鮮で具体的な内容のお話でした。
 はじめにドイツ連邦行政裁判所の「ライオン(権力)をしばる鎖のレリーフ」の写真をあげて、「憲法は国家の横暴を抑制するためのものだが、自民党の改憲案は国民の義務ばかり強調して、憲法というものについて基本的な理解がない」と説き起こされました。
 次いで、「政府は戦前の戦争法体系を現代型にして蘇らせようとしている」として、治安維持法による反対勢力の根絶の過程、共謀罪は現代の治安維持法、軍機保護法・国家総動員法・隣組の機能など、貴重な具体例を示しつつ話されました。
 次いで、ポツダム宣言による日本の非武装化、自由に対する制限の廃止、治安維持法・軍機保護法などの廃止などを経て、日本国憲法成立までの詳しい経緯、特に日本側の議論と世論の反映した事実について、興味深い具体例を示しつつ話されました。
 次に、2014年閣議決定による集団的自衛権の行使容認と2015年の平和安全法制=戦争法制の強行成立を振り返り、茨城県の陸上自衛官が「安保関連法は憲法9条に違反し、存立危機事態での防衛出動命令に従う義務がないことの確認」を求めた訴訟の控訴審で、2018年1月31日東京高裁が、地裁の却下判決を取り消して差し戻した、注目すべき判決を紹介されました。
 続いて、予定されている改憲スケジュール(2018年1月・東京新聞)を紹介され、「9条改憲・国家緊急権条項を止めよう。」「自衛隊違憲・合憲の違いを超えて戦争法反対で共闘した流れが大切。戦争法違憲訴訟の帰趨が大切」「自衛官による違憲訴訟に見るように、自衛隊員・家族から、専守防衛に反する改憲には反対の流れを作り出すこと」とまとめられました。
 質疑の中で、フロアの意見に同感しつつ「『憲法に書き込まなければ頑張っている自衛隊員がかわいそう』という心情論を展開してくるだろうが、『集団的自衛権で遠い外国に行って戦死させられる自衛隊員こそがかわいそう』ということが本質だ。この事を訴え広げるべき」と述べられました。
 (文・写真 柏原卓)



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▲開会の辞(畑純一 和歌山弁護士会会長)



▲海渡雄一弁護士の講演



▲閉会の辞(由良登信 和歌山弁護士会憲法委員会委員長)