アジア映画



【猟奇的な彼女】

猟奇的な彼女”と付き合う心得4カ条
1.女らしいことを要求してはいけない
2.酒は3杯以上飲ませないこと、人をなぐりまくるから
3.時々、留置場に行く覚悟を
4.殺すって脅された時は、本当に死ぬつもりで

猟奇的

 


 監督:クァク・ジェヨン

 出演:チョン・ジヒョン
    チャ・テヒョン




story

大学生のキョヌ(チャ・テヒョン)は、電車内で酔っ払っている「彼女」と出会う。
意識のない「彼女」をほっておけず、仕方なくホテルへ運ぶが、そこへ突然警官が現れた。
翌朝、留置所から出たキョヌに「彼女」からの呼び出しが…。
「私に何をしたのよ!」と問い詰める「彼女」に、キョヌは昨夜のいきさつを話し、
キョヌと「彼女」の不思議な関係が始まった。見た目と違って気が強く、
ワイルドで強引な「彼女」に振り回されるキョヌだったが、その真っ直ぐな瞳に、
次第に特別な感情を抱いていく。


めっぽう気が強くて暴力的な彼女と気弱で心優しい彼の抱腹絶倒のラブ・コメディ
思う存分笑い楽しませて頂きました(爆)
こういう軽いノリの韓国映画は初めてでしたのでとても新鮮な驚きがありました。
その可憐な容姿からは想像できない・・・・「ぶっ殺されたい?」。。。が口癖の彼女
無理難題を言い、それが受け入れないと・・・殴る!蹴る!脅す!で思いを通してしまう彼女。
張り倒され、突き落とされ、怒鳴り散らされ・・・・それでも彼女に惹かれてゆくキョヌ
キョヌを演じたチャ・テヒョンが良いですね♪
美形でもないし格好よくもないのに見ているうちに段々と素敵に見えてくるから不思議(笑)
私、キョヌのようなタイプの男性結構好きなんです(^-^;ゞ

ラストが良いですねぇ〜♪
やはり、ラブストーリーはハッピーエンドじゃなくちゃね!
(2001年韓国作品)







【決戦・紫禁城】

月夜の晩。決戦の舞台は紫禁城。
ふたりの剣士が空を舞う!

紫禁城
【監督:アンドリュー・ラウ】
【出演:アンディ・ラウ/イーキン・チェン/ニック・チョン】


剣神・西門吹雪(イーキン・チェン)を相手に紫禁城での戦いを申し込んだ、
皇族の葉狐城(アンディー・ラウ)。皇帝の妹の飛鳳(ヴィッキー・チャオ)は、
そんな彼にひそかに恋していた。そんなおり城下では謎の連続殺人事件が発生し、
宮廷の隠密・龍龍九(ニック・チョン)が捜査を開始する




本当に久しぶりに香港映画らしい作品に出会いました♪
ワイヤーアクション&CGの特殊効果で人間がビュンビュン飛び回るんです(笑)
そんな訳ないじゃない・・・と思いつつもその優雅さにウットリしてしまう私です。
アンディー・ラウ、イーキン・チェンという美形スター達が甘いマスクで
華麗に飛び交い剣で戦うシーンは・・・惚れ惚れ(爆)
CGがミックスされた香港武侠映画は素晴らしいの一言!
また、香港電影らしくすべてがド派手で荒唐無稽 そしてあくまでも華麗に甘く〜♪



この作品で主演の二人をシッカリと食ってた俳優がいます。
ニック・チョン(上の画像左の人)・・・良い味だしてます。

とぼけた風貌に軽妙な演技は最高です♪・・・この人、きっとブレイクしますよ!
皇帝の妹役のヴィッキー・チャオとのシーンは抱腹絶倒です。
ヴィッキー・チャオがとてもキュートで魅力的、彼女の中華圏での人気がうなずけます
V(^0^)
香港映画に少しでも興味のある方、是非とも見て下さい!!
(2000年香港作品)





山の郵便配達】

山里に心をつなぐ人間の”ぬくもり”が、
大切な家族の”絆”が生きている


【監督:フォ・ジェンチイ】
【出演:トン・ルゥジュン/リィウ・イェ/ジャオ・シィウリ】


中国南方の険しい山岳地帯。
愛犬とともに、雨の日も、風の日も
緑深い大自然のなかを、人から人へ
思いを紡ぐ手紙を届ける年老いた郵便配達。
そして今日、一人息子を連れてゆく・・・
息子にとって初めての
そして父にとっては最後の三日間の郵便配達の旅

公開当時からこの作品の評判は聞いていたので、かなりの期待を持って
見ましたが、その期待を裏切る事のない素晴らしい作品でした。
決して力まないあくまでも淡々と自然体の映画・・・とでも言いましょうか
作品のテンポも親子が二泊三日かけて中国の山間部を歩くテンポに
合わせたようにゆっくりと進みます。景色もハリウッドのCGを駆使して
作り上げてゆくような景色ではなく、人が歩く事によってのみ
見えてくる景色が次々に繰り広げられてゆきます。




  雪解けの冷たい水が流れる川を渡るシーン。この冷たい水のせいで
足を悪くしてしまった父を息子は負ぶって川を渡ります。
息子の背で息子が小さい頃の事を思い浮かべる父
そして。。。父は息子の背中で涙します。
このシーンは静かに心に沁みて思わず目頭が熱くなります。

緑濃い美しい大自然の中で繰り広げられるこの「旅」は
家族の絆を取り戻す旅でもあったのです。



そして、忘れてならないのが次男坊と言う名のシェパード犬の存在。
この作品の原題名は「那山 那人 那狗 (あの山・あの人・あの犬)」
とあるようにこの犬がとても良いのです!父と一緒に郵便配達の旅を続けて来た
賢くも可愛いそして頼りになる次男坊。彼の存在はその名の通り大切な家族なのです。
父に代わり何の気負いもなく郵便配達に旅立つ息子の後を
次男坊が一目散に追ってゆくラストシーン・・・・胸が熱くなりました。
いつまでも心に響く余韻の残る作品です。
(1999年中国作品)





【少林足球】

君はまだ、究極のサッカーを知らない!
【監督:チャウ・シンチー出演:チャウ・シンチー/ン・マンタ/ヴィッキー・チャオ 】



かつて”黄金の右脚”と呼ばれながらも、チームメイトの罠により引退を余儀なくされた
元サッカー選手ファン(ン・マンタ)。そんな彼が少林拳を信奉している不思議な青年シン
(チャウ・シンチー)と出逢いサッカーチームを作り、宿敵デビルチームと死闘を繰り広げてゆく。。。

久々に香港映画を堪能しました!!
チャウ・シンチーが絶好調!
さすが、星仔(シンチーの愛称)!!
また共演があの迷作「ゴッド・ギャンブラー賭聖外伝」からの相棒となったン・マンタとくれば
シンチーファンならずとも期待で胸が高鳴りますよね〜♪
その上、あのカレン・モクまでが特別出演しているのですから・・・たまりません!!
私は大満足の作品でしたが。。。もしかしたら彼独特のエグイと言いますか
ブラックと言いますかちょっと癖のある笑いについて行けないかも。。。。(笑)
これでもかこれでもか・・・とシツコイ位に繰り出す彼独特のナンセンスジョーク
しかし、これこそがシンチーワールド!
理屈抜きに漫画本を見るように無邪気に楽しめる作品でした♪
太極拳の使い手ムイ(ヴィキー・チャオ)はちょっと「食神」のカレン・モクを彷彿とさせましたが
まっ、これもご愛嬌・・・ああいうのがシンチー好みの女性なのかも。。。。ね?
(2001年香港映画)




【夏 至】

夏の日の秘めごと わたしの恋が熟れていく
【監督:トラン・アン・ユン 出演:トラン・ヌー・イエン・ケー/グエン・ニュー・クイン/レ・カイン】
夏至 
ベトナムのハノイを舞台に3姉妹の恋とそれぞれの「秘密」が、洗練された映像美で描かれる。
長女スオンは、夫に愛人がいて夫婦仲がぎくしゃくしている。次女カインは小説家志望の夫と結婚したばかり。三女リエンは、恋人よりも同居している兄にべったり(かなり重症・・・笑)。。。


「青いパパイヤの香り」「シクロ」とベトナムを舞台に撮り続けているトラン・アン・ユン監督の第三作目。
彼の作品はストーリーそのものは大した事がないと私は思っています。この「夏至」も「ふーん、それがどうした?」と突っ込みを入れたくなる内容です(笑)
しかし、それでもなお彼の作品に心惹かれるのは・・・それはあの独特の影像美と時間までがそっと控えめに流れているような、また午睡時の静寂感・・・そしてアジア文化の優雅さを感じるからだと思います。

白い麻の蚊帳、ビーズの暖簾、木製のベッド、部屋の隅に置かれた小さな植物など・・・決して高価な物ではありませんが、どこかに懐かしさが感じられる家具の数々。特に、次女の住む 庭に向けて開放されている住居はとても素敵でした♪
茶髪、大流行の昨今の日本ですが・・・・漆黒の髪とでも言いましょうか、姉妹の髪の美しさと言ったら!姉妹が髪を洗うシーンがあるのですが。これはもう美しいと言うより官能的でした!
もう一つ官能的なシーン
長女が逢引きをするシーン・・・彼女はまったく普通のおばさんなのに、逢瀬を重ねる時の艶かしさには思わず”ドキッ”としてしまった私です。その時に彼女が来ていたドレスが又素敵なのです

この作品を男性が見たら。。。「女心は分からんなぁ〜!」となりますよ、きっと!(笑)
              (2000年ベトナム・フランス作品)


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【恋する惑星】

恋する惑星一軒のハンバーガー・ショップを起点に、
ふたつの愛が交差する。
銃弾をすり抜けつつ極彩色のネオンの中を駆け抜ける
金髪サングラスの女(ブリジット・リン)と認識番号223号の刑事(金城武)とのふれあい
そしてハンバーガーショップで働くカリフォルニアを夢見る女と認識番号663号の警官との恋。
しかし、この映画は後半のトニー・レオンとフェイ・ウォンの恋物語が主でしょう。
「夢のカリフォルニア」をBGMにフェイ・ウォンがいじらしく
可愛いく恋する乙女のトキメキを演じ、どこか浮世離れした警官をトニー・レオンが演じる、この恋物語は雑然・混沌とした返還前の香港を舞台にピュアに繰り広げられます。手持ちカメラによる斬新なカメラワーク、この作品によって世界的にメジャーになったウォン・カーワイ監督の非凡さが伺える作品です。

「カリフォルニア・ドリーミング」とともにフェイ・ウォンが歌っている
「Dreams」のカバー曲「夢中人」がとても素敵で
そのDreamsを歌ってるThe CranberriesのCDを買い求めました、私(笑)
余談ですが、その「Dreams」は「ユー・ガット・メール」でも使われてましたよ♪

従来の香港映画の枠を越えた記念すべき作品でもあります。
是非、一度見て下さい!! (1994年作品)



【ラブ・ソング】



中国にいる婚約者と結婚し、香港で暮らすことを夢見てやって来た
シウクワン(レオン・ライ)と、
香港ドリームを追い求めるレイキウ(マギー・チャン)
愛し合いながらも別々の相手と結ばれる二人。
出会い・別れ・再会の10年にわたるラブストーリーが
香港・ニューヨークを舞台にくりひろげられてゆきます。

香港四大天王の一人レオン・ライが大陸(中国本土)出身の田舎青年を
まるで地でいくようなナチュラルさで好演しています
彼は香港スターにありがちなバタ臭さがなく、
嫌みのない育ちの良さを感じさせる俳優でこのシウクワンはまさに適役でした♪
又、田舎娘・ヤクザのボスの愛人・女実業家と
見た目にも鮮やかな変貌を見せてくれるマギー・チャン。 
シウクワンを見つめる一途で情熱的ですがりつくような視線は流石です♪

 そして忘れてならないのが全編に流れるテレサ・テンの”甜蜜蜜”が、
甘く切なく二人の恋物語を優しく包み込んでいます。
  (1996年作品)





【我愛厨房 キッチン】

キッチン吉本ばななの「キッチン」が原作。
又、かつて森田芳光監督によって映画化されています。森田版「キッチン」は生活感のない透明な雰囲気の映画であったのに対して、
イム・ホー版「キッチン」は香港が舞台とあって、人間くさくて生活感のある仕上がりになっています。
私は森田版よりイム・ホー版の「キッチン」の方が好きですね。
孤独に心を閉ざした少女アギー(富田靖子)とチャランポランなようでその実とても心優しい青年ルイ(チャン・シュウチョン)そして、
性転換をしたルイの父親エマ(ロー・ガーイン)。
三人がまるで本当の親子のように暮らすようになるが。。。
”悲しくてどうしようもない時
人は誰かの優しさの中で癒されてゆく・・・”
映画は私達にそう語りかけてきます。

エマ役のロー・ガーインはまさにはまり役でした。
彼が(ハゲ頭の甲高い声の変なオジサン)こんなに色っぽくエマを演じるなんて。。。
眼からウロコでした(笑) 

アギーとルイが、やわらかく変化する光の中で食事をするラストシーンは
二人がこの先結ばれるのかどうなのか。。。
しかし、どちらにせよ何時までも何処までも二人は一緒に生きてゆく。。。。
そんな余韻がある素敵なシーンでした。 (1997年 香港・日本合作)



【ザ・カップ】

カップ

離れた異境ヒマラヤの山麓にひっそり佇む仏教寺院。
ゆったりと流れる時間、そこで繰り広げられるサッカー大好きの少年修行僧たちの
厳しい修行ながらも、笑いに溢れた楽しい日々の暮らし...。
ブータン映画が日本に紹介されたのはこれが初めてとか・・・
この映画の監督も実はブータンにいるチベット仏教の高僧、
又出演者も大半が現役の僧侶だそうです。

コーラの空き缶でサッカーをしたり、
お勤めの最中に無駄話をしてしかられたり、居眠りをしたり、
夜中に僧院を抜け出してサッカー中継を見に行ったりする。
こうしたエピソードは、
すべて僧院で実際に起きた実話をもとにしているというあたり、
とても微笑ましく何処も子供達は同じなんだ・・・と言う妙な安堵感。
アメリカの雑誌を見ながら、「アメリカ人は胸も顔もゴムでできている」
と言い合う子どもたちの素朴さがいい!
少年達の澄んだ目の輝きと逞しさ、何処までも続く青い空と新鮮な空気など、
かつて私達のすぐそばにあった輝きを思い出させてくれ。
ナチュラルな感動がストレートに観る者の胸に伝わってくる作品です。

しかし、この映画は中国のチベット侵略と不当な支配に抗議する映画でもある、
と言う一面も忘れてはならない事だと思います。若い僧侶たちの殆どが、
自分たちの故郷であるチベットを見たことがないんだそうです。。。
(1999年ブータン映画)



【こころの湯】

こころ

都会で妻と暮らすターミン(プーツンシン)が、久しぶりに単身で帰郷。
彼の実家は北京の下町の銭湯「清水池」。
そこでは父(チュウ・シュイ)と知的障害を持つ弟(ジャン・ウー)が
銭湯に来る人達と仲睦ましく暮らしていたが
土地開発の波はここ「清水池」にも押し寄せていた。。。。。

銭湯を経営する親子と、そこに集う人達の交流が人情味たっぷりと描かれています。
中国の銭湯はマッサージ・整髪・垢すり・足治療・・・・などがあり
まるで男達の社交場のようです。
そこで客達は将棋をしたりコオロギを戦わせたり、歌の練習をしたり・・・・
この銭湯で起こるエピーソードがほのぼのとしていて実に暖かい。
特に入浴客達がとても個性的で、中でもコオロギを戦わせて
その勝敗に生き甲斐を感じている老人達が最高に可笑しかった。
負けたお爺さんが「何を食わした?」「興奮剤のようなものを食べさせただろう!」
「オリンピックだったら四年は出場停止だぞ、コーチなら一年停止だ!」
と勝った相手にくってかかるシーンには大笑いしてしまう。


どこにでもある親子問題・夫婦間の問題・立ち退き問題などが、
しかしそれ程深刻になる事もなく明るく前向きに描かれている事が、
この作品の後味を良いものにしています。


ちょっと心がへこんだ時に見る事をおすすめします。
(1999年中国映画)