彼女の映画を初めて見たのは名画座という古い映画館でした。
高校時代、試験明けの日友人達とパンとジュースを買って、
三本立てのその映画館で過ごすのがその頃の私の一番の楽しみでした。

 キャサリン・ヘップバーン、イングリット・バーグマン、ナタリー・ウッド、ジェームス・ディーン、
ハンフリー・ボガード、オーソン・ウェールズ、ロバート・ミッチャム、ジャン・ギャバン。。。etc
その映画館で出会った名優達、
その中でもオードリーは宝石のように・星のように、キラキラと輝いていました。


【ローマの休日
私にとってのナンバーワンの映画です。
アン王女の気品・美しさ・可憐さ・・・全てがパーフェクト!
あのアン王女は演技ではなくて彼女自身、
素の彼女がスクリーンに現れたようなそんな錯覚をおぼえる程でした。

あの一本で、その後の彼女の路線が決まってしまった感がありますが
”妖精”と言うイメージを崩すことなく逝った彼女に、私は拍手を送りたい。


 




【ティファニーで朝食を】





「ローマの休日」の次に好きなのがこの「ティファニーで朝食を」です。
ムーンリバーの曲が流れる中、黒のイブニングドレス姿にサングラス
手には紙コップのコーヒー、そしてドーナッツを頬張りながら、
ティファニーのショーウィンドーを覗くコールガールのホリー。
売れない小説家のポールの部屋に窓から忍び込んで
「ちょっと眠らせて」とポールの気持ちなどお構いなく、ベッドで眠りこけるホリー。
まるで子供みたいに、雑貨店で万引きをする二人。
そしてムーンリバー流れる中、
土砂降りの雨の中で抱き合うラストシーン。
お洒落な耳栓にアイマスク、男物のシャツの寝巻き、柄の長いキセル
そして、ジィバンシーのドレスの数々・・・・

まるで手品みたいに、トランクの中から電話が籠の中から片一方の靴が出てくる楽しいシーン。
オードリィーが透明に可愛くコールガールを演じた、まるでお伽話のような物語。
ちょっと心が重い日に、何故かフッと観たくなる映画です♪