YTR-8310ZとYTR-8340EMの比較

ずいぶん前ですが、ひょんなことから、YTR-8310Zを2ヶ月ほどモニターできるチャンスに恵まれ、
自分が持っているYTR-8340EMと比較することができました。

ブログに載せてましたが保存版としてこちらに残してみた。

YTR-8310Zはボビー・シュー監修モデル、YTR-8340EMはエリック・ミヤシロ監修モデルです。
共通な部分が結構多く、販売された時期からして、YTR-8340EMとYTR-6310Zをベースに作ったのが8310Zのようです(たぶん)。コアな技術として、フレンチビード、サイドシームは今後ヤマハのトレンドになりそうですが。。。
最近発売されたシカゴモデルYTR-9445CHSもフレンチビード、サイドシームが採用されていますね。

 

見た感じはほとんど変わりませんが、YTR-8340EMと異なる点は、
・標準的なベル口径(エリックモデルがでかいんだが・・・)
・3番管のつば抜き有り
・チューニングスライドの支柱無し
・リードパイプの材質がゴールドブラス
・チューニングクルークとピストンの接合付近の管の厚み
・指掛けの形状
 

 

内部的には、ピストン軸の材質・構造、ボアサイズが違ったり、EMにはベルと本体の接合部にギャップを設けてあったりと異なるところがあるようです。

手に取った感触はEMよりは若干重い感じです。とはいえ、EMは薄ベル、ストッパーネジはくりぬき軽量タイプ、ピストン軸も中空と、徹底的に軽量化されているので非常に軽い。Zは標準的なライトウェイトタイプだと思います。たぶん6310Zと同等。

使ってみて、重量はどちらもバランスよく軽量なので、手に持って全然ストレスになりません。個人的には、Oリングタイプのほうが持ちやすいのですが。3番管つば抜きの有無も、無ければ無くて問題なし。3番管につばがいっぱい溜まるということはそんなに無いですからね。つば抜きの有無で音色がかなり違うそうです。

吹いた感じですが、EMのほうが、息が非常に入りやすく、Zのほうが若干抵抗を持っている感じです。
それでも、Bachなどに比べれば、息がとても入りやすく、鳴らしやすいです。BachからいきなりEMだと、息の使い方が慣れなくて、かなりてこずるかもしれません(←自分・・・最近やっとコツがわかってきた)。EMの方が息が入りすぎてオーバーブローになってしまうおそれがあり、息のコントロールがうまくないと使いこなせないかもしれません。8310Zの方は適度な抵抗感で、オーバーブロウの心配もなく、息の扱い方がEMほどシビアでは無いと思います。

音色はZのほうが割と硬く、ダークな感じです(そんなに鳴らしこめなかったが・・・)。音の密度があり、コンパクトでシャープ。やはり、ビッグバンドや、コンボ向きなのか?
EMは明るく、柔らかな音が軽く広がる感じ。柔らかすぎるということは無く、明るく、ハリのある音もだせ、マイクのりが良く、エレクトリック系と演奏しても埋まってしまわない感じです。

8310Zの方が万人向きか?海外ではEMは売ってないみたいですし。
EMとZは楽に吹けるという点では共通してますが、吹奏感、音色は非常に異なり、購入すると考えているならば試奏して自分のやっている音楽、出したい音を考えて、比較することをお勧めします。

もちろん、どちらも、こだわった良い楽器だと思います。(ぶっちゃけ、Zも欲しい)

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