◎花田勝彦選手・特集

花田勝彦選手
エスビー食品

花田勝彦選手 175cm・58kg・AB型
1971年 6月12日  京都市生まれ
1989年 滋賀県立彦根東高校卒業
1994年 早稲田大学人間科学部卒業
      エスビー食品(株)入社 ヱスビー食品陸上部
2004年 上武大学助教授・上武大学駅伝部監督就任
 

(1971年4月1日〜3月31日生ま)同期選手の最高記録
トラック
1500m 3分44秒27 花田勝彦(早大) 1992・9・19 スーパー陸上
1マイル 4分01秒39 花田勝彦(早大) 1993・6・27 ミッドサマーゲームズ
3000m 7分52秒02 田尻裕一(クロサキ) 1994・6・26 ミッドサマーゲームズ
5000m 13分23秒49 花田勝彦(エスビー食品) 1999・7・3 マイア国際
10000m 27分45秒13 花田勝彦(エスビー食品) 2000・9・22 シドニー五輪予選
20000m 58分55秒9 花田勝彦(ヱスビー食品) 1994・5・21 東日本実業団
2000mSC 5分45秒10 櫛部静二(宇部鴻城高) 1988・10・17 国体
3000mSC 8分38秒95 櫛部静二(早大) 1992・6.14 日本選手権
1時間走 20410m 櫛部静二(ヱスビー食品) 1996・10.20 亜大長距離記録会
ロード
10マイル 46分25秒 田尻裕一(クロサキ) 1996・12・8 甲佐10マイル
30Km 1時間29分55秒 森川貴生(NKK) 1999・2・12 熊日30Km
ハーフ 1時間01分44秒 花田勝彦(エスビー食品) 1998・3・15 全日本実業団ハーフ
ハーフdh 1時間01分38秒 花田勝彦(ヱスビー食品) 1998・1・25 東京ハーフ
マラソン 2時間07分59秒 森下由輝(旭化成) 2001・3・4 びわ湖毎日マラソン

花田選手5000m10傑(平均13分34秒495) 花田選手10000m10傑(平均28分秒01秒196)
1 13分23秒49 マイア国際 1999年 1 27分45秒13 シドニー五輪・予 2000年
2 13分28秒73 ヘヒテル 1993年 2 27分50秒46 日本選手権 1996年
3 13分34秒35 日本選手権 1994年 3 27分54秒77 延岡G・G 1999年
4 13分35秒13 GP大阪 1998年 4 27分57秒27 兵庫リレー 1996年
5 13分35秒43 ビスレットゲーム 1999年 5 27分57秒32 兵庫リレー 1999年
6 13分36秒40 東実記録会 1996年 6 28分05秒26 兵庫リレー 1998年
7 13分37秒45 ヌルビヤビ 1993年 7 28分06秒7 東京記録会 1995年
8 13分37秒85 オルクス 1993年 8 28分10秒11 兵庫リレー 2000年
9 13分38秒0 東京記録会 1999年 9 28分11秒60 ビスレー 1993年
10 13分38秒12 全日本実業団 1998年 10 28分13秒34 ロンドン 1995年
※年度別(4月1日〜3月31日)ではなく年別(1月1日〜12月31日)で区切り集計しています。
※敬称が略される場合もあるかもしれません、ご了承ください。
※資料・記録の多くは「陸上競技マガジン」「月刊・陸上競技」を参考・参照しています。
彦根東
〜 1989年 平成元年 〜
滋賀県・彦根東高校3年(18歳)

1989年 花田勝彦選手主要レース結果
5月18日 滋賀県インターハイ 1500m 1位 3分52秒2 県大会優勝
5月20日 滋賀県インターハイ 5000m 1位 14分36秒3 県大会優勝
6月23日 近畿地区インターハイ 1500m 1位 3分55秒50 地区大会優勝
7月2日 日本ジュニア選抜 1500m 1位 3分50秒28 ジュニア優勝
8月2日 高知インターハイ 1500m 5位 3分54秒41 全国5位
9月21日 はまなず国体 10000m 21位 31分26秒67
11月12日 高校駅伝・滋賀県大会 1区・10Km 1位 31分34秒
「武井・櫛部・花田」選手、後の「早大3羽烏」として90年代初頭・学生陸上界に旋風を巻き起こした3選手がそれぞれの得意種目で活躍し大型選手としての原型を垣間見せた高校3年時代・1989年。滋賀県・彦根東高校から出現した花田勝彦選手は中距離選手独特の腰高でセンス溢れるストライド走法≠ナ主に「1500m」という種目から快走・快勝の快進撃を見せ始める・・・意外にも9月はまなす国体では後の27分台ランナー、佐保・田尻・選手とともに最長距離種目10000mにも出走経験を持つ。

花田勝彦選手
エスビー食品
◎日本ジュニア選抜 1989年7月2日 
1500m
1 3分50秒28 花田勝彦 彦根東
2 3分51秒33 橋本和人 日本体育大学
3 3分53秒36 木村吉継 高島
5000m
1 14分08秒17 武井隆次 国学院久我山
10000m
1 29分50秒19 熊谷勝仁 ダイエー
2 29分57秒70 櫛部静二 宇部鴻城
3000mSC
1 8分54秒81 櫛部静二 宇部鴻城


◎高知インターハイ 1989年8月2日 
1500m予選2組
1 3分54秒94 花田勝彦 彦根東
1500m決勝
1 3分53秒35 武井隆次 国学院久我山
2 3分53秒83 木村吉継 高島
3 3分53秒99 池谷重喜 山梨農林
4 3分54秒00 森下由輝 九州学院
5 3分54秒41 花田勝彦 彦根東
6 3分54秒49 翠尾 崇 国学院久我山

◎はまなす国体 1989年9月21日
1500m予選1組
5 4分01秒05 花田勝彦 彦根東 =落選
10000m決勝
1 29分54秒93 中村博幸 大牟田
2 29分55秒28 武井隆次 国学院久我山
3 30分06秒42 櫛部静二 宇部鴻城
13 30分46秒04 佐保希 鶴崎工→後に旭化成で(27分58秒47)を記録
19 31分13秒63 田尻祐一 専大玉名→後にクロサキで(27分59秒97)を記録
21 31分26秒67 花田勝彦 彦根東→後にヱスビー食品で(27分45秒13)を記録

◎1989年花田選手の主な戦跡
インターハイ滋賀県予選では1500m(3分52秒2)、5000m(14分36秒3)で2冠。近畿地区大会では1500m(3分55秒50)で優勝、7月2日の日本ジュニア選抜で1500m(3分50秒28)で優勝とこの流れで1ヵ月後の高知インターハイを1500m優勝候補の一角として名乗りを上げ迎えていた。本戦予選は2組1位で通過したものの、残念ながら混戦の決勝では「5位」。5000mも制した武井選手の2冠の前に敗れ去った。僕の記憶が確かなら花田選手の個人種目全国大会優勝は1993年日本インカレ5000mまで待たなければならないことになります。このあたりは武井・櫛部選手に比べ遅咲き≠ナありました・・・が大器晩成≠ナあった部分へつながっていく最初の伏線だったのかもしれません?
W
〜 1990年 平成2年 〜
早稲田大学1年(19歳)
1990年 花田勝彦選手主要レース結果
7月1日 日本ジュニア選抜 1500m 1位 3分50秒17
9月22日 早慶対抗 1500m 2位 3分52秒0
10月10日 出雲駅伝 3区5.3Km 区間1位 15分48秒 早大2位
10月25日 とびうめ国体 5000m 7位 14分16秒18 自己新

花田勝彦選手
エスビー食品
◎早慶対抗 1990年9月22日
1500m
1 3分50秒9 武井隆次(早大)
2 3分52秒0 花田勝彦(早大)
3 3分52秒9 櫛部静二(早大)

◎90年出雲くにびき全日本大学ロードリレー 1990年10月10日
1 2時間06分41秒 大東大
2 2時間06分58秒 早大 
3 2時間07分46秒 山梨学院大
区間賞
1区(6.0Km) 17分28秒 武井隆次(早大)
2区(7.7km) 23分08秒 板橋弘行(中大)
3区(5.3km) 15分48秒 花田勝彦(早大)
         15分48秒 鳥居久義(京産大)
4区(5.3Km) 15分40秒 大沢芳明(日大)
5区(7.0Km) 20分25秒 山中正明(大東大)
6区(11.3Km)31分55秒 J・M・オツオリ(山梨学院大)

◎とびうめ国体 1990年10月25日
5000m決勝
1 13分47秒13 熊谷勝仁(ダイエー)
2 13分57秒88 櫛部静二(早大)
3 14分01秒87 田島英治(九電工)
4 14分01秒87 熊谷哲哉(旭化成)
5 14分03秒50 武井隆次(早大)
6 14分16秒15 秋山武史(同大)
7 14分16秒18 花田勝彦(早大)

8 14分17秒92 柴本良広(九州産交)

W
〜 1991年 平成3年 〜
早稲田大学2年(20歳)

1991年 花田勝彦選手主要レース結果
1月1日 箱根駅伝 3区21.3km 区間6位 1時間07分16秒 早大11位
5月17日 関東インカレ 10000m 12位 31分03秒22
10月16日 石川国体 5000m 10位 14分09秒16 自己新

花田勝彦選手
エスビー食品
◎1991年第67回箱根駅伝 1991年1月2日
早稲田大学・11位 シード校落ち
1年 3区(21.3Km)戸塚→平塚
区間1位 1時間04分03秒 大津睦(大東大)
区間2位 1時間05分20秒 北沢義信(明治大)
区間3位 1時間05分45秒 板橋弘行(中央大)
区間4位 1時間05分50秒 梅津富浩(日本大)
区間5位 1時間06分38秒 山本正樹(順天大)
区間6位 1時間07分16秒 花田勝彦(早大)

◎花田選手と1991年〜1994年箱根駅伝(3区・3区・4区・2区)
花田選手の1年からの箱根駅伝・早大(11位・6位・1位・2位)、花田選手個人(区間6位、3位、1位◎区間新、3位)となっています。
W
〜 1992年 平成4年 〜
早稲田大学3年(21歳)

1992年 花田勝彦選手主要レース結果
1月1日 箱根駅伝 3区21.3Km 区間3位 1時間06分25秒 早大6位
関東インカレ 5000m 2位 14分07秒68 自己新
6月12日 日本選手権・予選 1500m 2組2位 3分57秒80
6月12日 日本選手権・決勝 1500m 5位 3分48秒23 自己新
6月20日 東日本実業団・関東学生対抗 5000m 1位 13分58秒13 大会新・自己新
9月11日 日本インカレ 5000m 5位 14分04秒23
9月19日 スーパー陸上 1500m 5位 3分44秒27 自己新
10月10日 出雲駅伝 2区7.7km 区間2位 22分39秒 早大7位
11月1日 全日本大学駅伝 1区14.6Km 区間1位 44分11秒 早大初出場初優勝
11月23日 府中多摩川マラソン 20Km 3位 1時間01分32秒

花田勝彦選手
エスビー食品
◎1992年第68回箱根駅伝 1992年1月2日
早稲田大学・6位
2年 3区(21.3Km)戸塚→平塚
区間1位 1時間03分45秒 K・イセナ(山梨学院大)
区間2位 1時間05分57秒 三好健治(順大)
区間3位 1時間06分25秒 花田勝彦(早大)

◎東日本実業団・関東学生対抗 1992年6月20日
5000m
1 13分58秒13 花田勝彦(早大)
2 14分00秒29 本川一美(順大)
3 14分00秒50 S・マヤカ(山梨学院大)

◎日本インカレ 1992年9月11日
5000m
1 13分57秒88 高岡寿成(龍谷大)
2 14分00秒19 渡辺康幸(早大)
3 14分01秒78 川内勝弘(日大)
4 14分03秒75 S・マヤカ(山梨学院大)
5 14分04秒23 花田勝彦(早大)
6 14分04分49 本川一美(順大)
7 14分04秒51 児玉秀樹(京産大)
8 14分05秒77 立迫俊徳(鹿屋体育大)

10000m
1 28分52秒25 櫛部静二(早大)
2 28分53秒19 S・マヤカ(山梨学院大)
3 29分08秒18 千葉信彦(筑波大)
4 29分29秒83 本川一美(順大)
5 29分29秒89 堀尾貴幸(日大)
6 29分40秒62 佐藤信之(中大)

ハーフマラソン
1 1時間04分47秒 千葉信彦(筑波大)
2 1時間05分11秒 立迫俊徳(鹿屋体育大)
3 1時間05分21秒 川久保謙一(徳山大)
4 1時間05分26秒 吉田賢史(東農大)
5 1時間05分29秒 猪谷泰久(愛工大)
6 1時間05分30秒 安川毅(京産大)

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〜 1993年 平成5年 〜
早稲田大学4年(22歳)

1993年 花田勝彦選手主要レース結果
1月1日 箱根駅伝 4区20.9Km 区間1位 1時間02分07秒 区間新・早大1位
2月11日 姫路城マラソン 10マイル 1位 47分27秒 大会新・自己新
3月14日 リスボン・ハーフマラソン 21.0975Km 11位 1時間01分58秒 自己新・後に距離不足判明・無効記録
4月4日 全国中長距離選抜 10000m 3位 28分32秒59 自己新
4月10日 東京六大学 1500m 1位 3分54秒61
4月25日 兵庫リレーカーニバル 10000m 7位 28分29秒78 自己新
5月5日 静岡国際 5000m 6位 13分49秒40 自己新
5月23日 関東インカレ 5000m 3位 14分08秒36
6月13日 日本選手権 10000m 11位 28分41秒92
6月20日 ヘンゲロ 10000m 9位 28分28秒00 自己新
6月27日 ミッドサマー 1マイル 3位 4分01秒39 自己新
7月1日 オーフス 5000m 4位 13分37秒85 自己新
7月10日 ビスレット 10000m 8位 28分11秒60 自己新
7月15日 ヌルミヤビ 5000m 1位 13分37秒45 自己新
7月23日 TSB 5000m 24位 14分04秒91
7月31日 ヘヒテル 5000m 4位 13分28秒73 自己新
9月12日 全日本学生 5000m 1位 13分49秒30 全国初優勝
9月18日 スーパー陸上 5000m 6位 13分59秒42
10月10日 出雲駅伝 5区7.2Km 区間2位 21分15秒 早大2位
11月7日 全日本大学駅伝 8区19.7Km 区間1位 58分07秒 早大2連覇優勝

花田勝彦選手
エスビー食品
1993年 花田勝彦選手の大躍進

◎トラック
1992年7月・高岡寿成選手が関西・龍谷大4年から突如として5000m日本記録を樹立し、彗星のごとく現れました。高岡選手は学生最後の代表的なタイトルとしてはこの92年9月全日本インカレ5000mで優勝されたあたりの記憶がありますが、むしろ実業団・鐘紡入りしてからの活動・活躍に注目が集まっていました。1993年に入ると関東・早稲田大学4年の花田勝彦選手が学生陸上界の台風の目となる急成長・大躍進を遂げていきます・・・これほど急激に記録・活躍の伸びを見せた選手がいたでしょうか?確かに花田選手は強豪ライバル揃いの早稲田大学内で努力と経験を重ね前年には成長の兆しを見せていましたが、まさかこれほどの伸びは誰も予測できなかったのではないでしょうか?よく選手として「化ける」とか「ブレイクする」など口にしますが「93年花田選手の大躍進」はなかなか他では類を見ないものだったと記憶していますし、上記の表にまとめますと93年の驚異的ともいえる成長・活躍がわかります。

◎ヨーロッパ遠征
花田選手の陸上競技人生の中で「1993年」は最大のターニングポイントであり競技者としての基軸を成した年であったと推測されます。その躍進の最大のきっかけとなったのが6月20日から7月31日にかけての「ヨーロッパ遠征」だったであろうと思われます。5000m&10000m学生歴代2位進出など記録的な収穫はいうまでもありませんが、世界の強豪が集うヨーロッパで世界レベルのレースの流れ、駆け引き、勝負勘、ラストスパートのタイミングなどすべてに磨きがかかったのではないでしょうか?あえて比較するなら、「5月23日・関東インカレ5000m」とヨーロッパ遠征後の「9月12日・全日本インカレ5000m」では「別人か?」というほど異次元の変貌を遂げた印象を受けました。


◎駅伝
90年代から00年代にかけて大学駅伝界では、「坪田・徳本・法大コンビ」、「武井・櫛部・花田・早大3人トリオ」、「神屋・揖斐・高橋・松下・駒大カルテット」、「岩水・入船・奥田・野口・坂井・順大クインテット」など同チームに強力な選手が集結し駅伝での覇権を争っていきました。この1993年には早大に集結し誕生した最強の6人衆「ビッグシックス」武井・櫛部・花田・渡辺・小林正・小林雅・選手が強さを発揮した年でもあります。8区間の全日本大学駅伝では(13分台・28分台)といった、ずば抜けた記録・実績を持つこの6人衆を配したわけですからその強さは当然別格で、(5時間19分21秒)の大会新記録で2位の中大になんと(4分08秒)の大差をつける2連覇優勝と強力なインパクトを学生陸上界に与えました。早大のエースに躍進・成長した花田選手はアンカー19.7Kmで区間1位(58分07秒)と区間記録に(19秒差)の歴代2の記録で2位との差をさらに大きく広げて伊勢神宮のゴールに到着、1万m(28分11秒60)の学生歴代2位の実力を存分に発揮する結果となりました。このときのラップタイムは↓
5Km(14分35秒)
10Km(29分18秒)(14分43秒)
15Km(44分11秒)(14分53秒)
19.7Km(58分07秒)(13分56秒)

花田勝彦選手
エスビー食品
◎1993年第69回箱根駅伝 1993年1月2日
早稲田大学・優勝
3年 4区(20.9Km)平塚→小田原
区間1位 1時間02分07秒 花田勝彦(早大)区間新記録
区間2位 1時間02分54秒 川崎光年(日大)
※従来の区間記録 1時間02分45秒 山田和人(順大)


◎1993年関東インカレ 1993年5月23日
5000m
1 14分01秒32 川内勝弘(日大)
2 14分05秒84 武井隆次(早大)
3 14分08秒36 花田勝彦(早大)
4 14分08秒60 磯松大輔(法大)
5 14分10秒32 佐藤信之(中大)
6 14分10秒77 川崎光年(日大)
7 14分11秒48 田口茂和(東海大)
8 14分13秒07 千葉信彦(筑波大)


◎1993年日本選手権 1993年6月13日
10000m
1 28分25秒24 S・マヤカ(山梨学院大)
2 28分29秒05 平塚潤(ヱスビー食品)
3 28分31秒42 佐保希(旭化成)
4 28分31秒57 渡辺康幸(早大)

11 28分41秒92 花田勝彦(早大)


◎1993年・花田選手ヨーロッパ遠征
◎ヘンゲロ(オランダ) 1993年6月20日
10000m
1 27分47秒33 A・セラーノ(スペイン)
9 28分28秒00 花田勝彦(早大)
12 29分05秒11 渡辺康幸(早大)
◎ミッドサマー(フィンランド) 1993年6月27日
1マイル
3 4分01秒39 花田勝彦(早大)
5 4分02秒48 高岡寿成(鐘紡)
6 4分04秒87 渡辺康幸(早大)
◎オーフス国際(デンマーク) 1993年7月1日
5000m
4 13分37秒85 花田勝彦(早大)
5 13分39秒87 渡辺康幸(早大)
◎ビスレットゲーム(オスロGP ノルウェー) 1993年7月10日
10000m
8 28分11秒60 花田勝彦(早大)=学生歴代2位
◎ヌルミヤビ(フィンランド) 1993年7月15日
1 13分37秒45 花田勝彦(早大)
2 13分38秒47 仲村明(富士通)
6 13分42秒25 早田俊幸(鐘紡)
8 13分43秒27 川内勝弘(日大)
10 13分52秒48 大崎栄(旭化成)
◎TSBゲーム(ロンドンGP イギリス) 1993年7月23日
15 13分42秒42 早田俊幸(鐘紡)
24 14分04秒91 花田勝彦(早大)
27 14分19秒95 大崎栄(旭化成)
◎ヘヒテル 1993年7月31日
4 13分28秒73 花田勝彦(早大)
  13分32秒51 川内勝弘(日大)

◎1993年全日本インカレ 1993年9月12日
5000m 
1 13分49秒30 花田勝彦(早大)
2 13分51秒66 渡辺康幸(早大)
3 13分54秒37 V・ヤエ・トーラ(亜大)
4 13分54秒90 磯松大輔(法大)
5 13分54秒99 安川毅(京産大)
6 13分55秒07 本川一美(順大)
7 13分57秒41 飯島理彰(山梨学院大)
8 13分58秒05 川内勝弘(日大)


◎1994年第70回箱根駅伝 1994年1月2日
早稲田大学・2位
4年 2区(23.0km)鶴見→戸塚
区間1位 1時間07分34秒 S・マヤカ(山梨学院大)
区間2位 1時間08分05秒 本川一美(順大)
区間3位 1時間08分14秒 花田勝彦(早大)
区間4位 1時間09分53秒 松田和宏(中大)
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花田選手と早稲田大学
花田選手が早大4年時の1993年学生歴代10傑と感想
5000m
1 13分20秒43 高岡寿成(龍谷大) 92年
2 13分28秒73 花田勝彦(早大) 93年
3 13分32秒51 川内勝弘(日大) 93年
4 13分33秒7 中村孝生(日体大) 79年
5 13分34秒4 瀬古利彦(早大) 79年
6 13分38秒24 武井隆次(早大) 92年
7 13分39秒87 渡辺康幸(早大) 93年
8 13分40秒22 米重修一(大東大) 83年
9 13分40秒9 新宅雅也(日体大) 79年
10 13分43秒02 岩佐吉章(順大) 85年

◎5000m
92年のヨーロッパ遠征で高岡選手が記録した当時日本記録でもあるこの学生記録(13分20秒43)を上回る記録は今日に至っても高岡選手自身が98年に2度、00年に1度、上回ったのみです。現在の日本男子長距離界において(13分20秒00)というのは大きな壁であるといえますから高岡選手の学生記録の水準の高さには驚かされます。花田選手が93年ヨーロッパ遠征で記録した(13分28秒73)は当時日本歴代9位に相当し、同レースでの川内選手の記録(13分32秒51)は当時日本歴代13位に相当します。高岡・花田・川内・選手と武井・渡辺・選手など上記表に名前があがっている選手が90年代前半に台頭しトラック・駅伝において学生陸上界を大きくリードしていた時代でもありました。特に1、2位に名前の挙がっている高岡・花田・選手においては、その後7年の時を経た2000年シドニー五輪10000mで決勝進出という偉業を達成することにつながりました。龍谷大4年時・92年に日本記録を樹立した高岡選手が名を上げ、早大4年時・93年に急成長を遂げ(13分30秒00)を突破した花田選手といった、後に日本陸上界を代表する大型選手が好記録とともにその名を刻んでいます。
10000m
1 27分51秒61 瀬古利彦(早大) 78年
2 28分11秒60 花田勝彦(早大) 93年
3 28分17秒02 武井隆次(早大) 91年
4 28分17秒26 渡辺康幸(早大) 93年
5 28分33秒12 井幡政等(山梨学院大) 93年
6 28分35秒5 米重修一(大東大) 82年
7 28分36秒91 本川一美(順大) 92年
8 28分38秒2 川口孝志郎(中京大) 80年
9 28分39秒4 村越忍(福岡大) 81年
10 28分39秒7 金井豊(早大) 81年
※ 28分18秒29 S・マヤカ(山梨学院大) 93年
※ 28分21秒9 J・オツオリ(山梨学院大) 90年

◎10000m
93年・花田選手が瀬古選手の27分台の学生記録につづく学生歴代2位を記録しました上記表のとうり1位から4位までを早大勢が独占しています。外国人選手の記録でS・マヤカ選手の記録をあてはめますと5位にランクされますし6位には井幡選手がランクされる事になります。当時大学駅伝界で2強・ライバル関係にあった早大VS山梨学院大といった様相が10000m歴代記録表にも影響を与えているように感じます。現在の学生陸上界で「1万m28分台」選手は多くなりましたが10年前ではやはり特別な存在であったと記憶していますし、「28分台前半」ともなるとその強さは別格でした。93年以降、94年から95年にかけて渡辺康幸選手が「1万m27分台・学生記録」に挑戦を続けました、94年・(28分07秒94)→95年・(28分03秒37)→95年・(27分55秒81)→95年・(27分48秒55)と記録を伸ばし瀬古選手の学生記録を更新しました。93年・94年・95年と大学2〜4年までの渡辺選手の記録の上昇は特に驚異的でした。