びびんこ杉と初対面 1999/6/20
六月二十日、待ちに待ったびびんこ杉登山の日だ。「自分たちが名前をつけた木はどんな木だろう。」そんな想いを抱きながら、管理棟前を出発した。
元気いっぱいの娘、運動不足の妻、私は、もうすぐ四歳になる息子の手を引きながらの行程となった。出発から約一時間でびびんこ杉に到着した。出会った杉は自分が予想していたよりも大きく、切り株を抱えた根周りは九メートル、高さは二十メートルもあり、着生したヤマグルマも数代にわたって更新している立派なものだった。
これまで縄文杉、万代杉など多くの杉を見てきたが、びびんこ杉との出会いは何か不思議な、そして感慨深い出会いとなった。
 娘は「おもしろい形をした木だね。」息子は「あーのどがかわいたけど、いい気持ちだね。」妻は「途中で引き返そうと思ったけど、びびんこ杉に会えてよかった。」とそれぞれ言っていた。
 まだ、推定樹齢は約三百五十年だそうだが、この先、何百年も生き続けてほしいと家族で願いたい。そして、今後何回も出会うことになる忘れられない大切な木になると思う