1本のチューリップ
けん太とのり子は幼なじみ。
けん太が突然引っ越すことになった。

けん太の最後の登校日。
「いそいでいそいでお父さん!」
のり子は遅刻しそうになり,お父さんの車で学校に向かった。

学校へもう少しで着くというとき,のり子は忘れ物に気づいた。
「忘れ物をしたから家に戻って!」
「何を忘れた?」
「たいしたものじゃないんだけど・・・」
「じゃあ,いいじゃないか」
「・・・」
のり子のお父さんはそのまま学校に向かった。

その日,家に帰ったのり子にお父さんは聞いた。
「今日は何を忘れたの?」
「・・・けん太君に私が育てていたチューリップを1本をあげようと思ったんだけど・・」

のり子は庭に2本のチューリップを大事に大事に育てていたのだ。

のり子のお父さんは忘れ物を取りに帰らなかったことを今でも・・・。



でっかいカエル
たかし・こうじ・けい・ひろしは同じ学校の塾仲間。
来月高校入試をひかえていた。

学校に行っても勉強・勉強。家に帰っても勉強・勉強の毎日にうんざりしていた。

塾の帰り。夜10時半。
「何かおもしろいことないかな〜」
「毎日つまんね〜な〜」
自転車で家路に向かっていると・・・
道の真ん中に全長15cmはあろうかというでっかいカエルが・・・
「カエルだ!」「カエル?」「すげ〜」「でか!」

「つかまえろ!」「なんかないか?」
自転車を降り,まわりを見回したけいは風に飛ぶコンビニの袋をget!
4人は飛び回るカエルを追い回し,やっとこさカエルもget!
「どうする?」「どうする?」
「学校へ持っていこう!」「よし!」
カエルの入ったコンビニ袋を下げ,4人は夜の学校へ向かった。

学校へ着くと,4人は人気がないことを確認し1.5mのフェンスを飛び越えた。
3年生の教室横へ到着。
「離せ!」「よし!」
「跳べ!」「跳べ!」
カエルは元気よく跳びまわった。

4人は次の日の朝のことを楽しみに家路についた。