「九条の会・わかやま」 487号 発行(2023年8月1日付)

 487号が8月1日付で発行されました。1面は、米中対立が深まり日米同盟による日中開戦の可能性が問題だ 「平和のための戦争展わかやま」で白井聡氏が講演、九条噺、2面は、総がかり「19日行動」に1000人、戦争法強行採決以来毎週スタンディング 401回 きみの平和を未来につなぐ会、朝日新聞世論調査(23年7月19日) 岸田内閣支持率など  です。
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[本文から]

米中対立が深まり日米同盟による日中開戦の可能性が問題だ
「平和のための戦争展わかやま」で白井聡氏が講演




 白井聡氏(京都精華大学准教授)は、「専守防衛をなげすて、米軍とともに敵基地攻撃する国に‼」と題して、次のような内容の講演をされました。
 今のままでは日本は中国と戦争をする。岸田大軍拡の危険性を知り、政治を戦争が回避できる方向に変えることが日本国民の課題だ。岸田大軍拡の特徴は、安保3文書に敵基地攻撃能力(反撃能力)を書き込んで専守防衛を捨てたこと、それに必要な防衛費を倍増するという2点だ。まず、防衛費倍増なら世界第3位の軍事費となり平和国家とは言えない。しかも米国の旧式兵器を高く買う無駄遣いのために大増税が不可避となる。
 敵基地攻撃能力は、技術の進歩でミサイル迎撃が困難となり、日本への侵攻を撃退するために、日本領内からミサイルを迎撃するという従来の専守防衛ができないとして提起されたが、敵国の攻撃意図の立証は困難であり、関連情報は米国頼みで、日本を戦わせるための情報となるだろう。敵基地攻撃は日本の先制攻撃となり、正当性に欠け、全面的紛争へ発展する危険性がある。
 日中戦争はあるか? 台湾有事と関係づけて語られるが、台湾有事の可能性は中台の考えを知るべきだ。台湾は大陸への併合も嫌だが戦争も嫌という立場。中国は「一つの中国」の原則で武力侵攻したい勢力はあるが、台湾は山が多く上陸し難い地形で、男子は一人っ子で戦死させ難い等の困難を抱える。こうして、台湾有事よりも現下の米中対立こそ大局で、米中対立が深まり日米同盟による日中開戦の可能性が問題だ。日中が開戦すれば、日本では経済崩壊と飢餓が予想される。「日中開戦は起きるはずがない」と思う人が多いが、起きる時のことを考えておくべきだ。実際に日本政府は各地に核シェルターを作っている。中国が日本に核を使った場合に米国が核で報復しないケースも予測しているらしい。
 安倍内閣が2015年に集団的自衛権の行使を容認したのは海外派遣を認める解釈改憲だったが、背後に米国の要請があった。自衛のために外に打って出る米軍の用兵方法との一体化である。岸田大軍拡は日米同盟のもと先制攻撃能力を対中シフトに向けている。
 1990年の冷戦体制崩壊以後、米国の覇権が崩れ始めた。対ロシア制裁に加わっていない国が「先進国」以外のアフリカ・中南米など多数を占める。中国がサウジやイランとの国交正常化を取り持った。日本の対米従属は51年安保の基地提供から、安倍・岸田で米国の望み通り戦う形になった。米国のために死ねるのか、自分がどう生きるかの延長上に平和を考えよう。
 分かりやすく迫力のあるお話でした。(柏原)



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第109回「ランチタイムデモ」実施



 近畿地方の梅雨明けが宣言された7月20日、炎天の下、第109回の「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)が行われ、40人の市民が参加しました。
 コール役は、急遽代役を頼まれた重藤雅之弁護士が、「戦争ない国を子どもたちに残そう」「憲法9条を子どもたちに残そう」などのコールで元気に先導され、和歌山市役所から京橋プロムナードまでを行進しました。
 今回は暑い中での「ランチタイムデモ」でしたので、参加人数が少なかったようですが、是非多くの方に参加いただければと呼びかけ団体から希望が述べられています。
 次回は8月17日(木)です。



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【九条噺】

 日本維新の会の馬場伸幸代表が日本共産党について「日本からなくなったらいい」と発言した。これは共産党への攻撃だけではなく、憲法、立憲主義、民主主義に対する攻撃だ▼「民主主義」の制度の中では、互いに政治的立場や政策への批判は自由だが、存在そのものを否定するのは「民主主義」の制度と全く相容れない▼「民主主義」を否定するのなら、維新の会は、「独裁主義」「絶対主義」「封建主義」の政党と言わなければならない▼さらに驚くのは、馬場氏が維新の会を「第2自民党」と言った。これまで「第2自民党」と評価されるのが相応しい政党はいくつもあったが、自らを「第2自民党」と言ったのは維新の会が初めてだ。「野党第1党」ではなく、「与党第2党」、と言っている▼自民党との違いは、「保守という原点は同じだが、大きく改革をするかどうかだ」と強調し、自民党を「現状を維持する保守政党」、維新を「改革をする保守政党」として対比したが、何をどう「改革」するのかが問題だ。自民党の政策をさらに右に拡大するのを「改革」と言っているだけではないのか。「改革」ではなく「改悪」だろう。それなら党名を「第2自民党(改悪派)」に変えてもらわなければならない▼今まで維新の会は野党でもなく、与党でもない、真ん中の「ユ党」と揶揄されてきたが、今回の経緯を見ると、「ユ党」ではなく、自民党の遥か右にいる「ウ(右)党」で、最右翼の「自民党馬場派」と言わなければならない。(南)

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総がかり「19日行動」に1000人



 総がかり行動実行委員会は7月20日夜、「軍拡増税反対!マイナカード強制反対!辺野古新基地建設反対!南西諸島のミサイル配備反対!改憲発議反対!暮らしをまもれ!7・19国会議員会館前行動」を行い、1000人が参加しました。社民党の福島瑞穂参議院議員、日本共産党の宮本徹衆議院議員、立憲民主党の打越さく良参議院議員があいさつ。沖縄の風のメッセージが紹介されました。市民と立憲野党が共闘し、来る総選挙で岸田政権を退陣に追い込むため奮闘しあう決意を確認する行動になりました。
 主催者を代表し、戦争をさせない1000人委員会の谷雅志さんがあいさつ。「憲法審査会では憲法改正を目的とした議論がされてきたが、憲法を変える必要はない。憲法の理念を生活の中でどう生かせるかだ。政府は憲法に基づいた平和外交に力を尽くすべき。粘り強く声をあげていこう」と訴えました。
 市民連合@新潟の佐々木寛さんは、「ウクライナを見てわかるように一度戦争が始まったら誰が止めることができるのか。巻き込まれるのは弱い人たちや弱い地域だ。新潟にも原発があるが、 沖縄が戦場になってしまう危険性が高い。戦争国家づくりを食い止めようと訴えていこう」と呼びかけました。
 共通番号いらないネットの宮崎俊郎さんは、「マイナンバーカードをめぐって、他人の住民票がコンビニで出てきたり、他人の情報がマイナポータルで見ることができたり、あってはならない事故や漏洩が起きている。ヒューマンエラーと言うが、元凶はデジタル庁だ。一度止まって検証すべき。健康保険証残せ、廃止を撤回させる運動をあきらめずに取り組もう」と訴えました。
 ふじさわ・九条の会の斎藤隆夫さんは、「毎週月曜にスタンディングを行っている。8月15日は不戦の誓いということで市民と政党が一緒になって訴えている。地域での統一戦線をあきらめたくない。こうした中央での行動に参加し、また地域で訴えていくことが大事だと思う。年をとっても声を張り上げてがんばる」と決意を話しました。
 憲法9条を壊すな実行委員会の菱山南帆子さんが行動提起を行いました。
(憲法共同センターNEWS7月20日号より)

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戦争法強行採決以来毎週スタンディング 401回
きみの平和を未来につなぐ会




 2015年9月19日に戦争法が強行採決されたことを受け、和歌山県紀美野町では「きみの平和を未来につなぐ会」が結成され、以来毎週水曜日の朝にスタンディングを続けてきています。
 7月5日は、401回目。先週がメモリアルの400回でした。中心になっている日本共産党町議の美濃良和さんに聞くと、「警報級の大雨の時は、あくる日に変えることもあったが、必ず毎週やってきた」「一度休むと、クセになるから」と。見ていると、手を振りながら通り過ぎる車が多数。「8年もやっているとファンもできる」と話してくれました。
 結成当時は、毎回8人ぐらいの参加があり、いまは3人になっていますが、人数が減っても、定時定点を続けていることの値打ちを強く感じました。(憲法九条を守るわかやま県民の会ニュース7月号より)

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朝日新聞世論調査(23年7月19日)



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(2023年7月31日入力 8月8日修正)
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