「九条の会・わかやま」 491号 発行(2023年9月25日付)

 491号が9月25日付で発行されました。1面は、第111回「ランチタイムデモ」実施、「戦争する国、子どもたちに残せない」安保法成立8年で国会前デモ1100人、九条噺、2面は、福祉バスでめぐる秋の交流ハイキングを開催 和歌山障害者・患者九条の会、「憲法9条を守る交流集会・和歌山」へのご参加のお願い  です。
    ――――――――――――――――――――――――――――――
[本文から]

第111回「ランチタイムデモ」実施



 「暑さ寒さも彼岸まで」という彼岸入りの前日なのに、32・1℃の暑さの9月19日、第111回「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)が行われ、40人の市民が参加しました。
 この日のコーラー役の海堀崇弁護士は、「92年前の9月18日は、満州事変の発端となった柳条湖事件が起こった日です。二度と戦争を起こさないようにがんばりましょう」と話され、参加者は和歌山市役所から京橋プロムナードまで、「9条壊すな」「戦争反対」「軍拡反対」などのコールに唱和しながら、沿道にアピールしました。



    -------------------------------------------------------------------

「戦争する国、子どもたちに残せない」
安保法成立8年で国会前デモ1100人




 集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法の成立から8年となった9月19日、安保法廃止などを訴える集会が東京・永田町の国会周辺であった。約1100人(主催者発表)が「憲法違反の法律はいらない」などと声を上げた。
 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」などが主催。議員会館前の路上には「止めよう大軍拡」「武力で平和はつくれない」などと書いた横断幕を掲げた参加者らが並んだ。
 登壇した安保法制違憲訴訟全国ネットワークの杉浦ひとみ事務局長は、米国との軍事協力を深める日本政府を批判し「周辺国との緊張関係は、日米が一緒になってつくっている」と指摘。「子どもたちに戦争をする国を残すわけにはいかない。主権者である私たちが国を変えなければならない」と訴えた。
 安保関連法に反対するママの会の長尾詩子弁護士は、防衛関連予算が増大する状況に「シングルマザーや非正規雇用者ら生活に苦しむ人が多い中、なぜ軍拡なのか」と批判。「政治に対して傍観者になってはいけない」と呼びかけた。
 (東京新聞9月19日付)



    -------------------------------------------------------------------

【九条噺】

 岸田政権は、武器輸出のルールを定めた「防衛装備移転3原則」の運用で、現行、輸出を認めている「救難、輸送、警戒、監視、掃海」の5類型に該当すれば、殺傷兵器の輸出も認める考えを示した▼ある武器輸出が5類型のどれかに該当すると言い張ることは容易に想像できる。武器輸出の厳しい自制を緩め、殺傷兵器輸出にも道を開くという岸田政権の意思が明白になったと言わざるをえない▼これは、日本が英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機を念頭に、「国際共同開発をした武器は、日本から第三国に完成品や部品を直接移転できるのが望ましい。日本だけが制約を課していると、共同開発国から第三国への輸出の支障となり、ひいては共同開発の枠組みに影響を及ぼしかねない」からだという▼そんなことは共同開発計画策定時から分かっていたはずだ。戦闘機は殺傷兵器そのものだ。共同開発合意を先行させ、その事情に合わないからと、後からルールを変えようというのは「後出しジャンケン」だ。第三国の使い方を制御するなど出来るはずはなく、国際紛争を助長しないという保証は全くない。日本が単独開発したものも許されるという流れになるだろう▼元々日本には「武器輸出3原則」があり、武器輸出は厳しく禁止・規制されていた。それを14年に安倍政権が「防衛装備移転3原則」に改悪し、武器輸出に道を開いてしまった▼「平和国家」というのなら、殺傷兵器を輸出するなどの選択はあり得ないはずだ。(南)

    -------------------------------------------------------------------

福祉バスでめぐる秋の交流ハイキングを開催
和歌山障害者・患者九条の会




 和歌山障害者・患者九条の会は9月18日、21名が参加して、奈良県方面への和歌山県福祉バスを利用してのバス旅行を行いました。
 全国水平社が昨年100周年を迎えたことを機に、平和と人権の確立をめざす部落解放運動の歴史を学ぼうと、今回は御所市にある水平社博物館を訪ねました。2グループに分かれて館内を見学。地元の語り部の方から1時間余りとても丁寧な説明を受け、その場で質問にも答えてもらい視覚障害の参加者もよく理解できました。
 江戸時代、ここ水平社博物館の前を流れる川を隔てて部落の地域が広がっており、そこでは牛馬の死体処理から出る油から墨に使う膠(にかわ)を生成することで生計を立て、わりと裕福な生活を営んでいたそうです。明治に入り部落解放令が出されるも逆に部落差別は温存され従来の免税特権も廃止、暮らしも貧困化していったそうです。
 1922年3月3日、岡崎公会堂に全国の被差別部落から約3千人が集まり、全国水平社の創立大会が開かれました。「人の世に熱あれ、人間に光あれ」で有名な水平社宣言が発せられた様子を再現した映像、資料コーナーも見学しました。
 参加者から「民族自決権、女性差別など人権を尊重する当時の運動は今につながる」「戦争に同調していかざるを得なくなった歴史も知ることができた」「楽しかった」「安心して参加できた」「また行きたい」「声をかけてほしい」などの感想が寄せられました。葛城市「道の駅かつらぎ」で買い物を楽しみ、帰路につきました。天気にも恵まれ、充実した一日となりました。(会の野尻誠さんより)



    -------------------------------------------------------------------

「交流集会・和歌山」への実行委の参加要請文をご紹介します

--------------------------------------------------------

「憲法9条を守る交流集会・和歌山」へのご参加のお願い
   2023年9月 憲法9条を守る交流集会実行委員会

        【実行委員会構成団体】
憲法9条を守る和歌山弁護士の会、九条の会・わかやま、憲法九条を守るわかやま県民の会、守ろう9条紀の川市民の会、憲法九条を守る伊都・橋本連絡会、田辺9条の会、みなべ「九条の会」、和歌山市ひがし9条の会、和歌山障害者・患者九条の会、和歌山憲法会議、和歌山県平和委員会、市民連合わかやま(順不同)
 (連絡先)憲法9条を守る和歌山弁護士の会事務局
      和歌山合同法律事務所(弁護士 戸村祥子)
      和歌山市十二番丁10 本山ビル3階
      TEL:073-433-2241, FAX:073-433-2767
      メールアドレス:shukai2023@article9.main.jp
         【交流集会の趣旨】
 和歌山県下の憲法9条を守る運動の交流会が2013年に行われてから約10年間行われていません。
 しかし、この10年間に、2014年7月1日の集団的自衛権行使を一部容認する閣議決定が行われ、2015年9月19日に憲法違反の安全保障関連法が強行されて、自衛隊が米軍と一体となって海外で武力行使ができる体制がつくられました。そして、2017年の5月3日に安倍首相(当時)は「憲法に自衛隊を明文で書き込む」憲法改正を実現したいと述べ、岸田首相は来年9月までの改憲に強い意欲を示しています。
 さらに、岸田政権は、2022年12月に新たな「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」を閣議決定し、相手国のミサイル発射基地等を攻撃するための「敵基地攻撃能力」「反撃能力」を保有し、日米が協力して台湾有事に軍事的対応をしてゆく方針を明らかにし、5年間で43兆円の防衛予算を組もうとしています。
 このような、なし崩し的な9条の実質改憲と言えることが強行されようとしていて、さらに憲法に自衛隊を明文で書き込む9条改憲も現実的な危険性を持ってきている状況において「九条の会」は本年8月3日に「市民の総決起の秋を創ろう」との声明を出し、10月5日に東京で大集会を開催し、11月には全国各地で創意を凝らした行動を呼びかけました。
 そこで、和歌山県下で、日本が再び戦争をしないために9条を守る運動に立ち上がり、運動を続けられている皆様が一堂に会し、現在の9条をめぐる情勢を確認し合い、取り組んでいる運動の情報交換をし、運動を強化し、決意を新たにする場を設けることにしました。
 是非とも趣旨にご賛同いただき、貴会に、下記交流集会にご参加いただきたくお願い申し上げます。
 なお、ZOOMで参加される方は、回答書に氏名とメールアドレスをご記載下さい。後日、メールにてご案内いたします。
            【記】
開催日時:2023年10月28日(土)午後2時~4時
場  所:和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホール
     TEL:073-425-3335
     和歌山市北出島1丁目5-47
          【集会の内容】
(1)うたごえ9条の会有志による演奏
(2)憲法9条をめぐる現在の状況についての報告
    九条の会事務局長小森陽一氏(録画)
(3)各団体の活動報告と今後の活動計画・決意
(4)集会決議

--------------------------------------------------

前(490)号で「『憲法9条を守る交流集会・和歌山』の開催概要」をお知らせしましたが、訂正・追加情報を以下の通りお知らせします。
【実行委員会構成団体】
◎「和歌山県地方労働組合評議会」「和歌山県平和フォーラム」を削除
◎「九条の会・かつらぎ」を「憲法九条を守る伊都・橋本連絡会」に変更
【集会の内容】
◎「うたごえ9条の会有志による演奏」を追加

    ―――――――――――――――――――――――――――――
(2023年9月24日入力)
[トップページ]