「九条の会・わかやま」 501号 発行(2024年2月10日付)

 501号が2月10日付で発行されました。1面は、会紙『九条の会・わかやま』500号をお祝いします 金原徹雄さん(弁護士)、第115回「ランチタイムデモ」実施、「春の情勢学習会」開催 和歌山障害者・患者九条の会、100回目のスタンディング(有田)、九条噺、2面は、「伊都・橋本」が48回目のスタンディング、みなべ「九条の会」143回目のピースアピール、軍拡ではなく平和への努力を 軍事対軍事の愚かさ 外交こそ平和実現の道 「九条の会・わかやま」事務局・田畑 安敏  です。
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[本文から]

会紙『九条の会・わかやま』500号をお祝いします
金原徹雄さん(弁護士)




 会紙『九条の会・わかやま』500号、おめでとうございます。私は、200号を皮切りに、以降100号ごとにお祝いの原稿をお送りして今回が4回目となりますが、この200号から500号までの間に11年余りの月日が経過していることに感慨を禁じ得ません。この11年の間には、「九条の会・わかやま」よびかけ人であり、法曹界の大先輩として私たちの運動を強力に支えてくださった月山桂先生をはじめ、多くの先輩方をお見送りすることになりました。
 私個人としても、2013年1月以来情報発信を続けてきたブログの「毎日更新」を、体調の問題から2019年1月で打ち止めにせざるを得なくなり、以後ほとんど更新できず、個人としての情報発信はわずかにFacebookを細々と続けているだけという状態です。
 そのような中、「九条の会・わかやま」が会紙の発行とホームページによる情報発信をたゆみなく続けられ、和歌山における護憲運動の情報センターとしての役割を担い続けておられることに、心より敬意を表したいと思います。また、2023年10月28日に、事実上3回目となる県下の護憲運動に関わる団体の交流集会が開催できたのも、「九条の会・わかやま」が実行委員会において中心的な役割を果たしてくださったからと感謝しています。今後、600号、700号にもお祝いのメッセージをお送りできるよう、お互いに頑張っていきましょう。

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第115回「ランチタイムデモ」実施



 好天の1月22日、第115回「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)が行われ、40人の市民が参加しました。
 この日のコーラーは芝野友樹弁護士で、「9条活かした日本を作ろう」「憲法壊す政治はいらない」「戦争するのは人権侵害」などとコールしてデモを先導しました。
 次回以降の日程は2月22日(木)、3月22日(金)で、和歌山市役所前集合、12時20分にスタートです。呼びかけ団体は多くの参加を願っています。

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「春の情勢学習会」開催
和歌山障害者・患者九条の会




 「和歌山障害者・患者九条の会」は2月3日、「春の情勢学習会」を開催しました。
 山本光子(てるこ)さん(和歌山県第九合唱団団長)は、お父様が小学校校長に就くために、家族で日本占領下の朝鮮に行かれたそうです。公職や教師に就くのは日本人だが、朝鮮の人々は親切で私たち日本の子どもにもよくしてくれた思い出がある。戦争はどんなことがあっても避けなければいけないと、切実な思いを話してくださいました。
 坂本文博さん(憲法九条を守るわかやま県民の会代表委員)は、「改憲と大軍拡の動きにどう立ち向かうか」をテーマに話されました。日本は戦争をする国に近づいていると強く学んだ時間でした。自衛隊基地の強靭化や南西諸島の要塞化など戦争が始まることを想定した恐ろしい現実がある。今私たちは何をしなければならないか! 憲法9条が戦後、日本を戦争に巻き込ませず、自衛隊員の犠牲を出さずにきた。戦争から守ったのは憲法9条の力によることなど、署名時にもじっくり対話して情勢を伝えること、専守防衛の自衛隊賛成の方も含め幅広い運動にして戦争への道をくい止めること、ASEANのようなアジアでの平和の共同体をつくることが大事と話してくださいました。

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100回目のスタンディング



 有田共同センターの「3日の行動」は、2月3日ついに100回目。回数を重ねましたが、途中からの雨で早く切り上げたことはありましたが、「雨で中止」は一回もなかったのです。今回も無事に行動できました。恐竜も参加して29人。みんな元気です。

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【九条噺】

 JAXAの小型無人探査機「SLIM」が月面に着陸した。月面着陸成功は、旧ソ連、米国、中国、インドに次いで5カ国目だ▼着陸時に姿勢異常となって、発電できなかった太陽電池パネルも太陽の向きが変わり稼働して、中断していた月面での鉱物観測も実施できたという▼他国の着陸地は、着陸目標地点からの誤差が数㎞~十数㎞だったが、「SLIM」は、月を周回する「かぐや」などで得られた詳細な月面の地形データと小惑星探査機「はやぶさ2」などで培った画像照合技術を基に、誤差100m程度のピンポイント着陸に成功したとみられる▼しかし、素人には「はやぶさ2」でサンプル採取に成功した「リュウグウ」の地球からの距離は約3億㎞、月の距離は約38万㎞、約790分の1なのに何故そんなに月着陸が難しいのかと思う▼金星や火星には大気があり、パラシュートを使いゆっくり降りられる。「リュウグウ」のような重力がほとんどない小惑星なら、何もしなくても探査機はゆっくり降下することができるが、月は地球の6分の1の重力があり、大気がないので、エンジンを細かく正確に制御して重力に逆らいながら降下しなければならず、着陸の20分前まで、探査機は月の周りを高速で飛んでいたそうだ。それを100mの範囲に着陸させることは、確かにすごい技術だと思わざるを得ない▼和歌山大学では、探査機に搭載された月面で活動する小型ロボットとの間で通信に成功したとのこと。祝福したい。(南)

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「伊都・橋本」が48回目のスタンディング



 「伊都・橋本連絡会」の第48回スタンディングが1月20日橋本市市脇交差点で行われました。19名が参加して、大軍拡・大増税等あまりにも酷い自公政権からのチェンジを訴えました。  岸田政権は、能登半島地震の対策に全力を傾注しなければならない時に、パーティー券を巡る裏金事件のもみ消しに腐心し、消費税5%に戻せの国民要求を一笑に付し、インボイスや年金・医療・介護等社会保障をはじめあらゆる分野での国民負担を強いてきています。5年間で43兆円の膨大な防衛予算をつぎ込み、世界第3位の軍事大国に突き進んでいます。当然憲法9条改悪の動きも加速しています。平和で安心して暮らせる国づくりのためにこの酷い政治からのチェンジがどうしても必要ですと訴えました。(伊都・橋本連絡会事務局より)

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みなべ「九条の会」143回目のピースアピール



 2月3日、節分の日に、みなべ「九条の会」では143回目のピースアピールを行いました。風は強くなく、日が射すと暖かさを感じる絶好の天候でした。この時期みなべは、観梅のシーズンです。今年は1月から暖かい日が多かったため、すでに梅の花は多く咲いています。アピールを実施した「東吉田交差点」は梅林に近く、普段より多くの他府県ナンバーの車が通り、観光バスも数台通っていました。そのような中、参加した会員で代わる代わる「九条変えるな」「裏金問題徹底追求」「武器輸出反対」をアピールしました。

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軍拡ではなく平和への努力を
軍事対軍事の愚かさ、外交こそ平和実現の道
「九条の会・わかやま」事務局・田畑 安敏


 私が勤務する介護施設で昨年、自民党改憲草案の憲法9条と緊急事態条項をとりあげたDVD視聴学習をしました。和歌山県民主医療機関連合会(和歌山生協病院など医療・介護の事業所が加盟)が、加盟事業所の全職員を対象に取り組んだ憲法学習の一環です。視聴後に提出された感想文(改憲に対する賛否を含む)をみて、私が少し驚いたのは、改憲反対70%、どちらとも言えない30%だったことです。(改憲反対16人、どちらとも言えない7人。昨年8月の113名が受講した和歌山民医連の集計報告でも同様の割合)。
 改憲の危険性を解説した動画視聴直後だから、ほとんどの職員は改憲反対と表明するだろうとの思いがあったから、どちらとも言えないが30%を占めるのに驚いたわけです。しかも、どちらとも言えないと回答した人の大半が、軍備増強や9条改変を危惧する意見を記載しているので、なおさら意外でした。ロシアや北朝鮮、中国などにかかわる報道を脅威に感じて、どうすれば自分たちを守れるかわからないとの思いが「どちらとも言えない」との回答を選択しているということでしょうが、軍備増強や9条改変を危惧する人には、改憲ノーを表明してもらいたいと思わずにいられません。
 ウクライナをみてもガザをみても、いったん戦争になれば多くの命が奪われます。停戦の実現は並大抵でありません。昨年11月、和歌山弁護士会主催で、「戦争を回避するためになにをすべきか」の講演会が開催され、講師の猿田佐世氏(新外交イニシアティブ代表、弁護士)が、いまの日本の政治が軍拡に走る愚かさを説き、外交努力こそ平和を実現する道であることを力説されていました。戦争ができる憲法改変でなく、憲法9条を生かした外交努力こそ平和実現への道、このことを多数の国民の認識にしていけるよう、身近なところから広げていきたい。

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(2024年02月09日入力)
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