「九条の会・わかやま」 504号 発行(2024年3月29日付)

 504号が3月29日付で発行されました。1面は、第117回「ランチタイムデモ」実施、総がかり行動 第100回「19日行動」、九条噺、2面は、みなべ「九条の会」144回目のピースアピール、いま 二つの訴訟の原告として考えること 浅倉むつ子さん(九条の会世話人・早稲田大学名誉教授)、書籍紹介 『憲法入門』法・歴史・社会をつなぐ、【予告】青法協和歌山支部 憲法を考える夕べ(4月26日)・ Happy Birthday 憲法 in Wakayama 2024(5月3日)・ We Love 憲法~五月の風に~(5月18日) です。
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第117回「ランチタイムデモ」実施



 好天に恵まれ絶好のデモ日和となった3月22日、第117回「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)が行われ、50人の市民が参加しました。
 この日のコーラーは赤木俊之弁護士で、「戦争する国絶対反対」「平和な未来を子どもに残そう」などとコールしながら、京橋プロムナードまで先導しました。
 次回以降の日程は4月24日(水)、5月22日(水)、6月24日(月)で、特に6月は記念の10周年デモになります。多くの参加が期待されています。



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総がかり行動 第100回「19日行動」に1300人
戦争する国づくり、改憲策動を止めよう!




 総がかり行動実行委員会は3月19日夜、「とり戻そう!憲法を生かす政治、3・19国会議員会館前」を行い、1300人が参加しました。15年9月19日に安保法制が強行され、それ以降行ってきた19日行動は100回目を迎えました。大軍拡・大増税を押し進め改憲を狙う岸田政権を退場させるため、これからも奮闘していく決意を固め合う行動となりました。日本共産党の田村智子参議院議員、立憲民主党の近藤昭一衆議院議員、社民党の福島瑞穂参議院議員があいさつ。沖縄の風の伊波洋一参議院議員からメッセージ、韓国19日行動からのメッセージが紹介されました。
 総がかり行動実行委員会の藤本泰成共同代表が主催者あいさつ。「15年9月19日の安保法制強行から今日の19日行動で100回目を迎えた。政府は歴史から学ばず、戦争する国づくり、そのための法案づくりを進めている。私たちは、これら政府の策動を止めるためここに立ち続け、がんばっていこう」と訴えました。
 「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会の野平晋作さんは、「沖縄の民意を無視し辺野古埋立ての代執行が強行されたが、戦後、銃剣とブルドーザーで米軍基地が造られたのと同じ強権発動ではないか。たたかいは終わっていない。ともにがんばろう」と訴えました。
 秘密保護法対策弁護団の海渡雄一弁護士は、「経済秘密保護法に反対し廃案を求める。適正評価の対象が今までは公務員が97%であったが、民間に広げる。経済安保の定義はなく、どういうことが秘密か書かれておらず、適用拡大される可能性がある」と問題点を指摘しました。
 総がかり行動実行委員会の菱山南帆子共同代表が行動提起を行いました。
(憲法共同センターNEWS3月21日号より)

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【九条噺】

 自衛隊陸上幕僚副長は今年1月、22人の幹部と靖国神社を集団参拝していた。昨年5月には、海上自衛隊の幹部ら165人も制服姿で靖国神社を集団参拝している▼憲法20条は「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する」とし、個人の参拝は自由だが、同条3項では、「国及びその機関は、…いかなる宗教的活動もしてはならない」としている。自衛隊の靖国神社集団参拝は明らかな「宗教活動」だ。99条の「…公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」にも違反する▼1963年7月の自衛隊の「宗教行為に関する通達」は、「神祠、仏堂その他宗教上の礼拝所に対して部隊参拝を行うことはできない」と明白に禁止している▼「自衛隊員の宗教活動に関する事務次官通達」は、宗教施設への部隊参拝と隊員への参加強制を禁じている。今回の参拝はこれに抵触するものだ▼靖国神社は戦前・戦中、天皇のために戦死した兵士を「英霊」として祀り、国民を侵略戦争に動員する精神的支柱だった。戦後になっても侵略戦争を「正義の戦い」と宣伝する中心的役割を果たしている▼自衛官は、「日本国憲法及び法令を遵守」し「国民の負託にこたえる」服務にあずかる公務員であり、「国民全体の奉仕者であり、国民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚しなければならない」との「倫理規準」を負う者だ。自衛官が靖国神社を公務であるかのように参拝することは、自衛隊のあり方から逸脱することは明白だ。(南)

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みなべ「九条の会」144回目のピースアピール



 みなべ「九条の会」では、3月9日(土)午前10時からオークワみなべ店前で、第144回目のピースアピールを実施しました。風が強く幟ははためき、フェンスにつけたタペストリーは風で膨らんだりといつもとちょっと違う様子でしたが、参加した15名で交代しながら「憲法九条を守りましょう」などとアピールしました。



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いま、二つの訴訟の原告として考えること
2月22日に開催された「緊急院内集会―憲法審査会は、今!」でのスピーチ概要をご紹介します。

浅倉むつ子さん
九条の会世話人
(早稲田大学名誉教授)




 自分が研究している労働法、ジェンダー法では、今「ケア」が重視されている。ケアの反対は暴力でありその象徴が戦争である。いま、社会ではケアに逆行する戦争、暴力という現実が横行している。ところが政府は、その暴力の横行を利用し、口実に改憲を進めている。自分は、そうした暴力に反対しケア社会を作るために努力しており、二つの訴訟にも関わっている。
 一つは、政府が長年堅持してきた集団的自衛権行使はしないという解釈を改変し、それを法制化した安保法制に対する違憲訴訟。これは全国22の裁判所に、25件起こされているが、その一つで、「安保法制違憲訴訟・女の会」が提訴した裁判である。そこでは、女性の立場から、安全保障におけるジェンダー主流化を蔑ろにした安保法制の違憲を告発している。
 もう一つの訴訟は、菅内閣の時に行われた、学術会議会員の任命拒否に関わって、任命を拒否された6名と、多数の法律家が求めた、任命拒否に至る情報開示請求に対する不開示決定の取り消しを求める裁判である。この任命拒否も、政府に耳の痛い勧告をおこなってきた学術会議の変質を狙ったものであり、今の政府の動きと軌を一にするものだ。
 この二つの訴訟に関わり、改めて感じるのは、いま、戦争を回避するための市民の力が試されていることだ。軍事的なるもの、暴力や差別に対抗して、反暴力の姿勢を貫きたい。戦争は始まったらやめられない、だからこそ、戦争を始める準備をしてはならない。

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書籍紹介 『憲法入門』 法・歴史・社会をつなぐ



 「難しい」「関係ない」と敬遠されがちな憲法だが、公務員試験や教員採用試験では必須科目。日本に生きる一市民として知っておいても損はない。法学部でない大学生にもわかりやすく、社会に生きる憲法の姿を歴史をふまえ解説。
【目次】
⓪憲法とは何か、憲法史
①人権総論
②幸福追求権
③法の下の平等
④思想・良心の自由
⑤信教の自由
⑥表現の自由
⑦学問の自由
⑧経済的自由
⑨人身の自由
⑩国務請求権・参政権
⑪生存権
⑫教育を受ける権利
⑬労働者の権利
⑭天皇
⑮平和主義
⑯国会
⑰内閣
⑱司法
⑲財政
⑳地方自治
㉑憲法の改正、憲法の保障
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著者:清水雅彦(日体大教授、九条の会世話人)
判型:A5判 272ページ
定価:2400円+税
発売:2024年3月21日
発行:㈱大月書店 電話 03-3813-4651
         FAX 03-3813-4656

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【予告】

青年法律家協会和歌山支部
憲法を考える夕べ

4月26日(金)午後5時30分開場 6時~
和歌山城ホール・小ホール
講師/西谷文和さん
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Happy Birthday 憲法 in Wakayama 2024
5月3日(金)10時~15時
和歌山城西の丸広場
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憲法九条を守るわかやま県民の会
We Love 憲法 ~五月の風に~

5月18日(土)午後1時開場 1時30分~
プラザホープ
講師/前泊博盛さん(沖縄国際大学大学院教授)

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(2024年03月28日入力)
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