「九条の会・わかやま」 506号 発行(2024年5月7日付)

 506号が5月7日付で発行されました。1面は、青法協憲法記念行事「憲法を考える夕べ」開催 西谷文和氏が講演、第118回「ランチタイムデモ」実施、九条噺、2面は、東京「5・3憲法大集会」に3万2千人、「HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama」が5年ぶりに再開、憲法記念日に街宣とチラシ折り込み みなべ「九条の会」 です。
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青法協憲法記念行事「憲法を考える夕べ」開催
西谷文和氏が講演




 4月26日、和歌山城ホールで「青法協憲法記念行事『憲法を考える夕べ』」が開催され、フリージャーナリスト西谷文和氏が「紛争地から見た憲法9条 ウクライナ、ガザ、アフガン そして関西の今」と題して講演をされました。
 氏が訪れた紛争地ウクライナ、ガザ周辺の実況動画を上映しながら、「破壊と苦痛をもたらす紛争を無くしたい。そのためには、敵か味方かでなく第三の道もある」と強調。例えば中村哲さんが水路で荒地を農地に変えて、兵士にならなくても生きられるようにした活動、戦争をしない憲法9条の価値を示されました。続いて、なぜ戦争が始まるかについて「一握りの富豪は株で稼いでいるが軍需産業の株が多い。軍需産業は戦争で潤う。その戦争はすべてメディアを通じた『広告(言いふらし)』をきっかけに始まる。国民はそれの嘘(フェイク)を見抜く目が必要だ」と指摘。フェイクに関って、危険性は無いと嘘をついてカジノ・万博を強行する大阪、裏金問題で揺れる和歌山をあげ、風刺まじりに強烈に批判されました。最後に、イスラエルのネタニヤフ極右政権が続いているからガザの悲劇が起きているとして「みんなが選挙に行かなければ変わらない」「今こそ立憲野党と市民の共闘で政権交代を」と締め括られました。
 動画の内容から要所を簡単に紹介します。
 23年10月ウクライナ。南部の激戦地ヘルソンはロシアの砲爆撃と上流ダム爆破による水没で市場や公共機関をはじめ町が破壊された。東部リビウの病院でリハビリに励む負傷兵は戦線復帰する意思を語るが、戦線が膠着し長期化する中、戦死と2倍の戦傷も増え続ける。
 24年3月イスラエル。第3次中東戦争で聖地エルサレムをイスラエルが東西に分割した。東のアラブ人地域はイスラエル兵士の検問と交通規制だらけ、西のユダヤ人地域は平和だが、そこでも毎週反戦集会で数十名が「ガザの人々も人間」「戦争反対」を掲げる。さらに、ユダヤ人中間層がテルアビブやエルサレムで「人質解放」「ネタニヤフ退陣、総選挙」を求めデモ、3月20日には10万人に。これまで選挙に行かなかった中間層の動きが期待される。
 22年アフガニスタン。中村哲医師の暗殺現場を訪問。タリバン政権は中村さんの肖像画を消させたが、人々は中村さんを慕っていて商店の屋号などに「ナカムラ」が見られる。暗殺の目撃者は「アフガン人なら中村さんに感謝している。犯人は外国人だろう」と語る。
 内容豊富な映像やスライドとコメントから多くを学べた講演でした。(柏原)

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第118回「ランチタイムデモ」実施



 小雨模様の傘マークが並んでいた4月24日、何とかデモの間は雨が降らず、曇天の下でしたが、無事118回「憲法の破壊を許さないランチタイムデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)が行われ、40人の市民が参加しました。
 この日のコーラーは由良登信弁護士で、「憲法生かそう、暮らしに生かそう」「軍事費倍増絶対反対」「憲法9条変えたらあかん!」とコールしながら、京橋プロムナードまで先導しました。
 次回以降は、5月22日(水)、6月24日(月)です。とりわけ第120回の6月24日は、2014年6月23日に第1回を行った(参加者160人)ランチタイムデモの記念すべき「10周年記念デモ」となります。
「めざせ120人!」「めざせ160人!」を合い言葉に、周りに声をかけ、ふるってご参加くださいと主催者は訴えています。



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【九条噺】

 フィンランドに続きスウェーデンがNATO(北大西洋条約機構)に加盟した。NATOは、第2次大戦後の49年に米国・カナダ・欧州の12カ国で結成した軍事同盟。一加盟国への武力攻撃を全加盟国への攻撃とみなす集団的自衛権行使を規定する▼ソ連は55年、東ドイツなど8カ国でワルシャワ条約機構を発足させたが、「ハンガリー事件」「プラハの春」などが起り、冷戦終結に伴い91年に解体した▼NATOはその後、東欧諸国も加盟し、現在32カ国となっている(欧州非加盟国は、スイス、オーストリア、アイルランド等)▼スウェーデンは200年以上「中立・非同盟」を外交の基軸とし、他国との交戦を避けてきた。転換点となったのはロシアのウクライナ侵略だ。スウェーデンは北欧随一の「軍事強国」と言われる。精密誘導爆弾搭載戦闘機や水深の浅いバルト海に対応できる潜水艦も保有する▼ウクライナも加盟を希望しているが、戦闘中の国が加盟すればNATOとロシアの直接的な衝突に発展しかねないとNATOは否定的姿勢を見せている。問題解決は、ロシアの侵略を国際法違反と非難するのは当然として、即時・無条件・完全撤退をロシアに求めた圧倒的な国連総会決議を世界にもっともっと大きく広げることだ▼NATOがロシアに力で対抗することは、軍事対軍事の悪循環を一層深刻化させる。憲法9条を持つ日本が他国を軍事支援する枠組みに参加すること自体許されない。日本は非軍事の徹底が必要だ。(南)

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東京「5・3憲法大集会」に3万2千人



 日本国憲法の施行から77年となった憲法記念日の3日、岸田政権が敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や自衛隊と在日米軍の連携強化を進め、憲法が掲げる平和主義が揺らぐ中、護憲派グループは東京都江東区の有明防災公園で大規模集会を開催。3万2000人(主催者発表)が参加し、「戦争をさせない決意を新たにしなければならない」と訴えた。
 晴れ渡り、汗ばむ陽気となった昼前、有明の公園に続々と人が集まった。集会は、2015年に横浜市の臨港パークで安保法制反対などを訴えたのを皮切りに、10回目の節目となる。
 初めて訪れた江東区に住む会社員伊藤優さんは参加者の多さに驚いた。「憲法は、国家権力の失敗を繰り返さないためにある」という木村草太・東京都立大教授の言葉に心を動かされ、関心を持ったという。
 会場には、高校生たちの姿もあった。核兵器廃絶と平和な世界を目指して署名を集める「高校生1万人署名活動」のブースには、東京都三鷹市の高校1年、勝間田夏希さん。「戦争の悲劇を繰り返さないために、9条は改正してはいけないと思う。若いからこそのパワーで周りの人たちに伝えていきたい」と笑顔を見せた。(東京新聞より)

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「HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama」が5年ぶりに再開
憲法の誕生日をみんなで楽しく祝う












 絶好の好天に恵まれた5月3日、和歌山城西の丸広場で「HAPPY BIRTHDAY 憲法in wakayama」が開催されました。憲法記念日に「憲法」について思いをめぐらすきっかけとしたいと、2014年より開催されてきましたが、2020年が新型コロナ感染症の蔓延で中止のやむなきとなり、再開ができていませんでした。この度、5年ぶりに再開となったものです。
 当日は子ども連れや若者から高齢者まで多数の人が参加して、ステージの演目を楽しみ、飲食ブースや体験コーナーを訪れて、楽しい時間を過ごしました。
 開会宣言で実行委員会代表の芝野友樹弁護士が「再開できてうれしい。楽しく憲法の誕生日を祝おう」と挨拶。
 ステージでは、和歌山高等学校総合音楽部「バンド演奏」、和歌山朝鮮初中級学校「民族音楽演奏」、「ハワイアンフラ」、ぴょんぴょん亭うさぎ(高校生)「落語」、Miya & Kumi「独唱とピアノ伴奏」、けん玉パフォーマンス、紀道「創作ダンス」、Crowfield「バンド演奏」など様々な演目が披露され、聴衆は音楽に合わせて体を動かしたり、演技に感嘆したりして楽しんでいました。(柏原)

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憲法記念日に街宣とチラシ折り込み
みなべ「九条の会」




 みなべ「九条の会」では、毎年5月3日の憲法記念日には宣伝カーによる街頭宣伝と憲法9条への思いを載せたチラシを作成し、町内に配られる各新聞に折り込みを続けています。
 街頭宣伝は、午前中は旧南部川、午後からは旧南部で行いました。南部の鹿島神社では5月3日は明神祭といって、南部湾の鹿島に鎮座する大明神に感謝する春のお祭りがあります。今年は露天も出て、神社周辺は多くの人で賑わっていました。その近くでもしばらく宣伝をしました。多くの子どもたちが、手も振ってくれました。

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(2024年05月06日入力)
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