熱帯魚を飼う前に
管理人が熱帯魚を飼うことになったきっかけは、ホームセンターで売られていた小瓶に入ったコッピーという魚でした。
その場では購入せずに、家に帰って調べてみるとコッピーとはアカヒレという熱帯魚だったのです。
アカヒレは確かに低温に強く、熱帯魚の中では丈夫なほうですが、あんな小さな密閉された瓶の中で快適なはずがありません。
販売するまでの短期間は生存できても、長く生きる事はきっとできないでしょう。
また管理人は見た事がないですが、ゲームセンターで同じような瓶詰めの小型フグを景品にしたUFOキャッチャーがあるそうです。
悲しいですね。きっとたくさんのフグたちが、命を落としているに違いありません。
熱帯魚に限らず、「生き物を飼う」と決めたら、その命を大切に一生面倒を見て行く決心をしてください。
必要な道具
水槽:当たり前ですが、これがなくては飼育できません。
大きく分けてガラス製とアクリル製があります。(他にもあるかも)
角が曲げ加工をしてある物、縁の有無色々あります。
60cm水槽という規格が標準だそうで、この水槽に対応した器具は比較的安価です。
管理人が最初に購入したコトブキのダックスC60水槽5点セットです。
前面コーナー曲げガラスのフレームレス水槽です。
セット内容:水槽、ライト、フィルター、リフトスタンド、ガラスブタ
寸法(mm):W610×D200×H230(26L)
メーカー:コトブキ工芸
ライトとフィルターは良いものに買い替えました。
水槽台:専用キャビネット以外でも対応できますが、水の入った水槽はかなりの重量になります。重量に充分対応できる台を用意しましょう。お洒落な水槽台にこだわると、素敵なインテリアになります。
ヒーター:水温を快適温度にする為に必要です。
サーモスタット内蔵の一体型と別のものがあります。
一体型は約26℃に自動調節してくれます。別型は任意の温度に設定できるので病気の時高温設定にすることができる反面設定ミスによる事故に注意が必要です。
水槽サイズに合わせて選びます。
管理人は夏場は外しています。
水温計:水温を計るために絶対必要です。
小型水槽にも邪魔にならない小さなサイズもあります。
管理人が思うに、商品によってかなり誤差があるような気がします。
管理人仕様。適正温度がわかりやすい。スリムでおしゃれ超ミニサイズ
フィルター:水をろ過するための装置です。水槽の容量にあわせて選べるようになっていますが、アベニーパファーは水を汚しやすいので、1ランク上のスペックが望ましいです。
投げ込み式・外掛け・上部・底面・外部・オーバーフローなどがあります。
併用することでろ過力をアップすることもできます。
投げ込み式外掛けフィルター上部フィルター
照明:色々な照明器具があります。水槽サイズに合わせて選べます。
水槽の上に乗せるタイプやクリップタイプ、つり下げタイプなど形状も機能も様々です。
水草を育てる為には明るい光が必要です。
上置きタイプクリップタイプつり下げタイプ
←管理人が使っているのはこれ。
明るくてお洒落です。
メーカー:アクアシステム
優れたデザイン性と、大光量を実現した人気のクリップ式本格照明。
底砂:水槽の底に敷きます。細かい砂状の物、砂利状のもの、色も様々です。アベニーパファーは中性域で生活しますので、極端にアルカリ性・酸性に傾ける作用のある底砂はやめましょう。
一般的に水草を育てるには、ソイルが向いていると言われていますが、ソイルは崩れてくるので、底面の清掃がやりにくいです。
管理人は砂利→川砂→セラミック系に落ち着きました。
底砂がなくても飼育はできます。汚れが取りやすくて良いです。
底砂を敷いていない状態の水槽を「ベアタンク」と言います。
砂利川砂系セラミック系ソイル
水草:アベニーパファーが隠れたり、葉っぱの上で寝たりします。
その姿はとってもかわいいですよ。
人工のレイアウトグッズもありますが、管理人は使っていません。
天然の水草は苔が出たり枯れたり手間がかかりますが、自然感を演出するにはあった方が良いと思います。
水草を本気で育てようと思うと、高光量・CO2の添加が必要になってきます。
←おすすめの水草 アヌビアス・ナナ
普通の光量、CO2添加無しで丈夫に育ちます。
成長が遅いので苔がつきやすいのが難点。
アベニーパファーが葉っぱに乗って寝ている姿はとっても可愛いです。
人工の水草いろいろ
流木:天然のものと、人工のものがあります。
絶対に必要というわけではありませんが、隠れる場所を作るために使っています。
天然の流木は同じ形状のものがふたつと無いので、レイアウトにこだわりたい方にはおすすめです。
ウィローモスを巻き付けるとより自然感が出ます。
天然の流木は灰汁(アク)が出て水が茶色になることがあるので、充分に灰汁抜きをしてから使いましょう。
灰汁が出てもアベニーパファーの健康には影響ありません。
フィルターに活性炭を入れると黄ばみを吸着してくれます。
人工流木天然流木ウィローモス付き高機能活性炭
その他のレイアウトグッズ:人工のシェルターはかわいい製品がたくさん出ています。好みのものを選んでレイアウトしてみると楽しいです。
素焼きのシェルタークリアなシェルター
うちで使ってみましたが、クリアの方は不評でした。
アベニーは些細なことで驚くので、びっくりして逃げ出そうとした時にシェルターが見えなくて、ぶつかりまくっていました。危険です…。
カルキ抜きなどの調整剤:水道水には熱帯魚に害のある成分が含まれています。それを無害化する為に必ず使用してください。
他にも、ビタミン補給や、ストレス軽減などいろいろな機能を持った添加剤が市販されています。必要に応じて使いましょう。
←これを使うようになってから
お魚が病気にならなくなりました。
- 【ジクラウォーターの効果(メーカー記載)】
- ・バクテリアを活性化させます。
- ・飼育水の透明感が良くなりイヤな臭いを抑えます。
- ・腸内細菌を活性化し消化吸収を助けます。
- ・カルキ(塩素)を安全に中和します。
- ・水換え頻度が少なくなります。
餌:これがないと可哀想なことになります。
餌のコーナーで詳しく説明しています。
バケツ:水換えの時にカルキ抜きを入れたり、温度を調節したりするのに使います。その他いろいろ、必須アイテム!
管理人は10リットル×1個と8リットル×2個と4リットル×1個を使っています。
水換え以外に、流木の灰汁抜きや底砂洗いなどよく使いますので、複数あったほうが便利です。
4〜5リットルのサイズなら100均でも入手できます。
10リットルバケツ手桶も便利です便利な水換えセット
網:水面に浮いたゴミをすくったり、魚やエビをすくったり、これも必須アイテムです。
スポイト:餌をあげたり、食べ残しの餌を取り除いたり、底の落ちているゴミをとったりします。
ピンセット:管理人は給餌はスポイト派ですが、ピンセット派の人もいます。ピンセットから餌を食べてくれる姿は可愛いです。
餌
アベニーパファーは生き餌・冷凍赤虫・巻貝・甲殻類が大好きです。
うちのアベニーたちは冷凍赤虫が大好きで、生きたイトメには見向きもしませんでした。
個体や育った環境によって、かなり嗜好が違うようです。
冷凍赤虫ミニクリル乾燥アカムシ
アベニーに関する本を見ていると、【ミニクリル(エビ)】や【乾燥赤虫】も食べると書かれていますが、うちのアベニー達はつつくだけで食べません。
赤虫を全くあげなければ、しかたなく食べるかもしれませんが、
胃袋が無く痩せやすいアベニーには怖くて試せません。
アベニーは一度痩せてしまうと、回復するのが大変なのです。
好きな物を食べてもらうのが一番でしょう。
また貝(スネール)が大好物なので、水草水槽に発生するスネールの駆除にも活躍してくれます。
スネールの仲間:ものすごい繁殖力で増えます。
管理人は増えすぎたレッドラムズホーンをおやつにあげることがあります。
瓶に適当な水草と一緒に入れておくと、どんどん増えます。
環境
アベニーパファーは水質にはうるさくなく、中性域であれば問題ありません。
水温は24℃〜28℃で、比較的高温にも強いです。
管理人宅では夏場30℃になることもありますが、元気です。
ただ30℃オーバーはさすがにまずいと思いますので、水槽用ファンを使っています。
水槽用クーラーは高くて手が出ない(泣)
水槽用冷却ファン
夏場の必須アイテム。水槽用の冷却ファンです。
気化熱を利用して水温を3℃程度下げることができます。
使用中は水が蒸発するので、足し水が必要です。
一度扇風機で代用したら、ものすごく水位が下がってビックリしました。
もう少し音が静かだといいんですけど…気になる人にはうるさいかも。
水槽が多い人は人間用のクーラーの方が結局確実かもしれません。
うちは人間用を短時間とファンとの併用です。
急激に温度が変わらないように注意しましょう。
飼い方
ここで説明する方法は、あくまでも管理人の経験だけに基づいた情報です。
同じ方法を試してお魚が死んでしまうようなことがあっても、管理人は責任とれません。
飼育書を読むなどして、基本的な知識をもった上で飼う事をおすすめします。
アベニーパファーを飼うには、事前準備が大切です。
- 道具・スペースを準備する。(頑張れば1日でできます)
- 水を作る。(最短でも1週間〜10日ぐらい)
- アベニーパファーをつれてくる。(いよいよ!です)
アベニーパファーに限らず、熱帯魚に一番大切なのは水です。
水槽にカルキを抜いた水を入れて、フィルター、ヒーターなどをセットしてすぐに飼育できるわけではありません。
まずは熱帯魚を飼える水を作らなければなりません。2.のステップが重要なのです。
「熱帯魚が飼える水」とは「排泄物や残り餌を分解してくれるバクテリアが充分いる水」のことです。
バクテリアと聞くと「なんか汚そう…」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
ヨーグルトにも菌が入っていますよね?きっとそんな感じです。
詳しい事はわかりません、責めないでください。(笑)
とにかく、排泄物や残り餌はやがて亜硝酸とかアンモニアとかいう熱帯魚に有害な物質に変わります。
それを分解して無害化してくれるのがバクテリアなんです。
目には見えないけどすごい存在なんですね。(冗談です)
とってもお世話になっているので「バクテリアさん」とか「バクテリア様」と呼んだほうがいいかもしれません。
前置きが長くなりましたが、具体的にどうすればいいか説明します。
水を作る。
- 水槽を安全な台に置いて、底砂・レイアウト用品・カルキを抜いた水を入れ、フィルター・照明・ヒーターなど必要器具をセットします。
- 魚の餌を少し入れ、フィルターを回したまま3日ほど放置します。(餌のかわりに牛肉片を入れる方法もあるようですが、管理人はやったことがありません)
- プラティやアカヒレなど丈夫な熱帯魚を数匹入れます。この魚達はパイロットフィッシュと言って、排泄物を出してバクテリアを増やす役割をしてくれます。熱帯魚にとって過酷な環境に入ってもらうので、丈夫な熱帯魚を選ぶわけです。
- 一週間ほどすれば、フィルターのろ材にバクテリアがついてくれるはずなので、そこで本命のアベニーパファーを入れます。
アベニーパファーを選ぶ。
アベニーパファーは通販でも売っていますが管理人はできるだけショップで購入するようにしています。
熱帯魚は販売時の状態が後の健康に大きく左右されるので、できるだけ自分の目でチェックしましょう。
もちろん通販でも安心して購入できるショップはたくさんあります。
ちなみに管理人が買ったことのあるショップは、ホームセンター併設の総合ペットショップと熱帯魚専門店です。
ホームセンターは店員さんがすくいましたが(当たり前)、専門店では自分で選ばせてくれました。(しかも網ですくうのも自分!緊張した〜)
買う時のポイントですが…
入荷したてのものは長旅で弱っているかもしれません。
管理人は入荷してから一週間以上たってから購入するようにしています。
店員さんにいつ入荷したのか聞いてみるといいですよ。(勇気をだして!)
もし個体を選ぶことができるなら、丸々とふとって健康そうなのを選びましょう。
アベニーパファーは拒食症になる魚です。一度痩せてしまうと回復がたいへんなので、痩せている個体は選ばないように!
その他に病気になっていないか、いじめられてヒレがボロボロになっていないかチェックします。
よほど小さな幼魚でなければ、雌雄の判別も難しくありませんので店員さんに好みを伝えましょう。(もし店員さんが雌雄わからなかったら…そんなこともあるかも知れません。)
店員さんにすくってもらった後は、自分の目でチェックを忘れずに。
アベニーパファーを水槽に入れる
買って来たお魚は、いきなり水槽に泳がすことはできません。
ショップの水と家の水槽の水の「温度」と「pH(ペーハー)」を合わます。
これをしないとお魚はショックで死んでしまうことがあります。
人間がTシャツ一枚で真夏の沖縄から真冬のシベリアにいったら…そんな感じです。
除々に慣らすことで違う水質に適応してもらうのです。
この作業を「水合わせ」と言います。