車ならあっという間に着いてしまう昇仙峡だが自転車で行けば少々難儀な道中である。以前昇仙峡に出かけた際に目にした弥三郎岳に仙娥滝上から登ってみることにした。
■入山経路 甲府自宅〜県道7号〜昇仙峡グリーンライン〜仙娥滝上〜橋本屋駐車場弥三郎岳登山道入り口
■山域 山梨県・奥秩父
■メンバー 単独
■天候 晴れ
7:42 自宅発。
8:21 花園病院から始まる急な九十九坂。上に人家が見えれば千代田湖はすぐ。
8:26 千代田湖にあがれば緩いアップダウンがしばらく続く。
8:30 千代田小学校の先でグリーンラインと昇仙峡ラインが分岐する。右へ。
トンネルをいくつかくぐる。
8:45 県営駐車場でトイレ休憩。ここからは弥三郎岳とこれから辿る登山コースが見渡せる。
9:02 最後のトンネルを抜けたら仙娥滝の表示で橋を渡って土産物店街に入る。上が弥三郎岳に至る尾根だ。
9:03 ガイドブックに記された登山口はこれ。何も表示なし。看板脇の電柱の横から急な藪斜面をフェンスに向かって登る。通行人から見れば異常な人間にしか見えないだろう。
道路を進んで駐車場の奥から地図上の登山道位置へ行ってみる。上は長田円右衛門の墓所。
墓の手前に踏み跡があるが道路と平行にトラバースしている。どう見ても橋本屋の上につながっていそうなので戻る。地図上の道は沢をつめているがそんな踏み跡はどこにも無かった。
みやげ物屋の店主に聞いたら橋本屋の電柱の横という答えが返ってきた。
9:22 気を取り直して登山準備。電柱横から取りついて、フェンスをくぐって藪の急斜面を掻き登る。薄い踏み跡がある。
10mほどで岩屋にぶち当たるのでビンディングシューズと自転車携行品をデポして右へ向う。
ちなみに左は岩穴に通じる踏み跡でこれを伝うと仙ヶ滝の遊歩道に降りてしまう。
出だしは怪しげだったがフェンスを支えるロープを数本またぐとはっきりした踏み跡になる。すぐに左折して上に向う。(そのまま行くと道路と平行に進む踏み跡にはいってしまう)
9:38 しばらく登ると展望が開けて仙ヶ滝の落ち口が見下ろせる。
基本尾根の背のすぐ右側をからむが時々尾根上に出て展望が得られる。左側は花崗岩のスラブで高度感がある。目前に覚円峰。
9:43 尾根上の目立つ岩。裏に廻ると落下防止の鉄杭がたくさん打たれていた。
9:50 これも目立つ、モモ太郎岩と勝手に命名。
9:52 風化した花崗岩の白砂の平坦地に出る。
10:07 藪多め、マーキング少ない。ほとんど歩かれていないようだ。朽ちたハシゴやさびた針金が出てきて、たどっているのが登山道であることを確認する。
展望台は多い。
10:17 弥三郎本峰の上りに入る手前は尾根の左側面をたどる。このあたり境界標石が埋まっていて釣られるが右上へ浅い沢状斜面を登る分岐に注意する。(黄色テープ増設)
道なりに進むと旧道に入ってしまうが難路だ。(行けないことは無い。展望地を経て花崗岩の岩屋を2箇所通過し、最後は鎖場を上がって弥三郎権現の下に出る) 写真は展望地から弥三郎本峰。展望地は新道と下の旧道にもあって見える景色はほとんど同じ。
新道を登り、ピークを巻いて尾根の背を進むと三叉路になる。通行止め表示木をまたいで弥三郎岳山頂は右へ10分の距離。(9月29日の行き先表示板設置後の写真)
10:29 ちなみに通行止め表示木の三叉路から踏み跡を南へ行くと岩棚に奉られた古い祠で行き止まりになる。後でわかったがこれが弥三郎権現の本尊であった。
祠の南側は切れ落ちている。右にトラバースバンドが続いているが先に登山道は存在しない、進むと危険。
三叉路から踏み跡を北へ向かう。この道は神社道というらしい。
10:35 踏み跡をたどり続けると突然ロープウェイからの遊歩道に合流する。
階段、手すりが完備された道。
岩に刻まれた足場を上がる。
10:37 さらに階段を登れば頂上。花崗岩と松がいい感じ。多くの人が勘違いしているが、岩陰にある安っぽい小社は弥三郎権現ではない。ここは頂上の西面であり、本物は小看板の説明の通り、南面の絶壁に尊置されている古い祠である。
10:39 羅漢寺山の最高峰、弥三郎岳の頂上からは360度の展望。三角点はあったが山梨百名山の標柱はここには無かった。
*ロープウェイ山頂駅の近くにあるらしい。
パノラマ台へ向う道。
10:52 パノラマ台手前の展望台と呼ばれるピークで引き返す。
ロープウェイ山頂駅の喧騒が聞こえてくる。
10:56 遊歩道から踏み跡に戻る。古い階段が入り口を塞ぐ。”非常に危険要注意”と書かれた表示板があっていい目印になる。
11:21 遊歩道から数分で(この時は弥三郎権現を往復しているので時間がかかっている)三叉路になる。通行止め標示木をまたいで下へ向う。尾根の背を下る地形で下り重要地点。
あとは踏み跡を探索しながら来た道を忠実にたどるが、下り方向に欲しい場所にマーキングが無くて降り口を探す事しばしば。要所に赤テープのマーキング(後日反射率の高い黄色テープ設置)してナタで枝払いしながら下る。
12:05 道路が近づいて、影絵美術館と青雲荘が真下に見えるあたりでワイヤーロープの道を右折する。左方向にもワイヤーロープと薄い踏み跡がある。
右にフェンスを支えるワイヤーロープを数本またぐ(くぐる)。テープあり。
12:13 岩屋でシューズと携行品を回収して自転車デポ到着。道路はロープウェイ駅から仙ヶ滝に向う観光客で一杯。上高地並み。
13:05 自宅着。和田峠からの下りはスピード注意、何回か後輪がスリップして曲がり切れずに対向車線へ飛び出してしまった。
後記
ガイドブックのグレードのつけ方がおかしい。かなり玄人向けの難路だ。WEBにも殆ど紀行文が載っていない。そもそも登り口がすごい。一般人は見ただけで引いてしまうだろう。地図上の登山道と実際がこうも合っていないのは珍しい。藪に引っかけてカメラと時計を落失。カメラは戻って回収できたが時計は見つからなかった。
*)道路の上、フェンスをくぐる個所は2015年時点でホールドになる小潅木が抜け、下降が困難になった。作業道(踏み跡不明瞭)をフェンス先で降りるか、岩穴トンネルを抜け(出口は階段状で登下降は容易)仙ヶ滝の遊歩道へ降りることができる。
DATA
山域 | 奥秩父・御岳昇仙峡 | 所在地 | 山梨県 | 日時 | 2010年9月25日 | メンバー | 単独 | 主要装備 | 16Lポケッタブルザック、イノヴェ8、4DM半袖、サイクルニッカー、ウィンドブレーカー上下、0.6L水筒、MTB、保温用衣類(アームカバー、長袖下着) | 天候 | 晴れ | コース | 甲府自宅-山の手通り-昇仙峡グリーンライン-千代田湖-仙娥滝上-橋本屋駐車場-弥三郎岳-パノラマ台-往路下山-橋本屋駐車場-昇仙峡グリーンライン-自宅 |
所要時間)
自転車往路(自宅〜登山口)=1:21
自転車復路(登山口〜自宅)=0:52
登山往路(仙娥滝登山口〜弥三郎権現〜弥三郎岳)=1:17(枝払い、旧道探索含む)
登山復路(弥三郎岳〜展望台往復〜弥三郎権現往復〜仙娥滝登山口)=1:34(マーキング、旧道探索含む)
自転車標高差)
468m
登山標高差/累積標高差)
365m/475m
コース概要)
自転車走路/走路断面(片道)
登山コース
トラッキングは手書き。
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