「九条の会・わかやま」 490号 発行(2023年9月18日付)

 490号が9月18日付で発行されました。1面は、「憲法9条を守る交流集会・和歌山」の開催概要、「前川喜平さん講演会」に220人参加 憲法9条を守る伊都・橋本連絡会、九条噺、2面は、戦闘機輸出ルールの緩和は、国際紛争への荷担にほかならない〈柳沢協二さんのウオッチ安全保障〉、みなべ「九条の会」139回目のピースアピール、【予告】第20回「憲法フェスタ」 守ろう9条 紀の川 市民の会 11月11日(土) 河北コミュニティセンター  です。
    ――――――――――――――――――――――――――――――
[本文から]

「憲法9条を守る交流集会・和歌山」の開催概要

憲法9条を守る交流集会実行委員会構成団体
憲法9条を守る和歌山弁護士の会、九条の会・わかやま、憲法九条を守るわかやま県民の会、守ろう9条 紀の川 市民の会、九条の会・かつらぎ、田辺9条の会、みなべ「九条の会」、和歌山市ひがし9条の会、和歌山障害者・患者九条の会、和歌山憲法会議、和歌山県平和委員会、和歌山県地方労働組合評議会、和歌山県平和フォーラム、市民連合わかやま
(23年9月15日現在)

交流集会の趣旨
 和歌山県下の憲法9条を守る運動の交流集会開催から10年が経過しました。この10年間、14年に集団的自衛権行使を一部容認する閣議決定が行われ、15年には安全保障関連法が強行採決され、17年には安倍首相が「憲法9条に自衛隊を明記する」改憲を主張、岸田首相は昨年12月に「安保関連3文書」を閣議決定、「敵基地攻撃能力」を保有、台湾有事に日米協力で軍事的対応をする方針を明らかにし、5年間で43兆円の防衛予算を組もうとし、来年9月までの改憲に強い意欲を示しています。  「九条の会」は今年8月3日に「市民の総決起の秋を創ろう」との声明を出し、10月5日に東京で大集会を開催し、11月には全国各地で創意を凝らした行動を呼びかけました。
 そこで、日本が再び戦争をしないために、和歌山県下で9条を守る運動に立ち上がり、活動を続けられておられる皆さんが一堂に会し、現在の9条をめぐる情勢を確認し合い、取り組んでいる運動の情報交換を行い、運動を強化し、決意を新たにする場を設けることにしたものです。

---------------------------------------

【開催日時】2023年10月28日(土)午後2時~4時
【場  所】和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4階ホール
      和歌山市北出島1-5-47 TEL:073-425-3335
【集会の内容】
(1)憲法9条をめぐる現在の状況についての報告(九条の会事務局長・小森陽一氏・録画)
(2)各団体の活動報告と今後の活動計画・決意
(3)集会決議
※県下各会には事務局から別途案内が発送されます。
【連絡先】和歌山合同法律事務所  TEL:073-433-2241
   FAX:073-433-2767 メール:shukai2023@article9.main.jp

    -------------------------------------------------------------------

「前川喜平さん講演会」に220人参加
憲法9条を守る伊都・橋本連絡会




 8月20日、橋本市高野口町で「憲法9条を守る伊都・橋本連絡会」主催の、「憲法・教育の今と日本の未来」という演題で「前川喜平さん講演会」を開催し、伊都郡内外の広い地域から220名が参加しました。開会挨拶には中田眞一共同代表が、講師紹介と来賓挨拶に市民連合・わかやま共同代表、元和歌山大学副学長の堀内秀雄氏が立ちました。
 前川氏の講演は、予定時間を50分オーバーして2時間20分に及びましたが、参加者全員、時折ユーモアを交えた前川氏の話に魅了されました。
 自民党と旧統一協会との深い癒着問題、産軍学複合体をもくろむ日本学術会議への強行介入、「半グレ集団だ」とする日本維新の会への評価、道徳教育の教科を基軸に教育勅語の甦りを目指す教育政策、大軍拡大増税の時代が始まり、危機に瀕している9条を中心とした日本国憲法と台湾有事。自民党政治は、要するに我が国を貧しくさせる富国強兵政策だ、その背景に日本会議・神社庁・旧統一協会があると告発、こんな「安倍背後霊政治」を市民の手で早く止めなければならないときっぱりと強調されました。閉会挨拶は富岡嬉子・事務局長が行いました。
 「前川喜平さん講演会」を取り組む中で、課題もより明らかになりましたが、住民の皆さんとの間でいくつもの新しい感動的な連帯が生まれるなど、私たちの今後の活動に力強い展望を与えていただきました。
 カンパを始めご支援頂いた皆さんに厚くお礼申し上げます。
(「九条の会・かつらぎ」植西祥司さんより)



    -------------------------------------------------------------------

【九条噺】

 ラグビーワールドカップ・フランス大会が始まった。日本はプールDで予選を戦う。9月10日のチリ戦は、日本が42対12で勝利した▼プールDは5チームで、持ちポイントと世界ランクは、アルゼンチン(80.86、6位)、イングランド(79.95、8位)、サモア(76.19、12位)、日本(73.29、14位)、チリ(60.49、22位)と日本は4位だ。ちなみに現状のトップ5は、1位アイルランド、2位南アフリカ、3位フランス、4位ニュージーランド、5位スコットランドだ▼この持ちポイントは、協会加盟国同士のテストマッチや国際大会で互いにポイントを奪い合う、勝てば+1P、負ければ△1Pとし、それを集計したものだそうだ▼2019年の日本大会は様々なドラマが生まれた。国歌・代表歌を歌う時にマスコットキッズがその国の歌を歌ったのを始め、スタンドでも日本人が他国の歌を歌って応援した▼ラグビーはサポーターがスタンドで入り交じって応援し、試合が終れば互いに健闘を讃え合うノーサイドという光景も多く見られた。豪雨で試合が中止になったカナダは釜石で泥かきボランティアまで行った。カナダ主将は帰国の成田空港で「多くの日本人が『昨日釜石で協力してくれてありがとう』と言ってくれた。どのくらいアメージングなことかと言うと、釜石はここから530㎞も離れているんだ」と語っている▼今回のフランス大会は、日本大会を上回るリスペクトに満ち溢れた大会になってほしいと願う。(南)

    -------------------------------------------------------------------

戦闘機輸出ルールの緩和は、国際紛争への荷担にほかならない
〈柳沢協二さんのウオッチ安全保障〉




◆憲法の理念を投げ捨てていいのか
 現代戦の主力兵器で「戦闘の主役」である戦闘機の輸出が解禁されれば、国際紛争を助長しないという憲法の精神に基づく理念を完全に投げ捨てることになるが、本当にそれで良いのか。
 輸出先の第三国が未来永劫、紛争を起こさないとは誰も断言できない。状況次第で次期戦闘機が実際の戦場で使われてもしょうがないと思うのが自然だ。目的外使用の防止など第三国による適正管理の仕組みをどれだけ整備したところで、歯止めにはならない。
 次期戦闘機の開発参加に意欲的とされるサウジアラビアは、中東の覇権国を目指している。サウジに戦闘機を提供すれば、敵対する国は日本をどう捉えるか。国家間の紛争に加担していくことにほかならない。
 殺傷兵器の輸出を自制してきた現行ルールは、将来起こり得る紛争で、日本が一方に軍事的に加担する立場を取らないことを担保していた。日本の防衛手段の一部に過ぎない次期戦闘機の共同開発を優先するため、紛争を助長しないという国のあり方を根本から変えるのは、本末転倒だ。

◆背景に共同生産するイギリス、イタリアからの圧力
 政府は23日の与党協議で、国際共同開発品を日本から直接輸出できるようにすることが「望ましい」との見解を表明した。与党は7月にまとめた論点整理で輸出を容認する姿勢を示しており、第三国からの不正流出防止策など適正管理の仕組みが担保されれば、正式合意する見通しだ。
 現行ルールでは、共同開発・生産する相手国への武器技術や部品の輸出はできるが、日本から第三国への直接輸出はできず、共同開発国が第三国に輸出する場合も日本の事前同意が必要だ。過去に第三国に輸出した事例はない。
 関係者によると、政府がルール変更に踏み切ろうとする背景には、日本が直接輸出国になってアジアなどへ販路を広げ、生産コストの圧縮に貢献するよう英伊両国に求められていることがある。
 「平和の党」を自任する公明党は当初、典型的な殺傷兵器である戦闘機の直接輸出に慎重姿勢だった。しかし、与党協議のメンバーが6月、英国大使館関係者と面会した際、日本も直接輸出できるような制度変更を求められ、受け入れざるを得なかったという。
 巨額のコストがかかる戦闘機開発では、販路を拡大して量産することで製造コストを抑えるのが一般的。英国など4カ国が共同開発した戦闘機「ユーロファイター」は、開発国以外に中東など少なくとも5カ国に輸出された。
 日英伊の次期戦闘機を巡っては、サウジアラビアが共同開発への参加を希望しているとの英紙報道がある。ユーロファイターの後継機として、購入にも意欲があるとみられる。ただ、サウジはイエメン内戦に介入した2015年、ユーロファイターなどで空爆を行い多数の民間人が犠牲になったという調査報告もある。(東京新聞8月26日)

    -------------------------------------------------------------------

みなべ「九条の会」139回目のピースアピール



 みなべ「九条の会」は9月9日、139回目のピースアピールを実施しました。
 「岸田首相は、来年9月の自民党総裁任期中の改憲を表明しています。私たちは8月に、沖縄と戦争をテーマに取材を続けている映画監督の三上智恵さんが、2019年から2023年の5年間取材した映像を収めた『沖縄、再び戦場へ』のDVD上映会を実施しました。上映会に参加した方たちからは、『戦争準備が着々と進んでいる。与那国島に戦車が走り、ミサイルからの避難訓練が進んでいる』『日本人全体の問題なのに、マスコミ等で知らされてなくて、知らないうちにミサイル基地や戦争への準備が進んでいるんじゃないかと危機感を持ちました』などの声が寄せられました。日本は憲法9条を生かした平和外交に積極的に取り組むべきです。核兵器禁止条約に率先して署名・批准し、被爆国として核兵器廃絶の先頭に立つべきです。戦争の準備ではなく、平和の準備のために力を尽くす政治の実現が急がれます」と訴えました。

    -------------------------------------------------------------------

【予告】第20回「憲法フェスタ」 守ろう9条 紀の川 市民の会
11月11日(土) 河北コミュニティセンター




http://home.384.jp/kashi/9jowaka/tirasi/23kawafesta.htm

    ―――――――――――――――――――――――――――――
(2023年9月18日入力)
[トップページ]