「九条の会・わかやま」 505号 発行(2024年4月10日付)

 505号が4月10日付で発行されました。1面は、「くしもと9条の会」第10回総会開催 東アジアを戦争のない平和地域に、「HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama」再開、九条噺、2面は、雨天の中「3日」のスタンディング、岸田改憲と憲法審査会の動向(高田健さん)、書籍紹介『台湾侵攻に巻き込まれる日本』、【予告】「守ろう9条 紀の川 市民の会」第20回総会(5月12日・日) です。
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「くしもと9条の会」第10回総会開催
東アジアを戦争のない平和地域に




 「くしもと9条の会」は3月17日、ウクライナやパレスチナ・ガザ地区で戦争が起こっている中、戦争のない日本や世界を目指して、第10回総会を開催しました。
 開会は、恒例となっているグループ「SAM」による楽器(マンドリン・ギター・カホン)演奏があり、4曲「悲しくてやりきれない」「遠くへ行きたい」「グットマイラブ」「見上げてごらん夜の星を」を奏でていただき楽しむことができました。
 記念講演会は36名の方が参加しました。日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(日本AALA)事務局次長の堀内保孝さんの「憲法9条とASEAN諸国の平和の動き」の話では、憲法9条の前提として前文には「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」とあり、自国の平和だけでなく世界の国々と連携していくことが必要であること。日本AALAでは、「戦争をするな!どの国も」の第9次国際署名に取り組み、2023年はASEAN事務局に提出するなど東アジアを戦争のない平和の地域にするための運動をしています。  ASEANは、「いかなる大国の代理人にもならない、中心となって秩序作りを主導する、対抗ではなく対話と協力の地域をめざす、どの国も排除しない包摂的な多国間協力、主権尊重と紛争の話し合い解決」を指針にしており、日本を含む東アジアを戦争のない地域にするために関係をもっと緊密にしていく必要があると話されました。ASEAN諸国は、先の大戦で植民地支配を受けた国が多く、軍事同盟による軍事拡大での抑止力では平和を築けないことから、非核非同盟の平和共同体を構築しています。そしてその流れが世界の主流になりつつあることを確信する機会になりました。
 総会は、22名の参加で、近隣の上富田、古座川、白浜、すさみの各「9条の会」から来賓挨拶を受け、活動の様子を聞き、交流をしました。議事は、規約の改正、活動報告、決算報告、24年度の活動方針と予算案などが提案通り承認されました。
 「アジアで50年間争いがないというのは驚きです。憲法9条を洗面所に貼り、毎朝声を出して読もうと思いました」などの感想が寄せられています。(事務局長・上柳博さんより)

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「HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama」再開

 「HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama」が5年ぶりに開催されることになりました。
 憲法記念日に、「憲法」について思いをめぐらすきっかけとしたいと、2014年より和歌山城西の丸広場を会場として開催されてきました。  しかし、2020年に新型コロナウイルス感染症の蔓延という事態に見舞われて中止のやむなきにいたり、以後、開催ができていませんでした。再開希望の声も多く、この度、5年ぶりに開催することになりました。実行委員会は、是非多くの方に憲法記念日の一日、ご家族連れで足をお運びいただきたいと希望しています。
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日時:2024年5月3日(金・祝)10:00~15:00
場所:和歌山城西の丸広場(和歌山市役所向かい)
*入場無料 *小雨決行
【ブース】焼き鳥、かすうどん、マフィン、たこ焼き、めはり寿司、ビール、 豚汁、etc... キッチンカーも来ます!
【ステージ】高校生バンド、朝鮮学校(伝統楽器演奏)、子ども落語、ファミリーバンド、ハワイアンフラ、etc...
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中止前の2019年5月3日に開催された時の写真をご紹介します。







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【九条噺】

 502号でベトナム訪問に言及したが、地名と人名のホーチミン、ベトナムの歴史、ベトナム語などを調べてみた▼ホーチミン市の旧称はサイゴンで、ベトナム戦争の頃は南ベトナムの首都だった。南北統一を経てホーチミン市と改称された。これは独立運動家で建国の父であるホー・チ・ミンの名による▼ホー・チ・ミンは漢字で胡志明だが、これは変名の一つで出生名はグエン・シン・クン(阮生恭)だ。第2次大戦までの変名グエン・アイ・クォック(阮愛国)でも広く知られ、ベトナム人民からは「ホーおじさん(バック・ホー)」の愛称で呼ばれる。1890年仏領インドシナ中部ゲアン省生まれ。父は儒学者グエン・シン・サック。父が阮朝に出仕して都フエに移り、随行して官吏養成「国学」でフランス語も学ぶが、農民運動に携わって退学。船の見習いコックとして渡仏した体験が後につながる▼「ベトナム(越南)」は「南の越」で中国に隣接している関係から、秦・漢をはじめ中国歴代の王朝の侵略を受け、チュン(徴)姉妹など何度も独立を戦った歴史がある。現代史ではフランスとアメリカを破って建国した▼アメリカとの戦争の時期は世界でベトナム戦争反対運動が起こり、日本でも連帯のベトナムの歌も紹介された。今回動画サイトで見つけた原語と対訳「南ベトナムを解放しよう」は学生時代にカタカナで覚えたので懐かしい▼独立の気概があり多様な文化を受け入れるベトナムに今後も注目したい。(柏)

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雨天の中「3日」のスタンディング



 有田共同センターでは4月3日、24名が参加して「毎月3日の宣伝行動」を行いました。この日は朝から雨。でも、なんとこの行動の最中だけ雨がやんだのです。強行してよかったです。(五島栄次さんより)

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岸田改憲と憲法審査会の動向

2月22日に開催された「緊急院内集会―憲法審査会は、今!」でのスピーチ概要をご紹介します。

高田 健 さん
九条の会事務局
(許すな!憲法改悪・市民連絡会共同代表)




 いま、国会では自民党の裏金問題でそれどころではないが、予算審議が終われば、岸田自民党は、憲法審査会を動かして改憲原案の具体化に踏み込むことは確実だ。その意味では、今は嵐の前の静けさだ。岸田首相は「任期中の改憲をやる」と繰り返しており、施政方針演説でも「条文案の具体化を進め、党派を超えた議論を加速する」と踏み込んだ。「あえて総裁として申し上げれば」などと弁明しているが、この発言が、憲法99条の憲法の尊重擁護義務に違反することは明白だ。
 憲法審査会を再開してはならない。とくに、昨年末、自民党の中谷元議員が言及した、改憲原案づくりのための作業部会の設置を許してはならない。中谷議員が言うような緊急事態条項改憲での一致、9条改憲での大まかな一致など全く存在しない。もし、どうしても開くのであれば、どうやって東アジアの平和を実現するのかを議論すべきであり、また、政府がつくった有識者会議で、5年で43兆円という大軍拡予算ですら足りないなどということが平然と議論されていることの問題性をこそ取り上げるべきだ。
 こうした改憲派の策動に対し、立憲民主党も体制を強化して臨もうとしており、立憲野党が一緒になって、この動きを阻止するため頑張らねばならないし、何より市民が国会の外から立憲派の議員を支えて闘うことが必要だ。
 改憲策動に立ち向かうためには二つのことが重要だ。一つは、これから続くいくつかの選挙で、改憲勢力に打撃を与えるために頑張ることだ。4月28日には3つの補選がある。7月7日には都知事選があり、岸田首相が解散、総選挙に打って出る可能性もある。二つ目は、改憲反対の世論を盛り上げることだ。岸田政権の悪政で課題は多いが、改憲を止めるためにはこの課題を掲げた市民の立ち上がりがどうしても必要だ。
 2024年は改憲をめぐる衝突の年となる。24年を乗り越えれば、もう一度この国を新しい戦前ではない時代に巻き戻せる。

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書籍紹介 『台湾侵攻に巻き込まれる日本』



 安倍政治の「継承者」岸田首相による敵基地攻撃・防衛費倍増の真実。  台湾有事は2027年までに起きる? 米中が軍事衝突すれば日本が攻撃対象になり、沖縄が「捨て石」にされる!
 「敵基地攻撃能力の保有」で「専守防衛」を投げ捨て「新しい戦前」に向かう岸田政権の危険性を問う。
【目次】
第1章 台湾有事に備えて
第2章 安全保障政策の抜本的改定
第3章 防衛費対GDP比2%の正体
第4章 安倍政治を継承する岸田首相
第5章 ウクライナ戦争と日本
第6章 日本がたどる道
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著者:半田 滋(元東京新聞論説兼編集委員、防衛ジャーナリスト)
判型:四六判 232ページ
定価:1800円+税
発売:2023年10月30日
出版:あけび書房  電話 03-5541-8757
          FAX 03-5888-4448

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【予告】
「守ろう9条 紀の川 市民の会」第20回総会
5月12日(日) 河北コミュニティセンター




チラシ→ http://home.384.jp/kashi/9jowaka/tirasi/24kawasokai.htm

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(2024年04月10日入力)
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