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闘病記

 私は北海道で農家の3男として生まれました。何が自慢といえば誰よりも「頑健な身体」でした。動物用医薬品メーカーの営業マンとして、日本全国、15回も転勤しながら元気はつらつ、やる気まんまんの充実した30余年でした。
しかし、いま思えば10年位前から、尿が2つに割れて出てきたり、少し出が悪いかナ、程度の自覚症状はありました。事の起こる3〜4年程前からは、お尻や腰、膝に神経痛のような痛みを時折感じていました。
それが平成10年の夏、突然、尿が出なくなりました。これにはびっくり、泌尿器科に飛び込んだのはいうまでもありません。検査、診断の結果は「前立腺がん」。それも末期のがんであるとの診断でした。
私も、それなりに末期のがんについて、考えを巡らしました。私は、「半年持つかどうか」と医者から「さじ」を投げられた状態で、病院のベットに身を横たえ、死を待つことを潔しとはしませんでした。自分の身体におきた最悪の不祥事は、自分の身体に備わっている自浄能力(免疫力)で治そう。「がんなんかに負けてたまるか」。「絶対に治してみせる ・・・・・」 と。
これまでの人生にはなかった、真に命を懸けての闘いが始まりました。

 1.治療前の自覚症状
 2.検査・診断
 3.告 知
 4.通院・自宅療養
 5.療養開始時の症状
 6.療養開始
 7.経 過
1.治療前の自覚症状
10年程前、排尿時に尿が2つに割れることがしばしばありました。
4〜5年前から、長時間立っていると腰が痛くなり、治療の直前頃には、短時間でも痛みが走ったものでした。
3年程前から1年半程、右足の膝が神経痛の様に痛かったのを思い出します。
1年余程前には、左足の膝と右坐骨に神経痛の様な痛みがありました。
1年程前から尿の出が悪くなり、治療の直前頃は、しばしば排尿を我慢すると極端に尿の出が悪くなっていました。
半年前頃から、夕方には疲れを感じる様になっていました。 top

2.検査・診断
触診・エコー・CT・MRI・骨シンチ・生検 による
PSA 9,564
ステージ D-b期
悪性度 中分化
骨(腰椎・骨盤・他全身)・骨盤内リンパ節転移
喉・大腸・等に転移の疑い top

3.告 知
末期の前立腺がんで、近々車椅子、余命半年の宣告
「どうしてもっと早く来なかったんですか」、即入院の指示 top

4.通院・自宅療養
 即入院するよう泌尿器科の医師から強く勧められましたが、抗がん剤や放射線を投与 されながら、一時は良くなっても亡くなって行く人を幾人も見ていたので、自分は通院・自宅療養で克服することを心に決め、医師に強く申し入れし、了解を得ました。死ぬなら自宅で、と思っていたからです。
医師からは、
重い物を持ってはいけない
転んではいけない(骨折の危険があるため)
風邪を引いてはいけない
途中でホルモン剤が効かなくなるので、その時には入院してもらい、集中治療します top
との約束のもとに。
そして、「がんにブレーキ・免疫にアクセル」の理屈に合ったことは、何でも取り入れ、プログラム化し、がんに打ち勝つ強い意志を持って徹底しました。

5.療養開始時の症状
尿の出が極度に悪く、回数も多く、残尿感あり
ホルモン剤投与開始翌日より、左お尻から爪先に至るまで、激痛が襲う
体温37.2℃の微熱が続く top

6.療養開始
 通院による投薬治療と、食事療法を中心とした代替医療を、併せて徹底するため、入院せず自宅療養の道を選びました。
 @ 泌尿器科医師の処方箋による投薬治療
ホルモン注射剤(リューブリン10mg) → 3年間使用し、H13年11月より中止
抗男性ホルモン剤(オダイン125mgTab 内服) → H15年7月より、カソデックス80mgに変更
免疫剤(代謝拮抗剤・UFT−E顆粒 内服) → 1年間使用し中止
前立腺肥大症治療剤(ハルナールCap 内服) → 1年間使用し中止
利尿剤(ラシックスTab 内服) → 3ヶ月間使用し中止
胃酸分泌抑制剤(ザンタックTab 内服) → 1ヶ月間で中止
 A 代替医療
 これは、自分1人の力だけで、出来るものではありませんでした。心労から妻も衰弱してしまった時期があり、そんな私達を支え続けてくれたのは、2人の娘達でした。長女はゲルソン療法食や食材の吟味・調達などに、全力を注いでくれ、食事は、家族全員が同じものを食べました。次女は、サプリメントや薬品についての情報を集め、適切なアドバイスをしてくれました。
 ● 食 事
 星野式ゲルソン療法食を1年間徹底的に行い、その後、東城百合子氏(栄養士・あなたと健康社主宰)が指導している自然食を併用しました。現在は、この自然食を基本に続けています。
 * 星野式ゲルソン療法食のポイント *
動物性蛋白質(肉・魚・卵・乳製品など)を摂らない
塩分・砂糖を摂らない
油はリノレン酸(オメガ3)以外は摂らない
玄米に五穀米(雑穀類)をブレンドし、菜食とする
穀類・野菜・果物は、無農薬・有機栽培のものか、吟味する
無添加物の食材を手当する
人参ジュース1500ccを毎日飲む
 ● サプリメント(健康食品)
アガリクス
サメの軟骨
セレン酵母
かぼちゃの種
キチンキトサン(半年後に加わる)
ビワの種(半年後に加わる)
 ● その他の療法・食物など
天仙液(中国のがん治療漢方薬)…治験用として2ヶ月分の輸入許可
田七人参液
天然のビタミンC(レモン汁など)
ラジュウム線浴(福島県「やわらぎの湯」岩盤浴)2〜3回/週
こんにゃく・ビワの葉 温湿布
半年後より、適度の運動・体力トレーニング(自分流ストレッチ・歩行・呼吸法・プッシュアップ・スクワット・クランチ・スワンなど楽しく行う)
ファイトケミカルを意識し、ねぎ属(ニラ・ニンニク・ネギ・玉ネギ・ラッキョ・など)を多く摂る
おやつは、干し柿、干ぶどう、干し芋、くるみ、などを良く食べる top

7.経 過
 食事療法を主体とした体質改善を進めたことにより、1ヶ月で私の身体に急速な変化がでてきました。
  平成10年10月
  (療養開始時)
・ PSA : 9,564
・ 骨シンチ : 脊椎、腰椎、鎖骨、胸骨、骨盤、大腿骨、他にがん転移
・ 骨盤内リンパ節に転移
・ 左のお尻から足の爪先まで激痛
・ 喉にがんが出来た様な違和感
  平成11年 4月 ・ PSA : 30.5
・ 骨シンチ : 60%位まで改善
・ 足の痛みも薄れ普通に歩ける様になる
・ 足の裏の一部にタコが出来た様な違和感が残る
・ 喉の違和感が消える。
  平成11年10月 ・ PSA : 3.60(正常値基準4.0以内)
・ 骨シンチ : 40%程に改善
・ 足の痛み、違和感ほぼ消える
・ 身体に不都合何もなし
  平成12年 4月 ・ PSA : 0.5
・ 骨シンチ : 腰椎、骨盤以外はほぼ消えた
・ 左足は椅子に座っているとしびれの様なものを感じる程度
  平成12年 10月 ・ PSA : 0.15
・ 骨シンチ : 腰椎、骨盤もわずかに残っている感じ
・ 足の方のしびれの様なものも良くなって来た
  平成13年 4月 ・ PSA : 0.06
・ 骨シンチ : 腰椎にかすかに残っている気配
・ 長時間椅子に座っているとしびれの様なものはまだ残る
  平成13年10月 ・ PSA : 0.04
・ 骨シンチ : ほぼ完治の状態
・ 足の方のしびれも違和感も無くなり状態は良い
・ ホルモンの注射を止め、オダインのみにする
  平成14年 4月 ・ PSA : 0.03
・ 骨シンチ : 完治の状態
  平成14年10月 ・ PSA : 0.04
・ 骨、足共に状態良好
  平成15年 4月 ・ PSA : 0.05
・ 全て完治の状態に有り
  平成15年10月 ・ PSA : 0.04
  平成16年 3月 ・ PSA : 0.02
  平成16年 9月 ・ PSA : 0.03
  平成17年 3月 ・ PSA : 0.04
  平成17年 9月 ・ PSA : 0.06
  平成18年 5月 ・ PSA : 0.06
  平成18年 9月 ・ PSA : 0.05
  平成19年 3月 ・ PSA : 0.03 top

 がんとのつきあいは、これで終わりという事はないと思います。
現在、私の身体は、定期検査の結果をみても、良い数値で静かに推移しています。 しかし、がん体質である以上、「がんにブレーキ・免疫にアクセル」の生活を、この先ずっと続けなければならないと考え、実践しています。
 こんな私にも、今までに、何度か迷ったり、気が滅入ったりした事がありましたが、それを長く引っ張らず、すぐに気分を転換し、信じる道を歩いて来ました。今振り返って見ると、がんは、絶対自分で治すという気概と、プラス思考が、ストレスの排除にもつながり、免疫を高め、がんを克服出来たものと思っています。
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